2007年12月26日
音飛び
自分が翠色の車に乗り始めた頃の話です。
後にこの車は碧く染められてしまいますが、それはまだずっと先のお話。
就職しA県K市に移り住んでいた自分は、周辺地理の把握を兼ねてドライブに明け暮れてました。
特に住んでいた寮からちょっと北上した辺りは、流し甲斐のある山道が豊富でお気に入りでした。
JR中央線で言うと自分が利用していたK駅に続くJKJ駅とKKK駅の近辺です。
景色からしてK駅までの街並みから一転、いきなり秘境の雰囲気すら醸しだしてます。
自分は経験ないのですが、終電で寝過ごしてその2駅に降りてしまった時の心細さは半端ナイそうです。
確かどちらも無人駅ですしね。
どんな駅かを知ってからは、そんな時の自分は更に先のTJMだかTKS駅まで行ってタクシー拾ってました。
周辺イメージとしては、JRとワインディングが挟む谷の底を、S川という川が流れています。
そのワインディングを起点に寮や会社の仲間等と、あるいは独りで周辺の山道を走ることが多かったのですが、いつも気になっている場所がありました。
ワインディングからKKK駅の方に伸びる橋です。
車1台通るのがやっとの細い橋で、利用している車を見たことがありませんでした。
独りで走っていたある日、その橋を渡ってみました。
渡りきって小さく高架になっている線路の下をくぐると、KKK駅から続くメインストリートに出ます。
道なりに進むと採石場などはありますが民家は見あたらず、淋しい雰囲気の山間道です。
そのまま走ると、普段からよく走っている国道19号に出ました。
しょっちゅう通過する区間で分岐があることも気付いてはいましたが、KKK駅に繋がっているとは意外でした。
次は夜、好奇心で逆走を試みました。
独りです。
国道から外れてすぐ、好奇心が吹っ飛びました。
背中がぞくぞくするのです。
好奇心があっさり恐怖心で上書きされた状態です。
ですが自分でも原因が解りません。
引っ越して来てから、この程度の夜道を独りで走るのは珍しくなかったはずなのに・・。
ゆっくり走りながら理由は何だろうと考え、一つの結論に辿り着きます。
見られている感です。それも非常に強い。
道の両脇の木々がもたれかかってくるような感覚に襲われます。
頑張って切り返せばUターン出来ない道ではありませんでしたが、そのまま進みました。
三叉路のような場所に出ます。
うまく表現出来ないのですが、非常に嫌な雰囲気です。
日中は全然そんなことなかったんですが。
ゆっくり走っていたせいか、ヘッドライトに照らされたある物に気付きます。
三叉路の傍らの地面に、文字の書かれた杭のようなものが打たれているのです。
田舎育ちの自分は、集落名でも書かれているのだろうと思いました。
近づいて文字を読んでみます。
やめとくんでした。もう駄目。
その場で切り返し、来た道を戻りました。
ビンッビンに視線を感じながら。
手の平に物凄い量の脂汗をかきながら。
いや、予想どおり集落名だったのかもしれないんですけどね。
少なくとも自分はそんな名前の集落を知りません。
「首人形」なんて名前の集落は。
(省略されました・・全てを読むにはとにかく待ってください)
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Posted at
2007/12/26 02:46:54
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