堅雪かんこのブログ一覧

　TopGearのUSA版があることは知っていたが、韓国版も放映されていたことは知らなかった。それどころか、この番組は他にもロシア、中国でも番組のフォーマットを買って制作されているらしい。世界各国で放映されたクイズ・ミリオネアみたいなものだ。だからパクリであっても正式なパクリとなる。
　ただし、この韓国版TopGearは番組開始早々、公道を速度違反で走ったり、ナンバープレートを偽造して何台ものクルマに同じものを貼ったりと警察沙汰となる問題を起こしたようだ。








　まずは、本家とそっくりのこれを見て欲しい。





　このほか関連動画を見ると、なかなか楽しい企画をやっているようだ。日本では「べスト・モータリング」が休刊になってしまい、穏やかな二人が穏やかにクルマを語る「カーグラTV」ぐらいしかなくなってしまった。TopGearのようなクルマを題材にしたスポーツ走行や悪ふざけは日本人よりエネルギッシュな韓国人に向いているような気がする。









　本家の英国版TopGearを際立たせているのは、やはり専制君主みたいなジェレミー・クラークソンのキャラクターに負うところが大きい。バカを装うが、ちらりと教養の高さを見せるところが魅力だ。クルマの評価もメーカーに媚びることなく思ったことをズバッと言う。
　有名人ゲストを呼んでのあの相手が怒る一歩手前のアイロニカルなトークはイギリス人でなければできず、それを返すゲストもまた見事だと思う。日本だとついお世辞トークで迎合してしまうことが多い。（日本でそれができる珍しいタレントはタモリである）


　この本家版の魅力のベースにあるものはBBCの凄さだ。撮影技術というかお金のかけ方が普通でない。また映画『英国王のスピーチ』にも初期のBBCのスタジオが出てくるが、そのアナウンサーの語り口を聞いて、ジェレミーのあのナレーションのやり方はこれが起源だと気づいた。自動車産業そのものは衰退したが、TopGearはイギリスの歴史と伝統が生み出したものと言える。ビートルズがイギリス以外では生まれえなかったように。






参考

　　中国版




　　ロシア版