どうも、太助です。
今回も長文です。
読むのがメンドーという方は一番下までスクロールしてください。
「あの、写真撮ってもイイですか?」
イマは0時、ココは国道。
目の前にはワタシのクルマと、その前にシャガミ込む監督。
どうしてこうなったのだろう?
その日を振り返ってみたいと思う。
雲のない青い空だった。
長嶋茂雄が「鯖」という漢字を「魚へんにブルー」と説明したのを思い出してしまうくらい、その空は青かった。
こんな日は富士山まで星空を見に行こう。
それがイイ。
きっと自分の小ささに気付かされるくらいに星達が光り輝いているコトだろう。
気が向いたら星空の下で鯖を七輪で焼こう。
気が向いたら、だが。
その日は友人と人体の不思議展に行き、ビーフジャーキみたいに干乾びた人間の標本を見た後、焼肉屋で肉を食べ、自宅に帰って何度クリアしたか分からないプレイステーションのゲーム、バイオハザードをプレイし、ショットガンで飛び散るゾンビの肉片を楽しむつもりだったが止むを得ない。
予定変更に二つ返事で了承してくれた友人を乗せ、ワタシはクルマを走らせる。
小一時間、他愛もない会話で盛り上がる車内。
富士山の麓付近にあるコンビニに着いたワタシ達は、ココで一度休憩をとった。
これから低車高のクルマで日本一の山を登るのだ。
気合を入れる必要がある。
深く息を吸い込み、背を反らして見上げる。
そこには曇り空が広がっていた。
父親の引き出しから秘蔵のアダルトビデオを抜き取った小学生のヒロシ君と、その友達のハジメ君とダイキ君がブラウン管に写るモザイクに目を凝らしても、その先がドウなっているのか分からず、歯がゆい思いをしながらモジモジしてるのと同じくらい歯がゆかった。
モジモジはしてなったと思う、多分。
いつものワタシなら目的地に着くまでに晴れる可能性にかけてバンパーを削りに行くトコロだが、その時はそうしなかった。
それはナゼか?
明確な理由は分からないが、多分2人ともオ腹が空いていたのだろう。
この後、お気に入りの飲食店で食事をするのだが、接客の悪さ、味の落ち具合に落胆し、もう2度と来ないと誓うコトになる。
ツイテイナイ。
ため息の漏れる車内の雰囲気は、さながらお気に入りの飲食店で食事をして、接客の悪さ、味の落ち具合に落胆し、もう2度と来ないと誓ったトキのような雰囲気だった。
コレは良くない。
人生、楽しく。
この言葉通り生きようと決めているワタシには良くない。
流れを変える必要がある。
地元まで帰ってきたワタシと友人は、人生を楽しくするコトの出来る場所を探すコトにした。
しかし、ドコに行っても混雑状態だったのだ。
この理由は明確。
コーラを飲んだらゲップが出るのと同じくらい明確。
この日は地元でも一二を争う花火大会が行われる日だった。
そして行われた後だった。
コンビニには店内の明かりに引き寄せられるムシに匹敵するぐらいのヒト。
アミューズメント施設にもヒト。
ラブホテルにもヒト。
もしかしたら世界中の黄色人種が集まっていたのかもしれない。
腕時計を見ると長針と短針がイチャイチャしようとしていた。
今にもラブホテルに入って行ってしまいそうな程に。
もうドコに行ってもヒトで満室だよ、長針と短針。
もうこのまま帰るコトになりそうだ、と思い始めた2人はカラ元気に笑いあう。
その時だった。
このまま帰る?
バカなコトを…。
一部始終を見ていた友人は、ワタシの顔は真っ青だったと後に語る。
長嶋茂雄が「鯖」という漢…。
目の前には路上工事現場。
車線を変更するよう促すLEDで光る看板。
素直に従うワタシ。
ナイス、ワタシ。
目の前を走るSUVの下から姿を現すナニか。
異様な衝撃。
勝手に動きはじめたワイパー。
急ブレーキをせず、冷静にクルマを路肩に止めるワタシ。
ナイス、ワタシ。
ハザード点灯。
信号が赤に変わり、後続車が来ていないコトを確認し、外に出た。
クルマの前に周り、目に映ったのは見るも無残なフロントバンパー。
下を覗き込むと、ソコにはハガレる寸前のカサブタのようなアンダーカバー。
クルマの後方には半径8センチ、高さ30センチほどの円柱が転がっていた。
手に取ってみると重い。
きっと鉄で出来ているのだろう。
10キロほどの重さなんじゃないかと予想する。
しかし、コレは何なのだろう?
円柱は黄色と黒色で塗られており、真新しいキズがいくつもある。
少し視線を上げると、ソコには同じ色が溢れていた。
ソレはソウだろう。
ソコは路上工事現場だったのだから。
作業員に説明すると、スグに駆けつける現場監督。
素直に謝る監督。
クルマを確認したいと申し出る監督。
カメラを手に取る監督。
「あの、写真撮ってもイイですか?」
イマは0時、ココは国道。
目の前にはワタシのクルマと、その前にシャガミ込む監督。
事故りましたよ。
Posted at 2009/08/30 04:40:22 | |
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