
世界最大級の自動車の祭典である「東京モーターショー」がピンチを迎えている。経営危機にあるビッグスリー(米自動車3大メーカー)がそろって出展見送りを表明したのに続き、地元である国内商用車メーカーも不参加の意向を示し、規模縮小が避けられない状況だ。東京モーターショーは世界の「5大自動車ショー」に位置づけられているが、自動車業界からは「このままでは中国にとって代わられてしまう」(大手メーカー幹部)と存在感の低下を懸念する声も出始めた。
出展見送りを決めているのはゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、クライスラーの米3社。さらに日野自動車、いすゞ自動車、三菱ふそうトラック・バス、日産ディーゼル工業の日本の商用車4社も見送りの意向を、ショーを主催する日本自動車工業会(自工会)に伝えた。仏プジョー・シトロエンなど一部の欧州メーカーも見送りを検討している。
トヨタ自動車は「こんな時期だからこそ市場を盛り上げたい」としており、日本の乗用車メーカーはすべて従来通り出展の予定。だが、海外勢を中心に出展を取りやめるメーカーが「20社近くに上る可能性がある」(業界筋)という。
こうした状況を受け、自工会は昨年末までだった出展の登録期限を延長したが、このままでは展示会場の縮小や会期の短縮などに踏み切る可能性も浮上している。
背景にあるのは自動車メーカーの業績不振だ。GMなど経営不振のメーカーはモーターショーへの出展を見送ることで、少しでも経費を削減しようと必死だ。
一方、日本特有の事情も見逃せない。自動車ショーへの出展は、その国の消費者にアピールする格好の機会。だが、日本の新車販売台数(軽自動車を除く)は昨年、前年比6・5%減の321万2342台と34年ぶりの低水準に落ち込み、今年は300万台割れの可能性もある。自工会の担当者は「需要のある地域でなければ、モーターショーに参加する意義もない」と肩を落とす。
産経ニュースより抜粋
今回の東京モーターショーは絶不調のアメリカビック3を始め日本企業の一部や
欧州企業の一部と相次ぐ参加自体の波及でまさに今の混沌とした自動車業界の世相
を反映したショーになるようです。
主催者側は集客力の低下は死活問題なので大きな懸念でしょうが、通産で40回を
数え今回のようなある種世相を反映した縮小傾向的なショーになっても致し方ない
のでしょうし、そのようなショーが歴史の一つとして後世に残っても時代の教訓と
してそれはそれでありなのかなと個人的には思います。
それよりも今後に残る根深い問題として、自動車業界全体の主眼が今まで一大市場
であった日本ではなく確実に中国にシフトしている事に主催者側として危機感を募
らしていると思いますが、これもモータリゼーションが比較的成熟し、車に対して
の価値観も多様化した近年の日本市場においてと、まだまだこれからの成長を控え
る中国市場と比較すると中国側に分があるのは市場競争の原理からいっても致し方
ないと思えます。
価値観の多様化した日本では従来のような社会性を重視したショーよりもしかす
ると、
新型車やチューニングメーカーの改造車を一堂に集め、エイベックス等他業種もバ
ックアップしエンターテイメント性を一段と高めたオートサロンの様なショーに今
後人気が推移するのかもしれませんね。
ただしモーターショーはその歴史的背景からもはや車だけが目当てでない(コンパ
ニオンややキャンギャル)ファンの方達もたくさんいるでしょうから全体的なブー
ス縮小傾向は気が気ではないと思います。
Posted at 2009/03/03 17:36:40 | |
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