
「マズイ・・。」
ここ数日、男はこんな台詞を繰り返していた。
「じゃあ、なんでよ?」
ってことになるし、それは男が参加しているカーライフ満喫系SNSで、超長いこと車関係のブログを書いていなかったからだ。
「うまく言えないけど、なんか車ネタ書かないと危険が危ない希ガス。」
こう思った男は、
きょうきょ国道最高地点を目指すことにした。全裸車で。
では、国道最高地点とは如何なる場所なのであろうか。
それは文字通り、国道で一番高い場所。
その意味するところは、天国に一番近いシマ(縄張り的な意味で
そこに逝けばどんな夢も叶うとか、たいくつなエリミネーターとか、ざわめく都会のチルトとか、テレスコピックな毎日が蜃気楼の彼方へ消えテクとか言われるプレイスなのである。
色んな意味で日本語でおkですかそうですk(ry
「じゃあ、どんだけ高いのよ?」
ってことになるし、それは予想だと
ヴァン・アレン帯と同じくらいの高度。
だからジャンプしたくらいじゃ届かないし、関連情報MOVIEが先読みされるくらい何でもない(謎
まぁ簡単に言うと、世界の一流モンスターハンター達も恐れる、未踏の領域というワケ。
なるほど・・・・男が「何シテル?」欄で参加者を募集したところで、ひとっこひとり集まらなかったのも道理である。
「べ、べつにちっとも怖くないけど、仕事の締め切り近いし付き合ってらんないんだかんね!!」
っぽく男のワイフが怯えたのも痛仕方ない、インポッシブル・マニュアルトランス・ミッションなのだ。
そうと決まれば全砲門を開くのは急げ。
男は一人、愛機である善天候型スポーツユーティリティービんくルに乗り込むと根城を後にした。
最初に男を襲ったのは、帰省ラッシュと呼ばれる、この時期特有の民族大移動である。
のうのうと休みをとって故郷に向かうだけっぽい部族が、孤独な任務をこなす男に牙を剥く。
しかも今年の奴等は、料金所の攻撃力を1000円にする代わりに渋滞の攻撃力を上げる、“ETC”の魔法カードまでデッキに加えている様子。
更にはトラップカード“横転事故”まで発動され、男の切り札“早起き”カードは早々に無力化。
例えでも何でもなく、ずっと部族のターンが続くかに思われた。
それでも何とか窮状を脱した男に、次の試練が訪れる。
写真の
直進が正解な場面で、カーナビから流れた音声がこれ。
「間もなく、右方向です。」
確かに画面を見れば直進方向(前方に右クランクあり)を指していたのだが、セイレーンさながらの美声だけを頼りに右折しちゃったもんだからもうダメ。
エクストラステージの軽井沢を一周して同地点に舞い戻った頃には、40分のボーナスタイムが加算されてたぜ!!orz
なんか料金所も通過したから、数百円のボーナスポイントも放出かな><;
男が自らの任務を妨害する、国家規模の陰謀を感じ始めた瞬間である。
それでも出発から6時間が経過する頃には、目的地に程近いポイントまで歩を進める男。
ところが、ここにも思いもよらない罠が待ち受けていたのである。
それは、車外の美しい景色に目を奪われた男が、ある事を思いついたことから始まる。
「そうだ、みんカラのプロフ画像とかスタイルシート用に、道端で愛機の撮影とかしよう。」
それにしても、この辺りには随分スズメバチが多いと見える。
先ほどから、走っている愛機が何度も体当たりされているので気にならないと言えば嘘になるが。
「なぁに、速やかに終えれば問題なかろう。」
こう考えたことを、すぐに後悔させられることになる。
原因はボディーカラーか、はたまた手入れに使っている薬剤の芳香か。
撮影を終える間もなく、男の愛機に群がる無数の虻蜂達。
とりわけ巨大な2匹のスズメバチは、ここに自らの城を築こうと欲する、後の女王だろうか。
男が少しでも愛機に近づくと
「
よくもズケズケと妾(わらわ)の所有物(もの)に近寄る!恥を知れ!!俗物!!1」
と言わんばかりに威嚇してくる。
幼少時、女王の兵隊に一矢報いられた男には、アナフィラキシーショックを発動する素質がある。
決死の覚悟を決めてドアを開けた際、車内に滑り込んで来たのが三下の虻でなかったら・・。
今頃、男のブログは永遠に止まっていたかもしれない。
幸い、最悪の事態は免れたが。
喉が異常に渇いている。
無理もないだろう。
ある時は全力疾走、またある時は瞬間(体重)移動を利用した残像拳。
はたまたある時は上下動に弱い彼女達を抜くため、シュートモーションからのフェイントドリブル。
それでいて傍を通行する車両あらば
「べ、べつに全然ビビってないってゆーか、何も起こってないもんねーピューピュー(口笛」
などと息を整えながら、ここでもフェイクを決めねばならなかったのだから!
これ程の危険を冒して撮った写真ではあったが、いざ見直すと今ひとつパっとしない。
「やっぱ写真は、天気が悪いとダメだな・・。」
・・・・他の原因には、少しも考えが及ばない男であった。
さておき、ここまで来れば目的地は目と鼻の5㌔先である。
だが、男には一つの懸念があった。
勘のいい読者は既にお気付きのとおり、未踏の地であるはずのエリアにしては妙に車が多い。
「ちっ・・ノルウェーのアムンゼン隊が動き出したかよ。」
勘のいい読者は既にお気付きのとおり、南極点への初到達など、輝かしい実績を持つスポーツ冒険家のことである。
思わぬ強敵の出現に、数々のロスタイムを積み上げてしまったことを男が悔やんだその時。
「あきらめたら?そこで試合終了ですよ^^」
どこからともなく、師と仰ぐ人物の声が耳に届いた。
否、ダイレクトに心に響いたと云うのが正確だろう。
導かれるように、アクセルペダルを踏む右足に力がこもる。
しかし、まだ苦難の道は折り返し地点にも達していない。
目的地に着いたらハッピーエンドの、水曜スペシャル等とはワケが違うのだ。
~ To Be Continued ~
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