新型日産・キューブの試乗へ行って来ました。
グレードは15G(¥191万1千円)でボディカラーはクラフトダンボールメタリ
ック(¥3万1千五百円高)でした
写真を観ていた時は珍妙なディティールが目立ったのですが、実車を見ると
これが不思議に気になりません。
全体的に丸みを帯びたフォルムと珍妙と思えたフロントマスクとリアテールの
ディティールがよくマッチしていてなかなかにグッドデザインでした。
あと試乗車のボディーカラーが暖色系カラーで車の持つイメージとよく合っていたの
も理由にあるかもしれません。
これが寒色系カラーになるとまた印象が変わると思います。
内装に目を移すと絶壁スタイルのダッシュボードに驚きました!
まさに壁と言ったところです。 ただ全体的にラウンドさせたりエッジが丸い分息苦
しさはないのですが。
何かに例えるならヨーロッパにある城壁のような感じです。
プラスチックの質感ですがシボは入っているのですが触り心地は固く、
おもったより安っぽい感じがします。
こういった安い素材をよく魅せるのはトヨタの独壇場と思います。
でも先代に比べるとデザイン的にも質感的にも大きく前進したのは確かだと思います。
あとメーターもファインビジョンメーターを採用し華やかになりました。
座席の座り心地ですが、先代と同じくソファー感覚を継承していてダラッとした
感じの座り方がちょうどいい感じに座れると思います。
キューブは着座位置が全体的に高いので特にリアシートは思ったより
ヘッドクリアランスがありませんでした。
あと日産系のコンパクトカーは(自分の乗るマーチも含め)リアヘッドレスト
の引き出しのリーチが何故か異常に短いのが不満です。
もっとノッチを増やし上に押し上げ頭を支えるようにしないと鞭打ち防止にならない
気がするのですが。
あと気が付いた点では、フロア高が結構あるのでミニスカート+ブーツを履いた女性
は乗降しづらそうに思えました。
リム部分が擦れて傷だらけになりそうなので(試乗車はすでに傷がありました)、
キッキングプレートは必須だと思います。
ちなみに上級グレードに採用されていたキルティングスエード調クロスという
生地は肌触りが非常によく心地よかったです。よく上級車に採用された、
東レのエクセーヌのような感じを受けました。
ただ汚れが付き易いのか、試乗車のシートはすでに全体的に煤けていました。
神経質な方にはおそらく耐え難い生地かもしれません。
確かにマイルームとメーカーが呼ぶくらいなので自分の部屋感覚で飲食をしながらく
つろいだりするオーナーが多いはずなので、汚れやすい生地よりは防水や汚れを防ぐ
エクストレイルのセルクロスのような生地の方が車の性格上向いているかもしれません。
走り出すためにドラポジを合わせるのですが、インパネの高さがかなりあり、
なおかつフロントガラスの上下幅がかなり狭いのでシートリフターをかなり
上げて外を見下ろすようなポジションにしないとボンネットの先端位置を把握できま
せん。
しかしそうすると今度はヘッドクリアランスが減少し妙な圧迫感をうけてしまう
というなかなか決め所が難しい運転席環境です。
幸い15Gはスタイリッシュガラスルーフがあり頭上に開放感がありまだ助かりまし
たが、通常ルーフの場合はやはり圧迫感があるかもしれません。
今流行のプッシュエンジンスターターでエンジンをかけますが、
アイドリング音が非常に静かになっています。防音対策がかなり進んだ証拠ですね。
走り出しはいたってスムーズでCVT特有のなめらかさを味わえました。
足回りですが段差を乗り越えた際の、コンパクトカーにありがちな細かなひょこひょ
こ感があまり無く、ゆったりと大らかなピッチングだと思います。
これには足回りの改良はもちろんの事、先代キュービックに比べても
ホイールベースが100mm延長され、上級グレード比で車重が100kg重くなっ
たのが功を奏したのかもしれません。
あとローリングも結構抑えられていて早めのスピードでアールのきついコーナーを駆
けても急にぐらりと傾くような挙動はないです。
ただベンチシートなので人間のほうが横Gに対してもちませんが・・
まあキューブのキャラクターから言って横G云々などはナンセンスな言葉なんでしょ
けど。
ちなみステアリングのフィールですが電パワ特有の相変わらずの軽さで
オーテック仕様のマーチに乗る自分からすると路面からのキックバックがほとんど無
く逆に不安になってしまいます。
あと正しいドラポジで両手でステアリングを握り運転すると何故か疲れるのが不思議
です。
ステアリングを片手で握り左腕ををアームレストに置きダラっとした体勢で運転する
と何故かしっくりくるという(笑)これもマイルームたるキューブならではの煮詰め方
なのでしょうか??
あとシフトがコラム式は何か利点があるのでしょうか?
普段フロア式シフトで運転する自分にとっては使いにくさが目立ちました。
おそらく走行中にオーバードライブ以外のシフトチェンジは見限っているのでしょうね。
ここは時流になったインパネシフトを採用して頂きたかったです。
ただ一流企業の日産がそのところの背景を把握していない訳が無く、これは輸出仕様
との作り分けのコスト問題で確信犯的に見送られたのかなとも考えました。
何か文句が多いような印象になりましたが、今度のキューブ出来はいいですよ!
HE15DEエンジンとCVTの組み合わせは近年の日産の中で出色のコンビで
走り出しはとても穏やかで踏むとめっぽうよく走りますし、実燃費もかなりいいです
し、けっして余裕は無いですがブレーキは踏んだ分だけきちんと効く安心できるタッ
チです。
ただ一番の問題は価格の高さですかね!
これには正直先代がめちゃくちゃお買い得に思えてきました。
売れ筋のはずの中級グレードでもちょっとしたオプションと諸費用入れたらナビを付
けずに軽く200万突破します。
これには正直驚きを通り越し絶句です。
オプションの組み合わせによっては下手したら日産・セレナが買えてしまう勢いです。
そう考えると基本コンポーネンツが同じ日産・ノートは日産お買い得車の最後の砦か
もしれません。