突然に心停止を起こした人に対して、傍観者が心肺蘇生(CPR)を行う場合に、心臓マッサージ(胸骨圧迫)のみを持続することが重要であり、人工呼吸は必要でないとする論文が、「Circulation」という超メジャージャーナルに3月31日掲載されました。
米国心臓協会(AHA)心臓救急処置に関する公衆諮問委員会らは、「AHAが2005年に発行したガイドラインでは、傍観者によるCPRの普及と質の向上の必要性が強調され、それによって心停止者の生存率が2倍以上になるとされている。しかし、ほとんどの都市では、傍観者によるCPRは突然心停止症例のわずか27-33%にしか施行されておらず、人工呼吸を不要とすることで傍観者の抵抗感を下げることにより、生存率が改善される可能性がある」と記している。
研究者らは「CPRの訓練を受け、胸骨圧迫30回後の2回の換気(人工呼吸)を、胸骨圧迫の中断を最小限に留めて実施できる人は人工呼吸も行うべきである。しかし、CPRの訓練を受けていない人やCPR手技に自信のない人は、胸骨圧迫のみを行うべきである」としている。
また、著者らは「心停止者に蘇生を行う人は、自動体外除細動器(AED)が到着して使用準備が整うまで、あるいは救急隊員が到着して蘇生を開始するまで、胸骨圧迫を中断せず持続する必要がある」と記している。
「以上日本循環器病学会ホームページより抜粋」
私も以前から、「意識のない人を見つけたら、まず、首、手首などで脈があるか確認して、脈がない、又はわからない場合は人工呼吸は要らないから、積極的に心臓マッサージをすること」をおしてきましたが、そのエビデンスが発表されました。
心肺蘇生に慣れていない人が第一発見者となった場合は、やはり、余計なことはせず、救急隊を呼んでもらって、彼らが来るまでひたすら心臓マッサージをするのがベストです。AEDは取りにいける人がいれば取ってきてもらって、準備しておく程度でよいでしょう。
誰もが遭遇するかもしれないことなんで、これ読んだ人は、そういう事態になったとき思い出してください。
「心臓マッサージするだけでいいんだ!!」って。
質問も受け付けますよ!
Posted at 2008/04/22 17:30:31 | |
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