
会社帰りにフラッと寄ってたゲームセンターが、先日閉店しました。
建物の改築工事に伴う営業終了とのことでしたが、ワシがよく通っていた頃に比べると客数も随分と少なくなってたしなぁ。
このゲーセンは15年くらい前、できた当初から部署違いの後輩と格ゲーをしに行き出したのがきっかけ。
夜はいつも人気の格ゲー台の周りに人が集まり、ワシと後輩もその1人でした。
当時は「ジョジョ」とか「ストⅡvsマーブル」とかをやり込んでて、周りのレベルもちょうど良くて対戦台でばかり遊んでしてましたね。
喋ったことは1度もなかったし、当然名前も知らないけど、「春麗使い」さん(※後輩が勝手に命名)や、当時の対戦相手の人達はどうしてるんかな・・・まだゲームやってんのかな・・・。
後輩が異動し、アーケード専門仲間がいなくなり一人暮らしを始めてからは疎遠になっちゃいましたが、呑んだあとに皆でカーレースをしたり、頭文字Dを教えた上司と「頭文字D2」で終電まで遊んだり、景品はいらないけど捕るのが楽しくてクレーンゲームに金注ぎ込んだり・・・思い出がいっぱいありました。
そこで会社にも用があったし、最後に行っておこうかと、土曜日の休日にデジカメを持参しゲーセンに行ってきました。
今の格ゲーはもうわからないし、たまに遊んでいた「エリア88」をプレイ。
このゲーセンは、「パワーストーン」や「パロディウス」、「ファイナルファイト」とかの古いゲームも何個かあり、オッサンになったワシでも遊べるゲームが揃っていただけに残念です。
「エリア88」も、たしか高校生の時にやり込んでた記憶が・・・つまり20年も前のゲームですw
無事に10ステージをワンコインクリアでき、これで最後に遊ぶゲームは終了。
今までありがとう、と感謝し、記念に何枚かデジカメで店内を撮影をしてから店を出ました。
ホント、一時期は毎日のように仕事帰りに寄って格闘ゲームをしに寄った、今までの人生の中で一番長いこと接した店だったなぁ。
格ゲーしていたころを思い出す・・・
自分のいる側のプレイヤーが負け、足元に置いた荷物を手にして静かに席を立ち譲る。
そして次は誰が向こう側に座る勝者に挑むのか、負けた側のギャラリーは、いや「挑戦者」達は目配せをして、無言の会話を繰り広げる。
《次は誰が行く?》
《オレが行くか・・・いや、勝てそうにない。だが・・・誰も行かないなら行くしかないか》
《誰かコイツに勝てるヤツはいないのか?》
《誰も行かないなら、ボクがもう1度やるよ?》
《勝てなくとも挑戦してみようか》
誰も話し合うことはしない。知り合いでもないからね。
でも考えていることはたぶん一緒だったろう。
《うおっ!?10連勝してやがるっ!?コイツに勝ちゃあ~気持ちいいぜ》
《向こうのヤツ、女じゃねぇか?勝ってもいいのか・・・?》
《高校生のグループが占拠してやがるな?全員ゴッコボコにして帰らせてやるかw》
《やっべぇぇぇ~!!!ギリッギリだった!》
《はぁ・・・誰か乱入して来ねぇ~かなぁ・・・つまらん》
《何っ!!あそこから繋げれるのかっ!!》
《ザンギ強ぇぇぇぇ!?!?》
《このキャラ、使えるじゃねぇか!?オレも使ってみよう!!》
《ちっ、つまらん戦い方。負けたくないからって、こんなんで面白いのか?》
《ダメだ、そろそろバスが出ちまう。今日はこれまでか》
《コイツにゃ勝てねえ。しばらく練習しねぇとな》
後輩と店を出て、店内のクソやかましいゲーム音が無くなり、ここでようやく口を開く。
「メガネの人、すげぇ強かったな~」
「あの人とやりたかったなぁ。(自分と)ちょうどいいレベルなんだよね」
などなど。
高校時代によく通ってて、おばあちゃんがお茶も出してくれた店「UFO」、
駅近くで床がワックスでギトギトだったパーマのおじさんの店、
UFOキャッチャーブームで足しげく通った店、
当時はまだ知られてなかった「てんかん」で倒れてしまい、初めて救急車で運ばれることになった店、
コインランドリーの横にあった洗剤の匂いがする店、
環境は悪くて薄暗いけどメダルゲームが充実していた名鉄駅の地下の店、
ゲームの数は少なかったけど明るくて広々していたダイエー屋上のゲームコーナー、
地元でリアルファイトになりかけた店、
「RーType」と「奇々怪界」に熱中してた店、
工業高校近くの店、
アイドル脱衣麻雀を知り麻雀を覚えるきっかけになった店、
いつも50円の店だけど、たまに気合入れて行った1ゲーム100円の名鉄レジャックの店、
駅2階にあり電車が走った時の振動と音が凄かった店、
たぶん他にもあると思いますが、もう全部無くなってしまいました。
今は携帯ゲーム機が主流らしいし、通信環境が整い、家から出ないでも対戦できる。
1台百万円もする大型機が入れられる大手くらいしか差別化が取れなくて閉店するしかないのか・・・寂しいけど仕方がありませんね。
ゲーセンじゃなければできないこともいろいろありました。
背後から知らない人たちの視線を受けながら戦い、勝った時の高揚感は味わえない。
周りは友人ではなく、名前も知らない他人だからこその緊張感。
硬貨を握り締め、1ブレイのたびに投入する。途中で「リセット」はできないし、真剣さが生まれる。
強いプレイヤーの指捌きやコンボを見て参考にする。
家じゃ誰も見られてないから、負けても悔しさはあまり感じない。
強いプレイヤーを後ろから見て参考にするのも良いし、負けそうな側に行き、次の乱入に備えるのも良い。
もう純粋な「ゲームセンター」という店は無くなりつつありますね。