
中古スーパーカー市場相場が
総崩れの様相を呈していますが、ご多聞に漏れずフェラーリの相場も下落傾向です。とりわけ
PHEVモデルで値下がり傾向が顕著で、逆に不人気と言われ続けてきたV12モデルは堅調です。今のフェラーリ中古車市場を見ていると、
スペチアーレ純ICE>>V8純ICE>V12純ICE>>>>PHEVモデルという感じです。
パフォーマンスの面で
過去最高であることに間違いのないPHEVモデルが何故ここまでに不人気なのか?理由は取りも直さず
ハイブリッドバッテリーの維持・管理の問題であろうと思います。ポルシェ911カレラGTSもPHEVではありませんが、フェラーリ同様にハイブリッドバッテリーを搭載するため、万万が一バッテリーが上がってしまうと非常に大変(ジャンプスタートは基本出来ない、即積載でのディーラー入庫が必須)です。そのため、純ICEモデルと比べると新車セールスは芳しくないようです。また、バッテリーというのは携帯電話もそうですが、充電→放電を繰り返すと
必ず劣化します。バッテリー性能というのは経年的に落ちていくため、最終的に交換となった際には
多額の出費が予想されます。要は新車で買って、保証期間内で売って、であればそれほど不安は無いのでしょうが、保証切れの車両となると純ICE車とは比べ物にならないリスクを背負う事になります。つまり
長期所有のリスクが高過ぎるんですね。この事を踏まえ、フェラーリも対策としてPHEV専用の新しい
延長保証サービスを導入しており、これにより保証期間を大幅に延ばすことができます。この延長保証には、車齢8年目と16年目の
バッテリー無償交換を含むオプションが提供されています。フェラーリファンにとっては朗報ですよね♪
ピッコロ・フェラーリと言えば中古車市場での
プレ値相場が当たり前という状況がこの15年ほど続いていたかと思いますが、現行モデルはそうではありません。裏を返せば、
保証さえキチンとついた認定中古車なら大変お買い得になってきている、という見方も出来ます。私は296GTBを新車オーダーしてキャンセルした経緯があります。理由については過去ブログに書いてありますが、私は今でも
296GTBは歴代フェラーリの中でもドライバーズカーと言う視点で見れば最高の一台だと思っています。V6エンジンであるにも関わらず、サウンドエンハンサーが秀逸で、車内のサウンドは極めて
煽情的です。ハンドリングもキビキビしていますし、何より
圧倒的なパワー感があり、血の気が引くような凄まじい加速性能でありながら一切挙動が乱れるような事はありません。至極安定していますが、愉しくないか、というとそんなことは無く。PHEVにしては規格外に
軽い車体が珠玉のドライビングプレジャーを届けてくれます。個人的には、もしまたフェラーリを所有機会があれば296GTBは筆頭候補だと今でも思っているくらい
大好きです。故に、PHEVのネガティブなイメージで不人気のレッテルを貼られている現状は非常に
残念ですね。
ランボルギーニもウラカンの後継モデルとしてPHEVモデルのテラメリオを投入して来ました。何とレブリミット10000回転という
超ド級モデルで、既にYouTubeにもたくさん動画が上がっていますが、仰け反るようなハイパフォーマンスとなっているようです。個人的な懸念点は、
車重くらい(296GTBの1470kgに対し、1690kg)。しかし、ウラカンの時と違って、こちらも新車セールスが芳しくないのか、
「商談可能」とかいうDMがちょくちょく届きます。まあ私がテラメリオを買う事はまず無いとは思いますが、それでも「最新PHEVスーパーカーの現在の立ち位置」は興味がありますので、機会があればぜひ試乗してみようと思います。確かに、PHEVは現在過渡期だとは思いますが、今後純ICEが生き残る事はほぼ無いでしょうし、EVのような無味乾燥とした乗り味にはどうにも馴染めない私的にはバッテリー技術も含めPHEVの発展に
大いに期待したいところです。クルマそのものの出来、というよりもバッテリーのせいで不人気、というのは残念すぎます。そういう意味では、フェラーリのバッテリー保証制度というのはオーナーの不安解消という意味でも有意義ですし、また
ブランド価値の維持(=リセールの維持)という点でも極めて有効な戦略なのではないか、と思います!
Posted at 2025/11/12 08:33:58 | |
四方山話 | クルマ