オカマ掘られた・・・

それは本当に突然のことだった。

ＪＡＺＺに乗って，駅から家まで残り２㎞というところだろうか。

信号待ちをしていたときに，事故発生。

突然後ろから唐突に衝撃を感じた。


「なんじゃぁ～？」

後ろを振り向く自分。

申し訳なさそうにフロントウィンドウ越しに謝る相手の運転手が見えた。

確か後ろの車も止まっていたはず………。


転びこそしなかったし，クラッチ切ってブレーキかけていたのも幸いしていたので前の車にぶつかることもなかった。

青信号になっているので，急いで路肩に寄せた。



相手の運転手さんも，路肩に寄せて降りてきた。



相手：「すみません。もうすぐ青になると思って，ブレーキから足が離れてしまって，アクセルに足をかけたら車が出ちゃいました。」


ホッ・・・。

わかっちゃいたけど，自分は悪くないよね。誰にも迷惑かけてないよね。
それだけは良かった。

相手の人も人柄よさそう。





















しかし………ちがった。
もとい・・・違うと思う！









相手：「大丈夫ですか？」
自分：「私は何とか。お宅の車は大丈夫ですか？」
相手：「車の方はいいんですよ。それよりもバイクの方は・・・？お宅の身体は大丈夫だと思うけれど・・・。」





はぁっ？？？






今なんてった？？（心の声）









相手：「あ～っ，そんなにスピードは出てないけれど，ナンバー曲がっちゃいましたね。本当にごめんなさい。でも，こうすればっと・・・」



いきなりＪＡＺＺの曲がってしまったナンバーに手をやるおじさん。

そして………引っ張り上げて伸ばすおじさん。







相手：「これでなおったかな？本当に申し訳ない。」



自分・・・目が点に・・・。

落ち着け・・・状況を冷静に見つめるんだ自分。



自分：「で・・・どうされますか？」

相手：「どうするとは？」

自分：「警察に連絡します？」







相手：「えっ？お父さん・・・このバイク直すつもりなんですか？」



しばし沈黙・・・。

「一体誰のせいで壊れたんじゃい！」心の声




怒りにも似た感情が沸き上がるも・・・グッとこらえる自分・・・。








相手も同意の上、警察を呼ぶことに。






１０分ほどして，警察来る。

警察：「連絡をした方は・・・？」

自分：「私です」

警察：「えっと，バイクに乗っていた方は・・・。」

自分：「ハイ，私です。」

警察：「えぇっ！？被害者の方が連絡したんですか？おけがは？」

自分：「まぁ，幸いにもお互い止まっていたので，そこまでは・・・。」

相手：「すみません，私がこのお父さんのバイクに突っ込んでしまって。あと，自分がナンバー曲げて証拠隠滅しちゃいました。」

警察官・・・唖然・・・。





まぁ・・・現場検証も簡単に済ませ，物損で処理することに。お互いの名刺交換も行い壊れた場所については，修理、何かむち打ちなどの症状が出たときには病院にという確認をして別れました。














次の日・・・。

自分の保険会社へ連絡。

事故の状況を説明。

保険会社：「１００：０ですね。」

自分：「そうですか。」

よかった。自分の保険は使わなくてすむよぉ～。
と喜んだのもつかの間。

保険会社：「あとは，ご自分で相手の保険会社さんと交渉になります。」




なんと！１００：０の時は，自分の保険会社は動いてくれないのね！知らなかった。



ところが・・・待てど暮らせど・・・相手からの電話は無い！
いや，相手の保険会社からの電話でもいい。

普通は来るだろ！！



したくは無かったけれど・・・名刺に書かれている電話番号へ！


自分：「あの～・・・バイクの修理や今後の通院の可能性も考えて，保険屋さんへはご連絡いただけたでしょうか。」

相手：「保険？？いやぁ～通してません！」



虚脱感とはこのことか・・・。





なんというか，確かにたいしたことの無い事故かもしれないけれど・・・

「すみません」「申し訳ない」の言葉の軽いこと。

もうね………心に決めましたよ。


病院行きます。
バイクも直します。


必要だったら，人身にもします。


以下続く。（長文でしたごめんなさい。）