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2018年06月04日

いざ!幕張メッセ! …時の流れに身を任せ… 第十八話 里帰り

いざ!幕張メッセ! …時の流れに身を任せ… 第十八話 里帰り   え~、またまた大変長らくお待たせ致しました~(^。^;)

  3年前に止まっていた私小説ですが、このシリーズの中

 ≪エロ&バイオレンス≫が多い“えりか編”も再開します~♪

  前回と同じく、以前のストーリーは完全に忘れ去られて

 いると思いますので、この大作とも言える私小説の

  ≪えりか編≫

 の、“あらすじ” のみをピックアップして↓に貼り付けておきますので暇な時でも御覧下さいませ~

   “其の壱”

   “其の弐”

   “其の参”

   “其の肆”

   “其の伍”


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 “坊(仮名)”が我が家へ来てから一か月が経った。相変わらず奇行を繰り返す“坊(仮名)”に振り

回されてはいたが、実際あの部屋で虐待に近い状態だったのをこの目で見ていた事もあり、あまり

強く矯正しようとは思わなかった・・・。


 その間、“えりか”からの連絡は殆ど途絶えていた。まあアレだけの事があったので、もう元の鞘

に戻る事は無いと覚悟はしていた。

 しかし、現実はもっと残酷であった。多少予測していた事ではあったのだが、完全に私の前から

“えりか”は消え去ったのだ。最後の別れの言葉もないままに・・・。


 それは珍しい人物からの連絡で知った。えりかの母親である妙子(仮名)からだった。

 彼女が言うには、実家の方に家賃の督促状が届いたという事で、どうやら三か月前ほどから家賃

を滞納していたらしく、更には妙子(仮名)自身もここ一か月ほど前から、えりかと連絡がつかないと

いう事であった。心配になった妙子(仮名)は、えりかの職場にも連絡をしたが、既に半月ほど前に

無断欠勤でクビになっていた事が発覚し妙子(仮名)の不安に拍車をかけたのだった。

 所謂≪蒸発≫である・・・。


 私はその話を聞きながら、足元でうろつく“まっくろくろすけ”をぼんやりと眺めていた。妙子(仮名)

はいつもの鉄火肌の口調は鳴りを潜め、寧ろしおらしい口調で懇願してきた。

  「あんな事があって申し訳ないけど、しんげんさん、

         えりかの部屋に様子を見に行ってくれませんか・・・」

 彼女の部屋は実家から近いのに何故行かなかったのかと問い質すと、言い辛そうではあったが

彼女の過去が過去なだけに、彼女の交友関係の事でいつも喧嘩が絶えなかったので、もし行って

も喧嘩別れになる事が判り切っていたからという事と、元々えりかの幼少時から折り合いが悪かっ

た過去も遠まわしに明かした。

 「判りました、幸いまだ合鍵を持っていますので、近々様子を見に行ってみます・・・」


 それから約半月後。

 快晴の下、私は“まっくろくろすけ”と共に東へ向かうフィットの中に居た。

 大立ち回りしたあの夜以来、全く近寄りもしなかったこの場所だが更に昼間に来たのはいつ以来

だろうと思い出せないくらい遠い昔の事に思えた。そんな中、重い足取りで階段を上り、かつて二人

の愛の巣であった部屋へと歩を進めた。ドアの前に立ち、一応チャイムを鳴らしたが、当然の様に

返事はなかった。一つ溜息を吐きながらゆっくりとポケットから合鍵を取出し、ドアノブを回した。する

とその音を聞きつけたか、隣の部屋のドアが勢いよく開き、けたたましい騒音が如き口調でまくした

てる大太りのおばさんが現れた。

  「アンタ、ココの人? もうイイ加減にしてくれない! 車の音はウルサイは臭いは、

   電話も鳴りっぱなしだし、もう本当にいい加減にしてよ!! それにその犬も、ウチの

     自転車とかドアにオシッコして本当に頭にくる!!」

頭はボサボサの金髪で目つきの悪い見た目は≪ジャバ ザ ハット≫そっくりの大きなヒキガエルの

様なオバサンが一気に捲し立てたが、不思議と怒りは上がって来ず、寧ろ一緒に部屋を見て欲しい

とさえ思った。勿論一緒にどうぞとまでは言わなかったが、扉をあけっぱなしにしていれば、言わな

くても勝手に入ってくるだろうと思い、扉は閉めずに部屋に入った。案の定、部屋に入った直後から

後ろに気配を感じた・・・。


 部屋の中は、暫く人が住んでいない場所のご多分に漏れず、独特のカビ臭さが混じった匂いが

充満していた。そんな蛻の殻となった閑散とした室内を複雑な思いで見渡した。恐らく持って行けな

かったからと思われる、大きな荷物や家具類はそのままに置かれており、その中に犬のゲージも

あった。訝しがるお隣さんのキツイ視線を受けながら“坊(仮名)”と一緒にそのゲージへ向かった。

“まっくろくろすけ”は暫く、クンクンとその辺りを嗅ぎ回りながら、恐らくはお気に入りのオモチャで

あったのだろう自分よりも更に小さい犬のぬいぐるみを何処からか見つけ咥えて来て、定位置だっ

たと思われるゲージの出入り口にチョコンと座った。そして、不思議そうな目で私を見上げた。途端、

私は胸を焼かれるような衝動に襲われた。未だキツイ口調のお隣さんの声が室内に響き渡った。

  「チョットアンタ! その犬、ココに置いて行くんじゃないでしょうね!!」

私の目はスッと細くなり、冷たい表情となって振り向くと、

  「ボケェ!! 置いて行くかっ、このヒキガエルが!!」

と、心の中で叫んだが、実際は肩を窄めるに留まった。

 兎に角、部屋の中は乱雑ではあったが、最低限のモノは持ち出していた様で、其の辺りから自ら

の意志で、少なくとも第三者による拉致といった事態ではなかった事が伺えた。ひとまずホッとした

が、それでも今後の事を考えねばならない。彼女と二度と会えなくなる事は確かに寂しいが、少なく

とも自分の意志で行動を起こしたのだがら、敢えて追いかけずともよかろうという気持ちが心の大半

を占めた。もっとも私がこの様な心構えだったからこそ、彼女は私から離れて行ってしまったともいえ

る。本当の恋人ならば、万難を排しガムシャラになって彼女を追いかけようとした筈である。勿論私

のこの行動は歳のせいもあったろう。もう10…いや、20ほど若かったらそんな行動をとったかもしれ

ない。しかし不惑を過ぎ、全ての事象に於いて昔ほどの心のきらめきを感じなくなってしまった自分

を責める事もせずにいた。これは私の人生の中で≪老い≫というものを実感した最初の出来事と

なった・・・。


 とりあえず一通り室内を確認し、可燃物や腐敗物を除去し、最低限の処理をした所で母親の妙子

(仮名)に連絡を入れようとしたその時、部屋の電話が鳴った! と、電話に出るより早くちゃっかり

私の後ろに付いて来ていた≪ジャバ ザ ハット≫が、

  「これよもう! いつまでも鳴りっぱなしでホントうんざりっ!!」

と怒鳴るが早いか、スタスタと部屋から出て行き部屋中が揺れる程激しくドアを閉めた。 私は電話

に出ようか迷ったが、とにかく何か手がかりになるかもしれないと受話器を取った。

 「ゴラァァァ!!! 帰っていやがったのか!! おう“えりか”、

             テメェも○○と同罪だ!今から行くから待っとけ!!!」

と、大声でがなり立てる濁声が響き渡った。一瞬、阿修羅となって言い返そうと思ったが、老いを

感じ“丸く”なったと実感した私は、平和的に行こうと受話器を口元へと運んだ。

 「アフォか!コノ、ずるむけあかちんこが!!ゴチャゴチャ言わずに《隣の部屋》に来いや!」

と言って電話線ごと引き千切った。そして一応、電気水道ガスの元栓を閉め、“まっくろくろすけ”を

抱きかかえ、

  「もうお前さん、ココに帰って来れないんだよ・・・だから、何か大切な忘れモノは無いか?」

と聞くと、口に咥えたままの小さな犬のぬいぐるみを、誇らしげに私に見せただけだったので、その

頭を一つ撫でると、かつて二人の愛の巣だったこの部屋のドアを、そっと閉じ鍵を閉めた・・・。

alt

 一つ溜息をつき、隣の部屋のドアに恭しく敬礼をしてから、階段を下りながら母親の妙子(仮名)に

連絡を入れた。2コールで出た妙子(仮名)に、取り敢えず、さらわれた感じではなかったという事と、

不良達の溜り場にはなっていなかった事と、ゴミ屋敷にはなっていなかったという事を話し、今後の

部屋の処分については、これからそこへ行くから相談しましょうと言った。 一気にテンションが下

がった感じの口調で、何やかやと都合をつけ、私と会わないように言い訳をかましていたので、私

が低い声で、

  「俺がこれから行くって言ってんだから、行くんだよこのBBAが!

         黙って茶でも用意して待っとけ! あ、お菓子も忘れんなよ!!」

と言って携帯の通話ボタンを切った。と同時に遠くから下品な排気音が複数聞こえてきたので、急い

でフィットに戻り、下町に在る母親の妙子(仮名)の元へと向かう事にした。

 直ぐに音だけではなく、見た目もチンドン屋の様なケバケバしく下品なクルマ群とすれ違ったが、

誰一人私だと気が付かなかったようで、そのまま普通に首都高に乗る事が出来た。暫く渋滞の波

の中に漂っていると、相変わらず隣の席で小さいぬいぐるみとじゃれている“まっくとくろすけ”に目

が行った。そしてその頭を撫でながら、そっと呟くように言った。

  「お前サン…、捨てられちゃったんだよ…」

しかしその言葉は同時に…

  「俺も…、そうだけどな…」

ブーメランとなって私の心に突き刺さった…。


 ふと車窓の外に目を向けた・・・。

       どんよりとくすんだ心の葛藤をよそに、外は雲一つなく晴れ渡っていた・・・。


      つづく!
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Posted at 2018/06/04 16:19:15

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