
それは、今から約10年前のH22年の初夏のころ。私は1台のメルセデスベンツ(W126)の中古車を、とある縁があって紹介された。
はじめ、私はとくにW126に拘って車を探しているわけではなかった。
本業で少し行き詰っていた私は、バイオディーゼル燃料が、廃食用油を加工して作れるということや、車によってはストレートの植物油(SVO)だけでも走れると知って、とても興味を惹かれ、もとからの車好きが高じて、それで”なんかやってみたくなった”のである。
そして私が紹介されたW126は、W126のなかでも「300SD Turbo」というディーゼルターボエンジンを積んだ車種だった。

はじめてその車をみたときに、わー、でかいな、と思った。(当時の私の車はデミオだ)。しかし、最近ではもうみることが少なくなったそのワイド&ローなセダンのスタイルは、とてもかっこよく、個体自身の程度も良さそうだった。
ディーゼルエンジンのW126は、10年前ですらもう買い手もつかず、そのままであればスクラップか、途上国行きである。
しかし「最善か無か」を体現した80年代の名車は、まだまだ走れることを主張していた。実際、英語版のWikiをみていると、W126の300SD等に積まれた直列5気筒ディーゼルエンジンOM617は、大変な名機で、それまで生産されたディーゼルエンジンのなかでもとびぬけて堅牢で、普通に40-50万kmは走る耐久性があることを知った。また、バイオディーゼル燃料(B100)やSVO(ストレートベジタブルオイル)でも十分に”いける”ことなどが、欧米のバイオディーゼラーの記事で紹介されていた。
そのとき私の目の前にあったW126 SD300 Turboの走行距離は”まだ”13万km弱であった。まだまだ”おいしい部分”は残っている、はず。燃料を廃油から再生するだけでなく、車も廃車寸前の車から再生(レストア)して、バイオ燃料(BDF&SVO)で走らせることができれば、それはとても痛快だと、思った。あの「Back to the Future」のデロリアンのように。
そしてそこから「天ぷら油deルネッサンス」が始まり、数々のトラブルや困難を乗り越えながら、今も「ルネッサンス号」は、私の毎日の通勤の足として、また長期B100&SVOの実試験車両として、走っている。走行距離は17万kmをこえ、そろそろ18万kmに達しようとしている。燃料はこれまで、一滴も軽油を使わず、バイオ燃料(BDF&SVO)だけで走っている。
この「ルネッサンス号」の詳細については、また時間のあるときにぼちぼち、書いていこうと思う。

Posted at 2020/06/02 00:13:23 | |
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W126 | 日記