
3列シートミニバン「ランディ」
スズキのミニバン「ランディ」が、モデルチェンジにより4代目となった。中身はトヨタ自動車の「ノア」がベースになっている。スズキがトヨタからOEM(相手先ブランドによる生産)調達しているのだが、3代目ランディまでは日産自動車の同じくミニバン「セレナ」のOEM車だった。つまりスズキのミニバンが日産製からトヨタ製に切り替わったのである。
自動車メーカーが他社からOEM車を調達するのは、自社では開発・生産をカバーしていなくても、そのジャンルの車種を販売店の抱える得意客が求めるためにラインナップするケースが一般的だ。
日産「セレナ」ベースだったが
日産から供給を受けていた時代は、Sハイブリッドと名付けられたマイルドハイブリッド車しかなく、日産車の爆発的人気を呼んだe‐Powerの設定がランディにはなかった。しかし、ノアと共通になることで、ハイブリッド車(HV)が加わることになり、エコカー減税で重量税が免除になる。
4代目ランディはノアと同じく7人乗りと8人乗りが設定されており、ボディサイズは全長4695mm×全幅1730mm×全高1845~1875mm。全幅が1700mmを超えるので3ナンバー車ではあるが、ほぼ5ナンバーサイズといえるボディの取り回しのしやすさと室内の広さ、多人数乗りや多彩なシートアレンジなどを売りとしている。排気量2000ccのガソリンエンジン仕様と、1800ccエンジン+モーターを組み合わせたハイブリッド仕様が用意されている。
今年フルモデルチェンジをしたノア/ヴォクシーのHVは、モーター走行領域を増やし、静粛性や快適性が格段に高まっている。ガソリンエンジン車とHVの価格差は、ランディで30万円ほどあるが、HVのよさをランディでも存分に味わえることになるだろう。そこが、スズキを愛好する消費者にとって、ランディを購入する動機付けになるかもしれない。
ダイハツとのすみ分けも進むか

スズキは、コンパクト車のワゴンであるソリオに、一度はHVを設定したが、現行車ではマイルドハイブリッドに改めている。

ソリオの競合となるトヨタのルーミーは、ガソリンエンジン車のみの設定だ。マイルドハイブリッドとはいえ、ソリオの燃費はルーミーを上回るはずだ。
2016年に発売を開始したルーミーはすでに8年目となっており、それでも年度販売台数で2位を得てはいるが、将来の改善策として、ソリオからの適用も考えられるかもしれない。
スズキは、軽自動車の印象が強い自動車メーカーではあるが、トヨタとの関係では、海外戦略を含め登録車での協力が利益を生み出しそうだ。
またそうすることで、トヨタの子会社であるダイハツとのすみ分けも進むかもしれない。
Posted at 2022/08/29 15:56:29 | |
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