
さて、TOYOTA現行4車種一気乗り。2台目はGR
C-HRです。
コンパクトカーとは言えませんが、営業の方曰く「欧州車に乗ってる人には是非GRに乗って欲しい」とのことで、試乗させていただきました。
先に試乗したヤリスとの2ショット。やっぱり一回り以上大きいですね。顔は似てます。今風トヨタ顔。
(前回分 ヤリス試乗記はこちら)
https://minkara.carview.co.jp/userid/3281305/blog/44305393/
このC-HRはプリウスのプラットフォームとハイブリッドシステムをベースに、流行の都会派コンパクトSUVとして仕上げた車です。
◯エクステリア
登場直後から、その独特なフロントマスクに、相当に寝かされたCピラー・リアハッチというスポーティなデザインで大ヒットしました。
確か、2016,2017年で最も売れたコンパクトSUVに輝いていたかと思います。
そのデザインへの拘りたるや、相当なもので、
2ドアクーペ風デザインに見せるために、リアのドアノブはCピラーに一体化され、ピラー同色の黒に塗られることで存在感を消しています。
これはアルファのハッチバック(147やジュリエッタ)などでも見られた手法で、斜め後方からのシルエットをすっきりと見せるには効果的です。
一方で、cピラーが太くなり後方視界が妨げられる、単純にリアドアが開けにくい等のデメリットがあります。
C-HRにおいても、斜め後方の視界は絶望的で、これが原因でCーHRの購入を諦める方も多いようです(ディーラー担当者 談)
フロントマスクも大胆な造形をしています。
ヘッドライトはかなり横長で、パーツとしての大きさも相当なものです。
真っ赤なボディ色も相まって、何となく鬼みたいな外観ですね。牙はやしたら似合いそうだと思いました。
Aピラーとフロントウインドウは寝かせ気味で、同じく寝かせられたCピラーと共にクーペSUVと言えるフォルムを形成しています。
これはデザイン面のみならず、空力面や燃費面でも好影響があるように思えます。
リアのデザインも秀逸です。
大きめのテールランプは左右から抉り取られたような形をしており、その切り欠きに合わせるようにリアハッチも大きく湾曲しています。
最近のトヨタ車には、こういった「大きな反り」のデザインをリアに持つ車が多く、加工技術の高さを窺わせます(リアハッチは樹脂製とのこと)。
各所所に大胆なデザインが用いられており、全体として相当特徴的なエクステリアとなっています。
好き嫌いがはっきり分かれそうですが、セールス面を見ると、好きな人は多そうです。
◯インテリア
大胆なエクステリアとは裏腹に、インテリは黒で統一されたシックでスポーティなものでした。
GR専用の本革巻きステアリングの質感はたかく、握りも太すぎず細すぎずで適切なものです。
手動ではありますが、チルト・テレスコ両方を調整できるためドラポジもしっかり合います。
運転席周りには大きな不満もなく、メーター類も見やすいものでした。(HVならではのPWRメーターは見慣れないものでしたが)
一方リア・ラゲッジルームのスペースは、大胆なエクステリアデザインの影響から、車体サイズに比べて狭小です。
身長179cmの私のドラポジに合わせると、リアに着座した際の運転席と膝のスペースは、こぶし一個分あるかないか程度になります。
加えて、リアドア自体が小さいことで乗降性も高くはありませんでした。
◯走行編
初のGRということで期待して運転席に乗り込み、HVならではの静粛性に戸惑います。
考えてみれば、HVに乗るのはこれが初めて。
よく聞く「HVは下のトルクが厚いモーターのアシストで、力強く加速する」という評判を思い出し、開けた道での加速を楽しみにしながら発進しました。
歩道から、車道に移る際のギャップで、通常のトヨタ車とは違った感触を感じました。
引き締まった脚で、若干の突き上げを感じますが、ボディ剛性も高く不安感はありません。
担当者曰く、GRでもボディ補強はされていないとのことでしたので、ボディ剛性についてはTNGAが持つ素性の良さなのだと思います。
(と、ここで調べてみたら、ボディ補強されてました!!GR sportグレード共通のセールスポイントらしいです。担当者さん!!笑)
その後、どの速度域でも路面の轍やギャップの感触もハンドルに伝わり、路面状況の把握がしやすい、良い足回りだと思いました。
一方で、HVパワートレインについては、、、
幹線道路に出て、前が開け、
待ちに待ったHVの加速を体感しようと、アクセルを思い切り踏み込みます。
が。。
加速、しない。。。
CVTの特性なのか、HVの特性なのか、アクセルを踏んでからワンテンポいやツーテンポ遅れて加速が開始します。
加速が開始してからは、必要十分な加速度を得られるのですが(それでも速くはない)、アクセル開度にリニアじゃないので、結構ストレスがたまるタイプの加速感です。
この点に関しては、ガソリンMTのヤリスの方が好みに合いました。
◯総評
大胆なデザインは唯一無二です。
各所がブラックアウトされているため、原色系の赤や黄色のボディカラーでも安っぽくならず、スポーティで若々しいSUVとして映えます。
相当に独特な外観を持つので、好き嫌いは分かれるとおもいますが、印象に残るデザインで「カッコいい車に乗ってる」と周囲には思われるはずです。
走りに関しても、GRスポーツの足回りは非常に優秀で、欧州車ライクながら硬すぎることなく、よく動きます。
ボディ剛性が高いこと、ハンドルの不感帯がそれほどないことから、ワインディングなどを流すときもちよさそうです 。
プリウスベースのHVということで、きっと燃費も期待できると思います。
一方で、後席の居住性と、ラゲッジスペースの容量は、ボディサイズ対比期待できるものではなく、デザインによって相当に犠牲になっているところです。
サイズの面でも、実用性という面でも、セカンドカーの選択肢には入りませんが、GR sportの素性の良さは十分に分かりました。
パワートレインに不満はありますが、HV以外の選択肢であれば楽しめそうな車です。
お値段は約300万円。OP盛って、乗り出しだと350万を優に超えてきそうです。