
万人様にお勧めする気は無いですが、個人的には素敵な映画だと思います。
少し悪意を持ってざっくり話のご紹介をすると、、、
大人な女性(36歳)が思春期真っ盛りの15歳の少年と淫行の限りをつくす、、、
的な(笑)
原作があって、ドイツの「朗読者」という小説なんですけど、僕的には10本の指に入るお気に入りの小説です。
所謂「恋愛小説」セグメントだと思いますが、メロウな物語では全然なく、ましてや
不埒な色情を題材にした人間の本質を追求するとかのおフランス的文学でも無いです。
※フランス文学好きの方、ごめんなさい。ジョルジュ・バタイユです。あ、間違った、偏見です(笑)
学校帰りに突然言いようのない体調不良を起こした少年(主人公)が、通りすがりの女性に介抱された事をきっかけに二人は所謂「男女の仲」となるんですけど、ヒロインは物語を読んでもらうのがとても好きで、蜜な時間には少年が選んだ本を色々と読み聞かせてもらっていた、と。
ところが、突如その女性は少年の前から姿を消してしまい、再会を果たすのが、少年が大学の授業の一環として傍聴することになった旧ナチス親衛隊を裁く戦争裁判。
その被告人がその女性だったという。
結局は重罪として無期懲役を言い渡されるんですけど、そこからかつての「朗読」が再開されるんです。
少年、、、というか青年になった主人公が、自分が朗読する声をカセットテープに吹き込んでは、刑務所にいる女性に向けてひたすら送り届ける日々が始まります。
この「物語を朗読する」と言う点が、本作の重要なファクターなんですけどネタバレ過ぎて話せません(笑)
一言でまとめると「悲恋」の物語なんですが、余韻が強いのでかなり心に残った小説です。
臆面もなく言えば「やるせない」ものがたりですね。
その小説を映画化したものなのでずっと観たかったんです。
凄く良かったです。
小説の世界観をキチンと映像化しきっていたと思います。
物語の顛末を知っていながら観たにもかかわらず、小説を読み終えたときと同じ余韻を味わえました。
あ、一つ譲れない不満がありますね。
英語なんですよ、何故か。
ドイツを舞台にしたドイツの小説で「そりゃないぜ」と(笑)
ドイツ語だったなら世界観は完璧だったんですけどね。
英語と違って何言ってるかわからないし(笑)
Posted at 2024/02/01 20:06:29 | |
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