お盆休みの家族のだんらんが暗転した。
愛川町中津の中津川河川敷で15日、相模原市中央区上溝、会社員赤尾信一さん
(39)の次男、聖渚(せな)ちゃん(3)が乗用車にひかれて死亡した事故。
当時、現場周辺は水遊びに来た人たちでにぎわっており、女性の
悲鳴が響くなど騒然とした雰囲気に包まれた。
現場は中津川に架かる町道・八菅橋の上流約50メートルの右岸。
川の浅瀬が広く、澄んだ水が緩やかに流れているため、絶好の
水遊びスポットとして人気の場所だ。
管理者の県厚木土木事務所によると、同所の河川利用には遊泳禁止などの制限はない。
厚木署によると、事故当時、河川敷には100台以上の車が乗り入れていた。
聖渚ちゃんは、両親と兄の4人で午前7時頃、現場に到着。
同8時半頃、父の弟夫妻とその子供2人が合流した。
事故はその15分後に発生。
乗用車がバックして駐車しようとしたところ、近くにいた聖渚ちゃんをひいたという。
現場近くで会社の同僚らと川遊びをしていた川崎市の男性会社員(29)によると、
事故直後、女性の悲鳴が響き、すぐに大人の男女が川の中から駆け付けて血を流して
倒れている聖渚ちゃんの名前を呼び掛けながら人工呼吸などを始めた。
その傍らで、運転手は「すみません」「すみません」と繰り返していたという。
男性は「せっかくの休みなのに気の毒に」と悲しげな表情を浮かべていた。
一方、聖渚ちゃんの自宅近くでは、事故を知った若い母親たちが
「こんなことになるなんて……」とショックを受けた様子だった。