単一モデルに複数エンジンが設定される場合、特に新車発売時は、小エンジン車が簡素なグレードに限定されることがよくあります。モデル後半になると、小エンジン車のグレードも充実してくるのですが、発売当初は消費者を大エンジン車へと誘導するために、小エンジン車は簡素グレードに限定するのでしょう。小エンジン車を選ぶのは一つの合理的な選択だと思うのですが、このような体系になっていると安物感が増幅され、差別されているかのような印象さえ受けてしまいます。
最近の例を挙げると、4種のエンジンがあるmazda3では1.5Lのみグレードが別体系で、簡素版限定として差別されているように見えます。実際にはこの1.5L(中でも6MT)が「意外にいい!」と人気らしいので、いずれ上位グレードが出るのだろうと予想しています。
初代アテンザは、私の乗り方なら2L超のハイオク仕様エンジンは要らないと考え、2Lを選びました。
アテンザ登場時の2Lのグレードは、3車体とも20Fでした(セダンは20Cもあり)。同じ名前を名乗っていても、セダンが最も簡素であり、それに比べるとスポーツ(5ドアハッチバック)は一つ上のグレード(23C)に少し近い内容になっていて、フォグライト、サイドスカートやツインサイレンサーはついていました。これらは同価格のスポーツワゴンにはついておらず、地味な印象でした。どのようなこだわりがあって3車体の20Fを微妙に変えたのかはわかりません。
スポーツの20Fと23Cでは、定価の差がたった10万円なのに、エンジンが「ハイオク仕様の可変吸気型2.3L」対「レギュラー仕様の簡素型2L」と異なるほか、装備がいくつも違っていました。20Fで目につくのは従来型6ポジションのHOLDモード付き4ATで、これはアテンザ史上この時期の2L車限定です。大きなT字型シフトレバーをまっすぐがっちゃんと動かすのですが、4速しかないのでこれでもいいのかもしれません。だいぶ慣れましたが、シフト時のタイムラグがそれなりにあります。そのほか20Fでは前席シートベルトにテンションリデューサーがないので、いつも締め付け感が残ります。一番わびしかったのはコンソールボックスがなかったことで、「このクラスでさすがにこれはあんまりだ!」と感じたので、あとでつけてもらいました。
このFは最廉価グレードに与えられる名称として残りましたが、その後アテンザスポーツに使われることはなかったようでした。
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2021/02/10 20:42:01