
アクアリウムの水換え、なんで必要だと思います?
小学校の頃の教室には、金魚やメダカの水槽はあったが、
水換えなんてしたこともない。なんか、ハイポを入れるらしいと、
適当に数粒いれて、水をドボドボ。お魚さん、さぞ怖かったろうな・・・
(ハイポには適量があります。水換え時は水温をピッタリあわせましょう。)
今回はバクテリアのお話。
水槽は、エサの残りや、魚の糞によって汚れるそうです。
その成分は主にアンモニア。
あの強烈な刺激臭のするやつです。
アンモニアは魚にとって猛毒だそうで、およそ0.25mg/l(ppm)で魚には危険だそうです。10%のアンモニア溶液ならスポイトで数滴たらせば、魚は死んでしまいます。このアンモニア、自然界ではバクテリア(菌類)が分解してくれます。硝酸菌というやつです。
アンモニアを分解してくれるのは、ニトロソモナスというバクテリア。これが、アンモニアを亜硝酸へ分解してくれます。
が、厄介なことに亜硝酸もまた魚にとっては猛毒で、およそ1.6mg/lで魚には危険だそうです。
次に、亜硝酸を分解するバクテリアがいます。それがニトロスピラというらしい。
ニトロスピラは亜硝酸を硝酸塩に分解します。硝酸塩は魚にとっては比較的無害なもので、淡水魚であれば、50mg/l程度まで問題ないそうです。
ここで、初心者の落とし穴。
私たちが日常飲んでいる水道水は殺菌されています。
バクテリアはいません。なので、水槽にセットし、残留塩素がなくなった後から、
空気中に漂う常在菌が水槽内に侵入し少しずつ繁殖していくのですが、ニトロソモナスと、ニトロスピラの繁殖速度は違います。水槽セット後、1週間もすれば活動を始めるニトロソモナスに対し、ニトロスピラが完全に活動するには「菌にとって」理想的な条件下でも最低1ヶ月もかかるのです。
ニトロソモナスは1日に一回の細胞分裂をするのに対し、ニトロスピラは2日に一回。しかも、ニトロスピラの栄養である亜硝酸は、魚にとって有毒なため、魚を飼育する上で、濃度を低く抑えなくてはいけません。これでは、ただでさえ繁殖の遅いニトロスピラがなかなか増えていきません。
バクテリアのいない水は、2日に一回は全換水が望ましいです。
プラケースなどで飼育する場合がまさにそうです。
そこで、水槽セット初期のわずらわしさから開放する、
米国式フィッシュレスサイクリングなるものをネットで発見し、
早速試させてもらいました。実は自分でも、「魚を飼わずにアンモニアだけで、水はできないものか?」と考えて、誰か試した人はいないのかと、ネット検索すると、すでにポピュラーな方法だったようです。
やり方は至極簡単。水槽をセットし、水を入れ、ヒーターON。フィルターを回し、毎日適量のアンモニアを添加し続けるだけです。光は必要ないです。ただ、ブクブクでエアレーションはしたほうがいいみたいです。
高価なバクテリアの元なんか、全くいりません。入れるだけ邪魔です。
あんな詐欺商品もう買うもんか!
アンモニアは薬局で購入できる「日本薬局方 アンモニア水」300円程度で購入できます。これは10vol%のアンモニア水溶液で、これと小さなスポイトで毎日数滴づつ、ぽたぽたと水槽にたらすだけ。傍からみると変な人のようですが、これでバクテリアを醸すんです(c もやしもん)。15日もすると、亜硝酸は高濃度で維持され(魚はいませんからOK)、菌達はどんどん増殖していきます。
これで一ヶ月後には、亜硝酸濃度はゼロになり、バクテリアでいっぱいのお魚天国が完成します。これなら週一度程度の水かえで水槽が維持できます。忙しいあなたもお試しあれ。
ちなみに、アンモニア、亜硝酸、硝酸塩ともに、これを検出する試薬が各社から販売されています。高価ですけど、アクアリウムを楽しむためには絶対必要です。
少なくとも亜硝酸試薬だけは購入しましょう。
有名どころは、ドイツのテトラ社製。ドイツでアクアリウムはポピュラーな趣味だそうです。半分以上の家庭に水槽があるとか・・・ないとか。
注意:魚の飼育を始めたら、当然ですがアンモニアの添加はしないこと。飼育前に1/2以上水槽の水を換水し、アンモニア、亜硝酸、硝酸塩濃度、PH、水温を確認して、水あわせしてから生体をはなしてください。フィルターにはバクテリアが繁殖しています。フィルターの掃除は、必ずカルキ抜きしたぬるま湯で、やさしく揉み洗いするにとどめてください。水道水で洗ったり、酸欠や、低温、乾燥などすると、せっかく増やしたバクテリアは死滅してしまいます。また飼育当初は、ついうっかり魚を死なせてしまうこともあります。命の重みに変わりはありませんが、一匹数百円以内の安価な魚で、極力少なく飼育を開始するのがベターです。
最初のお魚は、丈夫なアカヒレ、グローライトテトラ、カージナルテトラがオススメです(いきなり数万もする魚を飼う人がいるとかいないとか・・・)。
Posted at 2008/02/19 22:03:03 |
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アクアリウム | 日記