数日前から放射性希ガスの漏出が伝えられている中国広東省の台山原発ですが、気になるニュースが伝わってきました。
中国、原発の燃料棒破損と発表 放射性物質の濃度が上昇 | 共同通信
https://nordot.app/777831463246741504
「燃料棒破損」が何を意味するのかわかりませんが、メルトダウンのような重大事故ではない事を願うばかりです。
今回の事故の報道は海外メディアが最初に伝え、中共からの発表が数日遅れる形になりました。ある程度以上の年齢の方にとってはチェルノブイリ原発事故の時の記憶が蘇る経過です。
チェルノブイリ原発事故は1986年4月26日に発生したとされていますが、日本では国内でモニタリングしていた放射性物質の異常を察知し、ソ連当局が事故発生を認めた以前から「ソ連国内で原発事故があった可能性」が報じられました。
ソ連当局が事故の発生を正式に認めたのが事故発生から何日後だったかは覚えていませんが、旧ソビエト連邦の某国出身の知人によればソ連国内で事故が伝えられたのは「メイデーの休日(5/1)の事だった」と言います。
ソ連が情報を出してこない事が西側諸国の疑念を呼ぶ結果になったのですが、結局は物凄い重大事故でした。
中共は「大本営発表」を続けるのではなく適切な情報開示をする義務があります。場合によっては国際原子力機関(IAEA)の介入、調査も必要でしょう。
原子力発電所の重大事故というと他に日本の福島第一原発と米のスリーマイル島の事故がありました。米ソ日に続いて中国でも重大事故となれば、さすがにもう脱原発への流れを止めることができなくなります。
G7でも地球環境問題が議題になり石炭を中心に火力発電がやり玉に挙がっている中、ここで世界的に脱原発の流れが加速したら深刻なエネルギー問題が生じます。
この問題がこじれたら、下手をすれば戦争になります。
自分がこのブログで繰り返し書いている事ですが、日本を含め世界は「再生エネルギー」の「夢物語」を語るだけではなく将来のエネルギー政策についての議論を真剣に進めるべきです。
特に「脱化石燃料」に前のめりになっている欧州において、将来の原子力エネルギーのあり方についての議論がスルーされているのは無責任過ぎます。世界中のメディアや識者、科学者がこの問題を論じないのはなぜなんでしょうか?
「地球環境問題」と称する問題で生じる新たな利権に血眼になって群がっているだけで、本当に真剣に未来の事を考えて行動しているようには見えません。
人類は今、誤った方向に暴走し始めているように見えます。
Posted at 2021/06/17 06:29:07 | |
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