
本日の仕事中の出来事を。
自動車整備工場で自動車検査員をやっています。
車検で入庫した車の検査が主な業務です。
最初に受け入れ検査を行いますが、その時に車検証と現車の同一性の確認を行います。
登録ナンバー、車台番号、エンジン型式、長さ、幅、高さ・・・。
今日は200系ハイエースのお話。
以前のディーゼルエンジンは1KD。
エンジンブロック左側にエンジン型式の打刻があり、エンジンルームを開けたらすぐ見える位置。
新しいディーゼルエンジンは1GD。
1KDとは打刻位置が違い、エンジンブロック右側。
1GDエンジンの原動機型式打刻位置の確認方法ですが、ネット上の情報も意外と少ないです。
打刻の画像もほとんど見当たらないんで、公開しますぞ。
整備マニュアルのイラストはこちら。
実際にエンジンルームを開けて、エンジンが見えるのは助手席側で運転席側はほぼ見えないのが現状。
イラストの打刻位置はタービンやら補機類がギッシリ付いていて普通は見えない。
このイラストは、ほぼエンジン単体の図なんで実際とは違う。
トヨタ車らしからぬ打刻位置・・・。
トヨタのディーラーさんでは、どのように見てるんでしょうか?
陸運支局の検査官はどのように見てるのでしょうか?
見る方法は直視、鏡、ファイバースコープ。
結論から言うと、一番早くて確実に見えるのはファイバースコープ。
慣れれば10秒くらいで確認出来ます。
まずは直視。
エンジンルームを開け、運転席側ギリギリの所で直視は出来るけど、角度的に文字を読み取るのはほぼ不可能に近い。
だいたいサビて見ずらい。
直視で見えればラッキー。
かなり厳しいと思いますが・・・。
見えなければ・・・
ファイバースコープを使います。
使用したのはBOSCH製のお手頃価格の物。
価格の割にはなかなか使える代物です。
これを使って運転席側タイヤハウス内から攻めますよ。
丁度、タービンの前辺りに入れていきます。
整備マニュアルのイラストの位置くらいを探ってみると・・・
1GDが読み取れます。
ただここまで見るのには正確な位置を知ってる必要があり、慣れないと少々難しいです。
それではファイバースコープを使わないで直視で確認する方法を。
ある程度部品を外しますよ。
ハイエースは良く出来た車なんで、ワンボックス車にしてはエンジンの整備性は良いですね。
まずはサクッと運転席を外します。
取付ボルト4本を外します。
久々に会社のエアーラチェットを使ったら・・・
サビてました(笑)
お恥ずかしい・・・。
ボルト4本を外したら、シートベルト警告灯の配線を外します。
こんなに簡単なんで、運転席は1分で外れます。
だいたいお仕事で使われてるハイエースの場合、運転席を外したら・・・
大量のゴミと小銭が出てきますね(笑)
次はシート下のカバーを外します。
サクサクっと外しますよ。
こちらも簡単に外れます。
外したらこんな感じでエンジン右側が見えます。
赤丸部分の奥にエンジン型式の打刻あり。
ただし、補機類があってとても見ずらい。
この奥ですね。
正直、打刻文字はサビてて見ずらいです。
そこでパーツクリーナーで洗浄後に染色浸透探傷剤を。
使い方はこちら。
白色現像液を吹き付けると、見やすくなります。
「1GD」バッチリ読み取れますね。
原動機型式(エンジン型式)の下に、原動機番号(エンジン番号)もあります。
1GDエンジンのハイエースが入庫する度に、この作業は正直面倒ですので
お勧めはしません。
ただエンジン型式を確認するだけなのに・・・
酷すぎますぞ、トヨタさん・・・。
あとは小さい鏡を使ってみたけど・・・
こちらもなかなか見ずらい。
やはりファイバースコープで見るのが最速ですね。
ちなみに・・・
錆が酷くて見えない場合もあります。
その状態ではファイバースコープで見るのが困難なんで、錆を落とす必要があります。
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Posted at
2022/05/14 00:36:30