マツダ、自動車運搬船「クーガーエース」積載の全車両を廃棄
- 安心と安全をすべてのお客様へ -
マツダ株式会社と同社の北米事業統括会社マツダ・ノース・アメリカン・オペレーションズ(MNAO)は、今年7月下旬にアリューシャン列島南方海上で大きく姿勢を崩し航行不能となった自動車運搬船「クーガーエース」に積載していた米国およびカナダ向けのすべてのマツダ車を廃棄することを決定した。
MNAOのジム・オサリバン社長兼CEOは、「米国と日本のR&Dセンターのエンジニアが車両の損害状況を厳しく検査した結果、お客様の最善を考えた最適な処置として、全積載車両4,703台を市場に流通させないという結論に至った。この決断がマツダブランドの維持向上につながると確信している」と語った。
クーガーエースは事故後およそ1ヵ月に渡って60度以上傾いた状態で浮揚しており、船体姿勢の立て直し後、米国オレゴン州ポートランド港に曳航され、荷降ろしと船体修理が行われた。
またオサリバン社長は、「クーガーエースに積載されていた車両の中には長期間に渡って、急傾斜の状態で固定されていたにもかかわらず、外見ではまったく損傷のないものや、その程度が僅かなものもあったが、お客様の安心と安全を最優先とし、中古車としても一切販売しないこととした」と語った。
そもそもこの事故は2006年7月24日にアリューシャン列島南方で北米向け
マツダの新車(4.703台)を積載した商船三井の自動車運搬船が船体の安定を
保つ為のバラスト水の入れ替え作業中のミスにより、船体が60度以上に傾いてし
まいその後二週間以上に渡るバラスト注水作業によりなんとか傾斜を戻し、
その後船は曳航されたのですが、肝心の積荷は損傷の有無に関わらずやはり過度の
負荷が考えられるので結局全車廃棄処分となったのが事故の経緯です。
しかしその後の車自体の廃棄作業に関するニュースは表に漏れ伝わる事が無かった
ので、個人的に気になりその後についていろいろ検索をしていたらなんとそれが動
画という形で見つかりました。
それはまず自走してくる新車同然ピカピカのマツダ・3セダン(日本名アクセラ)
の風景から始まるのですが、ここから一転エアバックの廃棄処理に始まり、各種
水、油類の抜き取りとまさにスクラップ処理コースを経て、挙句の果ては貨車に潰
すように積み重ねられ、最終処分場に運ばれて、裁断されチップになるとという一
連の作業が淡々と記録されています。
これにはいくら廃棄品と言えど、愛着を持ったアクセラオーナーの方であれば泣き
たくなるほど辛い光景じゃないでしょうか。
アクセラオーナーでない自分も正直見ていて辛いものがありました。
損害金がいくら保険で賄われるとしてもヒューマンエラーによって廃棄となった
車一台一台にはやはり何の罪もありません。
ましてやその一台一台が完成するまでに膨大な人の手と汗と努力を経て製品として
世に送り出されています。
そんな思いを廻らせながら今回の最大の被害車?となってしまった車達の最後を
見ると、自分はもったいないと言うよりも、誰にも愛着を持たれずにただ消えてい
く運命だったという事に複雑な気分になりました。
しかし顧客の安心、安全第一のマツダの姿勢は社会通念上当然であり、動画の中で
もホイールやタイヤ一本にいたる迄破壊し再生できなくしている姿勢には
会社として非常に信頼できる潔さを感じました。
このような運搬船自体の事故はまれとは言えるのでしょうけが、一度
起きてしまうと大量の損害が出るものです。
今後この様な事態が起きない事を切に願います。
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自動車 | 日記
Posted at
2009/03/08 04:46:37