バイクパートに入った頃には陽もかなり昇り、暖かくなってた。そのせいか、足の張りも再発せず、快調にクランクを回せた。
25キロ地点は風が強いと聞いていた池間島大橋。昨日は突風のような風で旗もなぎ倒されていたところだ。でも今日は快晴で風も穏やか。たしかに逆風は吹いていたが想定内だった。昨日とは全く色も表情も違う海に見入ってしまった。
50キロ地点は一周目と二周目の分岐点で、通過時点での平均速度は31キロ台。ちょっと自分としてはハイペースだ、この分岐点で余裕を持って帰ってこないとヤバいと思い、ややペースダウン。ちょうどその地点からは上りが城辺まで続き、自分のペースを取り戻せた。そこから東平安名崎までは下りだ。灯台に向かうコースは断崖絶壁の吹きさらしで、否が応でも風の煽りを受けた。ここで70キロ地点。
灯台を過ぎるとしばらくアップダウンが続く。そこを過ぎると長い下り坂、そして再び大橋が。次は来間島への橋だ。ここも風はあったが、エメラルドグリーンの海を見渡し、「すげー!!!」って叫ぶ余裕があった。右手にはさっき泳いでたスイムの会場が遠くに見えた。島でUターンしたらスタート地点の東急リゾート前を通過。あと55キロだがまだ足は元気だ。100キロ地点での平均速度は29.5キロ。これでも想定ペースよりやや早い。

すると案の定、120過ぎから疲れが見えはじめ、130キロ過ぎからの連続する上りでまあまあ脚力がそがれてしまった。最終平均速度は28.8キロぐらいだったかな。しかし、トランジットで着替えている時はまだまだ元気で、予定タイムより大幅に早くバイク降りられたのが気持ち良くってテンションあがり、となりの人としゃべりまくってた。ここでも、パワーバーを食べたが、もうパワーショッツやメイタンはバイクパートで飲み飽きて受けつけません。梅チューブを一口吸ってランスタートした。走ってスタートできた。
ランコースは佐渡国際とは違って、かなり頻繁にエイドステーションがある。ほぼ2.5キロごとにある。これは助かる。暑いラン前半はスポンジをもらい、身体を冷やしながら走った。手持ちの栄養剤は飽きてしまい、エイドにあるおにぎりや黒糖、バナナなどを食べた。普通の食事のほうがのどが通る感じだ。5キロを過ぎたところで先頭集団が来た。宮古島に着いた日に一緒にご飯を食べた河原さん、今年にかける意気込みはハンパないのは知っていたが、いったい何位だ!?ペースカーが何台か過ぎ一位の選手が近づいてきた。うすむらさきのウェア、河原さんだった!!それを見たら全身に鳥肌が立つのを覚えた。有言実行、でもそんなたやすいレベルじゃない。また体のカテコラミン濃度が上がるのを感じた。その後エイドステーションで、河原さんの優勝を聞いたのはどの補給よりも効いた。
ハーフの折り返しまでは全体的には登りだが、足は意外と元気で、時速8キロペースで走り続けられた。折り返しを過ぎると当然下りが多くなった。すると奈良マラソンの時痛めた膝の外側がまたピキピキ痛くなってきた。これはスイムに続く危険信号第二弾。無理をせず30キロ地点からしばらく早歩きに変更した。約5キロほど時速6.5キロでいった。35キロ過ぎで残り時間は2時間ほどあった。歩いてもゴールできると思うとジーンときた。でも、それは自分が許さなかった。やはり力を出し切りたかった。幸いペースダウンし、エイドごとに氷とスポンジもらって足を冷やしていたのが効いたのか、子供がかけてくれたエアサロが効いたのか、残り7キロは立ち止まることなく走れた。時速7.5キロほどのペースだったが、走り続けた。もう日は暮れてしまったが、沿道の応援はひっきりなしに続き、最後の力がみなぎった。徐々に街路樹にかけられた提灯の列が見えてきた。もうすぐゴールの競技場だ。そう思うと涙が出てきた。止められなかった。競技場に入った時にはもう景色が完全にぼやけてしまっていた。アナウンスで自分のゼッケン番号と名前が呼ばれてる、涙を拭いて正面向いてゴールしよう、ゴールテープが見えてきた。思いっきり両手でテープをつかみ頭上に掲げてゴールした。ゴールした時は満面の笑みだったと思う。こんなに自分のやったことで感動できることなんてそうそうないなと思った。

結構ずっしりとしたゴールドメダルをかけてもらい、先にゴールした友人らと握手をしているとちょうど残り時間1時間の合図の花火が打ちあがった。この花火がゴールしてから見られるとは思ってなかったので新たな感動がまた押し寄せてきた。

ゴールでは優勝した河原さんがいた。優勝おめでとうございますって言ったら、完走できてよかったですねと逆に言われ、うれしかった。二人ともくしゃくしゃの笑顔で写真を撮ってもらった。
次いつ出られるかわからない、全力出し切れるのは今日だけかもしれないという気持ちで挑み、今の自分の力での最高の結果が出せたと思った。こんなバカな自分に付き合ってくれた家族や同僚、友人たちに深く感謝している。
でもこれはまだ今年の序章。
下半期最大のイベント、佐渡国際トライアスロンがまっている。
昨年のリベンジに向けてまた走りだそう。
Posted at 2011/05/02 03:26:44 | |
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トライアスロン | 日記