≪前編≫

僕は喫煙者である。
自宅は禁煙のため、煙草を吸うときは外に出て吸う。

猛暑・氷点下・雨・雪。
関係ない。



2012年4月15日（日）、今日は自治会の釣り好きさんとスロージギングへ。


朝四時に起床し目覚めの一服をしにスマホ片手にベランダへ。
みんからをチェックしていると、

カッカッカッカッ・・・

甲高いハイヒールの音が止まった。

クチュ。クチュ。チュ。チュパ・・・


音のするほう方を見てみると男女が、
熱い接吻を交わしていた。


数秒後、カッカッカッカッ・・・
クチュ。クチュ。チュ。チュパ・・・


5ｍくらい歩いただろうかまた始まっている。




色々なことを想像してしまい、
半分寝ていた脳みそも完全に起きた。


朝の四時に帰宅。電車は動いていない。

どこかに飲みに行きその帰りだったのか・・・
STAYの料金を払って、何回も出し入れしたあとだったのか・・・

僕にとっては朝の四時。
彼らには夜中の四時だったのか・・・





『またね！』『気を付けてね！』


女の声が聞こえ、二人は別々の道を歩んでいった。

カッカッカッカッ

女はエレベーターを使わずに階段を上っていく。


僕はどこの部屋に住んでいる住人か確かめたくなった。

煙草は終わってしまったが、
吸っているふりをしながら、携帯をいじりちらちらと視線は女の方へ。
携帯をいじっているふりをしていると言った方が正解かもしれない。


カッカッカッカッ
ガチャ！


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　次回へ続く・・・