
以前のブログでも書いていますが一般的によく行われているコーディング内容に加えて最近ではHBA、SLIとかを追加していったところからいろいろなモジュールのCAFD内容をかなり書き換えた状態になってきておりSLI導入の際などのようにFA/VOコーディングを行うとこれまでのコーディング内容が全てリセットされたりディーラーさんに車検に出すので一時的にデフォルトに戻す、その後再度コーディングするとかの際は過去にコーディングした内容を車に接続して項目ごとにコーディングを行うのは時間もかかりACC電源が落ちたり、バッテリーの電圧が低くなったりすることにビクビクしながらやりたくないことと、焦ってコーディング内容を間違えるのも後に余計な手間をかけるだけですので効率よくコーディングのリカバリーができないものかと思案しました。
やっていることは特別なことではないので既に皆さんがやっていることなのだろうと思いますが手順としてはあまりこのような内容が出ておらずコーディングも落ち着いてしまうと半年、1年とか触らなくなるとやり方を忘れたりするので(老化のせい?) 自身の備忘録も兼ねて書いていきたいと思います。
既に以前からE-Sysに於いてはコーディングツールとして皆さんが使用しているのですがマニュアル好き(というかマニュアルを読んでから使うタイプです)なのでE-Sysに関してもマニュアルが欲しいと思っていますがE-Sysの性格上オフィシャルのものが出回る可能性も低いので先達の方々のいろいろな記事を読んで何とか操作が解るという状態で素人が操作するにはなかなか敷居の高いところかと感じています。
これからコーディングを始めよう、始めたばかりの方の参考にでもなればと思います。
1, まずはバックアップを取る。
コーディングをしていろいろと書き換える時にはやはりバックアップを取っておき万が一の場合にも常に以前の状態にリカバリーできる状況を整えておく必要があります。
バックアップはFA、SVT、CAFDそれぞれに対して最新の状態をバックアップしておきましょう。またバックアップは最新(最終)の状態だけでなくコーディングする前のデフォルト、段階的にコーディングしていった際には段階的に残しておくとよいでしょう。
(1項目ごとに全て残すとバックアップファイルの数が膨大になってくるので適当な節目とか手間のかかるものとかの単位でよいかと思います)
因みにバックアップファイル名の付け方ですがVIN+日付だけにするとコーディング内容状態の判断が日付でしか見分けられず後日にリカバリーしたいときにどの状態のものかを忘れてしまったりする(老人はそのようなことが多い)のでファイル名に“何をした時のものか”の情報を入れておくことをお勧めします。
一例として私の場合は以下のような状態でバックアップを残しています。

バックアップの取り方自体はBIMMER OPTIONさんサイトで解りやすく書かれていますのでこちら https://www.bimmeroption.com/?mode=f12 を参考にしてください。
2, コーディング下準備1
いくつかの項目を同時にコーディングしたい時やその時々で項目ごとにコーディングを行っているとドンドンと変更しているが増えてきて何をしたか、どこを変更したかの記憶(記録も含め)曖昧になってくるのでどこかのポイントでコーディング内容を纏めておく事をお勧めします。
私の場合これまでにコーディングした項目は
・ASD(アクティブサウンドデザイン)
・ドアミラー収納時間変更
・ドアミラー角度変更(バック時)
・IDrive電源(ドアを開けるとiDrive電源OFF)
・アイドリングSTOP無効
・アイドリングOFF状態メモリー
・リーガルディスクレーマー解除
・NAVIスピードロック解除
・イージーエントリーシート
・シートヒーター温度設定(ドライバー、パッセンジャー×シート下面、背面×3段階)
・助手席シートベルトリマインダーOFF
・HBA(ハイビームアシスタント)
・SLI(スピードリミットインフォメーション)
の13項目となりかなりのモジュール内容を変更してきていますのでリカバリーの際にちまちまとやるのはウンザリしますのでまずはこれらのコーディング内容を項目ごとに設定内容を全て書き出してリストを作成します。
書き出す内容はモジュール、モジュール内のフォルダー名、項目、設定としています。
3, コーディング下準備2
先に作成した全項目のコーディング内容をモジュール毎にソートしていきます。
ソートをかける際にはそれがどの項目のコーディング内容かが解るように項目名は残しておく方がよいでしょう。これはコーディング内容のミスがあった際に機能しなかった項目から確認できるのでミスの発見が効率的になります。また同一モジュール内でもフォルダー番号順にソートをかけて並べておく方がコーディング作業をする際に効率良くできるでしょう。

13項目すべてを書き出してソートをかけると最終的に6ページ分の内容となりました。
また全ての項目をコーディングしても書き換えるモジュールのCAFDは7モジュール分という結果でした。
4, オフラインでのCAFDコーディング
1,に書いた最新のバックアップがある前提で話を進めます。
バックアップを取ったファイルを書き換えていっても問題はありませんが私の場合は更にバックアップからコピーで別フォルダーに書き換え用のCAFDファイルをコピーしています。
コーディングで書き換えが必要なモジュールは
・00000911_004_001_002 (ACSM)
・00000794_015_048_005 (FEM_01)
・00001EF6_006_020_007 (HU_NBT_EVO)
・00001148_000_029_006 (Kafas2)
・000009C8_006_003_122 (KOMBI L7_MID)
・000000B5_012_007_010 (SM2 6d)
・000000B6_012_004_011 (SM2 6e)
の7モジュールでしたのでこの7つのCAFDファイルだけを別フォルダーにコピーしました。
E-Sys起動>Expert Mode>Coding>FA Loadで最新バックアップFAをロード(念のため)>SVT Loadで最新SVLをロード>コーディングするモジュールのCAFDをクリック>右クリックでNew→FDLで書き換え用のCAFDファイルを開く
注意点としてはFDLをクリックすると\DATA\CAFを開いてくるのでコピーした書き換え用のファイルがあるフォルダーを開いてください。
ファイルを開いたら対象モジュールのファルダが+表示に変わるので開いてクリック>右クリック>”SvtConpareView.edit.fdl.name”をクリックして自動的にFDL Editorへ移動します。
対象のモジュールをコーディング下準備で纏めた内容を確認しながら設定変更を全て行い終了したら>ファイル上書き>戻るボタンを押す。

戻るボタンでExpert Mode>Coding画面に戻るので書き換えるモジュール分これを繰り返す。
変更が必要なモジュールのCAFDファイルを全て書き換えたらオフラインでのコーディング作業は終了です。
念のために書き換えたCAFDファイルが間違いなく内容が変更されていることを確認しておいた方がやり直しということにならないのでよろしいかと。
これらの作業はオフラインで行いますのでじっくりと時間をかけて間違いなくコーディング作業ができると思います。
5, オンラインでの実車コーディング
ここから実車に接続してのコーディングを行うことになりますが操作自体はオフラインでのコーディングと似たような操作となります。
手順としてはE-Sys起動>車両との接続確立>Expert Mode>Coding>Read FA>カーソルをFAフォルダーに持っていき右クリックでActivate FAクリック>Read(VCM)クリックでSVT読み込み>書き込み対象モジュールのCAFDクリック>右クリックでNew→FDLクリック

書き換え用のCAFDファイルを開きますがFDLをクリックすると\DATA\CAFを開いてくるのでコピーした書き換え用のファイルがあるフォルダーを開いてください。
対象ファイルを指定したら対象モジュールのファルダが+表示に変わるので開いてクリック>対象のCAFDをクリック>Code をクリックで車両へのCAFDファイルの書き込みが開始します。

書き込みが完了した際にはエラーの有無を知らせる画面が立ち上がりますので“Error=0”になっていることを確認して”close“を押して1モジュールの書き換えは完了です。
※エラー=0でなく1とか2とか出てしまった場合の対処は後日アップしていきたいと考えています。
この操作を書き換えるモジュール毎に繰り返せば車両への新しいCAFDファイルの書き込みは完了です。
書き換えるモジュールの数にもよりますがCAFDファイルの書き込みだけですので接続してから15分くらいあればすべての書き込みが終了すると思います。
またコーディング作業が完了して車両へのコーディング内容が動作するかどうかを確認した後には車両から最新のCAFDのバックアップを取っておくことをお勧めします。
リカバリーに関してですがディーラーさんに車検に出す際にコーディング内容をデフォルトに戻すにはデフォルトの状態でバックアップしてあるCAFDファイルを上記の方法で書き込めば簡単にデフォルトに戻せますし、ディーラーさんでFAを戻されてしまいコーディング内容をリセットされてしまった際は最終コーディング状態のバックアップでリカバリーすれば戻すことも容易かと思います。
E-Sysは少し触っていくと解るのですが同じ目的の操作であっても何通りもの操作方法が取れるようなアプリの設計がされておりそれが逆に操作をまだ理解できていない人にとってはどうすればよいのかを解りづらくさせているように思います。(かく言う私もまだ駆け出しのレベルですが…)
よってここに書いたことはいくつかある操作方法のうちの一つということですので“この方法の方が簡単にできる”というツッコミはご勘弁くださいね。