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2010年03月19日

脳の故障か機械の故障か?

脳の故障か機械の故障か?  プリウスの暴走問題で最近再びクローズアップされてきたのは、アクセルとブレーキの踏み間違いの問題だ。これは実は古くからある問題で、店に突っ込んだり、駐車場のビルの上から転落したりと時々話題になる。統計によれば報告例だけでも国内で年に7千件以上にのぼるらしい。自分はそんな間違いはしないと思っているあなた、実はこれは機械の問題でなく脳の問題なのだ。


 私も一度経験がある。学生時代、父親のトヨタ・マークⅡグランデ2600を借りて那須高原にテニスの合宿に行った時のこと。ホテルの玄関前で方向転換しようとバックしたら、後ろの庭石にゴンと当たってしまい、そのことで気が動転しあわててATを前進に入れたとたんブレーキだと思ってアクセルを踏んでしまったのである。クルマは一瞬勢いよく飛び出したが、すぐに気付きブレーキを踏み直し事なきを得た。ただし、実家にリアバンパーの凹んだマークⅡを返しに行った時の父親の苦渋の顔が今でも浮かんでくる。


 私達は普段クルマの操作を半ば無意識に行っているが、この無意識が曲者なのである。平常心で運転している時はミスは少ない。しかし、気がなにかに取られると、この無意識の協調が崩れる。特に予想しないことが突然起きると、信じられないミスが誘発される。それは脳が機能分化した汎用マシーンではあるが、緊急時にはそちらに“人手”が取られ、それまで出来ていた行為が不完全になってしまうからだ。ちゃんと位置をわかってブレーキとアクセルを踏んでいたものが、パニック時にはただ「踏む」という行為に一元化されてしまったりするのである。


 試しに髭を剃っている時や、コンタクトレンズの脱着の時、よそ事を考えて行うとヘマをすることが多い。指を動かす運動野に余計な思考が干渉している。極端な例では、脳のV5と呼ばれるエリアが障害されると、動いているものの認知が失われ患者は横断歩道を渡れなくなる。なぜなら向こうから来るクルマの動きがまったくわからなくなるからである。脳はこのように巧みな連携プレーにより、まとまった意識や運動を創出している。



 それから、プリウスの件でもう一つわかったのは、人は嘘つきだということ。特に金などの利害がからむと一層そういう傾向がある。だから機械はもちろん故障するものだけど、それ以上に人の脳が陥りやすい故障あるいは特性の方が大きいというのが今回の教訓だ。


 したがって、このような操作ミスをしない運転に必要なのは、澄み切った心で運転に集中するということである。(夜に女性を横に乗せて運転するなんて、とんでもないことですよ、本当は)
ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2010/03/19 23:52:27

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この記事へのコメント

2010年3月20日 1:04
アメリカ人のトヨタ・バッシングは、ちょっとヒドイですねー。
ウソをつく人まで相手にしなければいけないなんて、かわいそうですよね。
わたしは、いまだブレーキとアクセルを間違えた記憶はありません。しかし、緊張すると練習で出来ていたことを間違えたことは何度もあるので、パニックになったら何をするか分かりませんね。こういうことって、訓練することは出来るものなのでしょうか!?やはり、冷静さを保持するのがいちばんということですね。
コメントへの返答
2010年3月20日 9:07
  ブレーキとアクセルの踏み間違いなんて、お年寄りかオバサンのすることだと思うでしょうけど、これもデータがあって、頻度を年齢分布で見るとU字形。すなわち20代と高齢者が多いのです。一番少ない年齢が40代です。
 トヨタ車は特に、アクセルもブレーキも踏んだ感じがフニャフニャだから、脳が誤作動しちゃうのかな?w
 どういう時でも冷静にというのは訓練でもスキル・アップはするでしょうね。経験がない人ほどあわてふためきますから。
2010年3月20日 7:26
この嘘つきがが事実だとするなら、ひどい話です。点の取れないFWがゴール前でわざと転んでPKを乞う日本代表のようである。恥ずかしい、とはこのことですね。

しかし、残念ながら、この手の話はわりとありがち。しかし、今回の問題は国を挙げてそれを助長したという点か。お隣の国では、鍵がみんな一緒と訴えているらしい。これまた火のつきやすい土壌なので、心配です。
コメントへの返答
2010年3月20日 9:15
 公聴会に出て来て証言した女性のクルマも、別な人に買い取られてからは一度も暴走はないそうですよ。豊田社長に向かって「シェイム・オン・ユー!」とか言い放っていましたが、実は「シェイム・オン・ミー」ではなかったかと思ってしまいます。w

>鍵がみんな一緒

 カーシェアリングの先駆けだと言ってあげましょう!!しかし、それもおもしろい現象ですね。ニュース、チェックしてみます。
2010年3月20日 9:56
アメリカの「嘘をついても証明出来なければ勝ち」的な道徳を排除した世間の風潮って恐いですね。
訴訟大国だからか、公然と無理を通して道理を引っこめるとは・・・インテリヤクザの世界ですよ。w
日本がアメリカナイズされ、この様な厚顔の輩が多くなると、日本人の一方向に流され易い国民性ゆえ取り返しがつかなくなりそうでイヤっすね。w
コメントへの返答
2010年3月20日 11:10
 そうですね。だから今度は逆風が吹いて、プリウスでクレーム言う奴は金目当てという先入観が植え付けられるのも、それはそれで困ったことになります。
 以前、メルセデスジャパンのお客様相談窓口に電話した時の、相手の横柄な態度には閉口しました。
 私「輸入車というのは、一般に日本の夏には弱いらしいですよ」
 電話担当者「はぁー、なんですか、それは?」
 結局、お互い疑心暗鬼になると、真実がみえなくなりますね。
2010年3月20日 12:03
同居人のジャガーXを運転していたとき、バックで踏み間違えそうになったことはありますね。
車によって微妙にペダルの位置が違いますから。

今回の暴走例、シェイムオンユーなかたも含めて、女性ってところがきになりますが。
男女差はどうなんでしょうね。
コメントへの返答
2010年3月20日 16:05
 それがなんと、全年齢通じて件数からすると男性が多いのです。↓

 http://www.3-3959.com/nenreibetu.jpg
2010年3月20日 14:50
なるほど説得力のあるお話ですね。

ちょっと緊張感を伴う話の後に
>夜に女性を横に乗せて運転するなんて

このくだり! だから先生の話は楽しいのですね!うんうん
コメントへの返答
2010年3月20日 16:12
  BMWとかポルシェのように、ドライバーに語りかけてくるようなクルマを運転している時、助手席の人の存在は実は余計なんですね。こういう時はメルセデスはすばらしいと思います。黒子に徹しますから。やはり大人のクルマすね。
 ポルシェと飲み屋の姉ちゃんも相性悪いんですよ。片や「真実」、片や「虚構」ですからね。ポルシェの純粋な魂を汚されたくないなぁと思って一度しか乗せたことありません(汗)
2010年3月20日 22:03
こんばんは。
アメちゃん、次々にボロが出てきましたね。全くひどい国です。酷い奴らと言えども、お客だから付きあわねばならないところが、商売人の辛いところです。

踏み間違いと言えば、学生時代に父のマークⅡ(AT)のブレーキをクラッチのつもりで踏んでしまって急停車したことがあります。追突されなくてヨカッタ^^;; 

MTの場合は本能的にクラッチを踏むこともできます。
コメントへの返答
2010年3月20日 23:02
 こんばんは!

>父のマークⅡ(AT)のブレーキをクラッチのつもりで踏んでしまって
 あ、これもよくやりました。自分のクルマが当時MTだったので、乗り換えると自然にクラッチを踏もうとしてブレーキを強く。
 そう考えるとATというのは便利なようで不自由ですね。
2010年3月23日 14:59
先生、こんにちは。

連休中、プリウスに1日乗る機会がありました。気付いたことは2つ。
1つは、エンジン?を始動していざ走ろうとする際、シフトがどこに入っているかは、パネルを見るしか方法はなく、通常のATの様なショックもないので、常に確認することが大切だと感じました。

2つ目は、シフトダウンをするシステムがないため、前車とのスピードを調整する場合は、ブレーキを踏む以外に方法はないので、エンジンブレーキを利用しての原則は不可能でした。

どうも馴染めませんでした。
コメントへの返答
2010年3月23日 17:09
 こんにちは!

 プリウスはやはり新しい時代のクルマという感じがします。
 いろんなものが、勝手に動いているといった全自動洗濯機のようなものですね。
 セカンドカーやサードカーに一台あってもよいとは思いますが、自分のメインにはしたくないです。

プロフィール

「@terry997 人のクルマにのせられる時それを少し意識します。自分の運転の時はしないけど。(^_^;)」
何シテル?   05/02 14:49
  2007年型カレラ4に乗っています。オールシーズン、日常の足として使用し、すでに10万キロを越えました。  カレラ4の乗り味は、ゆっくり走ればメルセデス、...
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