峠への取り付きの三叉路の脇に大きな欅の木がある。
季節を問わず、いつ行っても鮮やかに紅葉している不思議な木だ。
そこをいつもと逆の右に入って、深い谷にかかる小さな橋を渡り、
鬱蒼とした杉林の九十九折りを急登すると、
やがて熊笹の茂る稜線に出て視界が開ける。
ここからはアップダウンのある直線路と、
中・高速コーナーがセットになったダイナミックな山岳路となる。
電話で道路管理局に予約をしておけば、
シロモノやバイクは締め出され、
要所にはご丁寧にもコースマーシャルまで配置される。
ポルシェカードをETC車載機に挿入するとゲートで自動的に決済できるから便利だ。
しかし、今日は助手席の客人のためにゆったり走ることにした。
貸切を予約したのは、無粋なクルマを見たくなかったからだろう。
客人と何を話したかはっきり覚えていないが、
ハイブリでスポーツカーを騙れるかとか、
公道でレースまがいの暴走をする困った輩や、
それを交通憲兵隊に通報することを生業にするニート崩れ、
ハテさてどうしたものかというような、
そういった現実を引きずった話題だったように思う。
コースの中ほどに年中雪不足でクローズドになっているスキー場がある。
スキーはできないが展望レストランと温泉だけは営業している。
レストランで眼下に広がる夜景を見ながら、猪肉ソテーのメニュー料理を食べ、
食後にアイスコーヒーを2杯飲んでから温泉に入った。
湯殿の入口に寝そべっていた大きな紀州犬かナニかをかまっているうちに、
客人が静岡駅午前二時発の新幹線に乗りたいと言い出したので、
最寄りの新幹線駅まで送るべく、クルマに鞭を入れて走り出したが、
在来線を乗りついでこそ旅の醍醐味があるなどと、
客人は利いた風なよくわからぬことを仰るので、
じゃ、トイレに行って考えようということになり、
小便器の前でファスナーを下ろそうとしたところで目が覚めた。
この山岳路は、いつも同じレイアウトで夢の中の稜線を縫っている。
途中に雪不足のスキー場があり、そのあと稜線を下って落葉広葉樹の林を抜け、お寺の脇を通って農協前の交差点で終わっている。一人で走る時も、誰かを乗せている時も、はたまたシロモノに前を塞がれイラっちしている時も大略同じ道だ。だから、夢のとっかかりでこの道が出てくると、「ああ、今夢を見ているんだな」という自覚がある。実は全く違った道なのかもしれないが、少なくとも夢を見ている時にはそういった自覚はない。
何故、この道が夢の中に何回も出て来る(出て来る気がする?)のかはわからない。
恐らく潜在的な葛藤やフラストレーションかナニかがあるのだろう。
救われない贋軍師に愛の手を♪
(´・ω▼`メ)ヒベサバ
Posted at 2010/03/16 23:46:25 | |
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