アストンマーティンラピードの試乗記です。
【対象車の前提条件】
パナメーラ・ターボ、マセラティQPスポーツGTS、コンチGTフラスパ
やはり5m超級の4ドアを並べたいです。
これ以下に記載する比較とは上記3車種をイメージして比べた場合です。
ラピードは4ドアスポーツカーとしています。
(GTカーでは無いそうです。)
【エクステリア】
全く持って抜群にカッコ良いです。
僕の中で世界で一番カッコよい4ドアの車です。
LSも大概、伸びのあるスタイリングだと思っているのですが
世界一美しい4ドアのラピードと並べると、完全に分が悪いです。
すんぐりむっくりに見えてしまいます・・・
恐るべきラピード!
地上高は確保しつつ、高さは低く。ノーズは長く・・・
Aピラーの倒れ方も半端ではありません
よって・・・
室内から見える窓の大きさはメチャクチャ狭いです・・・
【インテリア】
ルームミラーから見える景色は・・・
室外35%(視覚に入れたい情報)
室内65%
大概、視界の悪さには慣れていたつもりではありましたが、
これは視界が悪いっす!!!
4ドア最高の後方視界の悪さと感じます!
スタイリング重視の問答無用です!!
ここまで行けば気持ちよいです!!!
後席も乗りました。
そのクリアランスは頭も膝もDB9と比べれば
かなりの余裕があります。
止まっている車に乗るより、動いている車に乗ったほうが
乗りやすく余裕を感じます!
しかし、やはり長距離には適さないと思います。
後席にも30分ほど乗りましたが、だんだんと窮屈さを感じてきます。
後席でゆったりって設計では無いですね!
【機能】
【直線走行・加速】
470馬力です。速いですがうん。重さも相まってその速さは
パナメーラターボ・フラスパコンチGTなどの
500馬力オーバーのインパクトには適いません。
これ以上の加速が来たらあの感覚が味わえるかもって所までは
行かない感じです。
QPスポーツGTS<ラピード<パナメーラ・ターボ、コンチGT
【ミッション】
ノーマルとスポーツの変化を一層顕著にして来ており
面白味が増したと思います。
ノーマルだとスパスパと速が上がっていき・・・
(アストンにしては)回転数を抑えて走りますので
これ以上ないぐらい街乗りが快適です!
V8、DB9の中では最高の乗り心地の良さかと思いました!
スポーツにすると・・・
軽くアクセル踏んでも4000ぐらいまで引っ張りあがってきます
グォングォン唸りながら走ってくれます
このギャップが堪らないです・・・
しかし街中でスポーツを使うとすぐに回転数が上がり
トルクが出てガクッとやんちゃに飛び出しますので、よろしくありません。
郊外でスポーツで走ると・・・
かなり伸びやかに、優雅に、そして勇猛に走ってくれます
面白いです
パドルシフトもついておりますが、これは改良されたとはいえ
やはり若干の古さを感じます・・・
ポルシェのPDK、カリフォルニアのに比べると
やはり見劣りしてしまいます。
【ハンドリング・コーナリング】
これはですね・・・
相応にクイックです。スインスイン動きます
左右に振ってもきちんとついてきます!!
足回りには・・・
DBSと同じ機構を使ってきてます。
一方の路面の傾き・硬さに対して、もう一方のダンパーを調整して
目線・車体を水平に保つ機構です
よって粘る粘る!5m長の車体が黙々と曲がっていきます!
しかし!!!
水を差してしまいますが
あえて比較するならそれでも、この領域ではパナメーラに軍配を上げます・・・
コンチGT<QPスポーツGTS<ラピード<パナメーラ・ターボ
ってなると個人的に感じております。
ラピードを運転しながら、それでも
パナメーラ恐るべきと思ってしまいました
【ブレーキ】
これは効きます!
が扱いには慣れがかなり必要です。
よって・・・
ちょっと気を抜くと、僕レベルだとカックンブレーキになってしまいましたです・・・
高速域では安心できる効きだと思います!
ここも比較すると・・・
それでもパナメーラに軍配を上げてしまいます。
コンチGT<<QPスポーツGTS<ラピード<パナメーラ・ターボ
【官能性】
イタリア車とは明らかに質感が違いますが
存在してますね!
アクセルベダルをガンッと踏んで加速すると・・・
ルブウォォオーン
って感じで重低音に唸ります。
速を下げると、全く遠慮なくウォンウォンとブリッピングしますですね!!
そして4000位までは一気に引っ張りあがってきます
相当やる気です。
面白いです!低速官能があります!
ドライブがメチャクチャ面白いです!
絶対的の速さでは無い所・・・
そこに楽しめる領域が存在しています。
音や一体感で楽しむ事の出来るスポーツカー!
マフラーはかなり「やる気マフラー」でしょうか!
後席に座っているとウォンウォン言っているのが凄くわかりました
これが印象的でしたっす。
ここは
パナメーラ・ターボ<ラピード<QPスポーツGTS
ってな感じでしょうか。
【総論】
定量的・理論的に言えば・・・
・4ドア4シーターでありながらロングドライブに適さない後席
・2000オーバーの4ドアとしては、ライバルと比べて見劣りする馬力
などがあるのですが・・・
しかしですね
定性的・感性で言えば
運転しないと絶対にわからない野性味溢れるドライビングフィール
全てを黙らせる圧倒的なスタイリング・・・
とんでもなく目立ちます。
30人ぐらいの方に写メ撮られてた気がします。
横断歩道のど真ん中に止まって正面からバシバシ撮られてた方もいらっしゃいました。
(ラピードがゆっくりと交差点を曲がるだけで絵になります反則です!)
絶対にパナメーラターボの方が走行性能は高いです!
しかしこのパナメーラの速さは理論的な走行性能の高さです。
(ラップタイムや0-100の加速、100km/hからのストッピングなど)
このラピードさん・・・
野性味の走行性能です。要は粗い所があります。
しかしそれを
完全なるスタイリングに対するハズシ
と捉える事の出来る、恐るべき魅力があります。
私の乗るLSと比べれば遥か高い位置におります。
それをして2000オーバーの5m超4ドアの車と比較してでの話です。
比較の土台は世界最高クラスでのお話での
ここにゴーストが出せないのは僕のパワーが全く足りないからです・・・
トホホ
妻いわく
グラントゥーリズモSが・・・
かっこ良くて獰猛な・・・
黒豹なら・・・
ラピードは・・・
毅然と気高くも獰猛を内包する
Lynxだね
気高いよ、この車は・・・」
だそうです。
ちなみにLynxは一発2000超えるものも存在する
世界最高の毛皮の素材であります
とんでもなく贅沢な車だと思います
ラピードを購入される方を素直に羨ましく思います。
目に見えるモノや数字に属さず囚われず、
目に見えない圧倒的な魅力・フィーリング、優越感を
知って
悠然とラピードを駆る事が出来るのですから
僕はこの車を恐ろしい車だと記載しました。
それは金額から比較すると馬力や走行性能に、ミッションの設計等に
ライバルと比べて若干の後塵を拝すものの・・・
それでも、
・目に見えない
・感じる事しか出来ない
・実物でしか味わえない
ポイントを加えて
2010年現在であっても、同価格帯、同車格のライバル達の中から
このラピードを選びたいと思う所まで
魅力を昇華させている車ではないかと素直に感じたからです。