寒い日が続いている。そのうえ寒波襲来でとんでもなく低い気温が予想されるという。
そういう時だからこそと、その日、この数年行ってなかった南信州の「遠山郷かぐらの湯」へ行ってみようと朝食後おもむろに出発した。
距離は90kmほど。自宅からほぼ真北にまっすぐ走るルートで時間にして2時間少し。もちろん全て一般道。
正月明けから背負い込んだ風邪はまだ完全には快復していなかったが、じっとしていると治るものも治らないような気がして、温泉に浸かれば体調もグッと良くなるのではないかと勝手に考えた。
自宅を出るとほぼ天龍川に沿って北上することになる。
土曜日というのに道路は意外に空いている。
天龍川は、上流に向かって船明ダム、秋葉ダムそして佐久間ダムとダムが続くが、佐久間ダムは、この北上ルートから逸れる。
遠山郷は、佐久間ダム方向から離れ、天龍川支流の水窪(みさくぼ)川沿いに北上するルートで、水窪町の中心部を抜けて静岡県と長野県の県境となる兵越(ひょうごし)峠(標高1,165m)を越えていくことになる。
この峠は、毎年、 静岡県側の遠州軍と長野県側の信州軍が綱引きをして、その年の県境を1m動かすという名物の国盗り合戦合戦が行われ、道路にはその境界の表示がなされている。
ただこの3年ほどはコロナで中止となっている。
この峠を越える道路は林道で、曲がりくねっているうえすれ違い出来ないほど狭いところも随所にあり、また長野県側は冬場は雪もかなり残り走行には気を使う。
静岡県と長野県を行き来するには、現在この林道(市道)を走るしかないのだが、実はもともと国道152号線で距離も短い青崩峠を越えのルートで両県を行き来する計画だった。
ところが、その青崩峠は土壌がもろく崩れやすいため当時の技術では施工できず通行不能区間として残ってしまった。現在も施工がストップした場所はそのままとなっている。
そうした状況下で、青崩峠越えではなくその下をトンネルで抜ける最短ルートとなる道路を三遠南信自動車道として計画。現在掘削中で、トンネルは長さ約5,000mの「青崩トンネル」になるという。
これが開通すれば相当な時間短縮になる筈。
三遠南信自動車道は浜松側は現在東名高速三ヶ日JCから新東名高速浜松いなさJCを経て鳳来峡ICまで、飯田側は中央道飯田山本ICに繋がる一部の区間が開通しているのみ。
その中でこの青崩トンネルは最難関とも言える工事区間らしい。
その工事を中断した青崩峠までは時間があれば帰りに入ってみようと思った。
さて、その兵越峠、幸い狭い下りになっても対向車とすれ違うような場面はなく、順調に「かぐらの湯」に到着した。
が、到着すると駐車場にほとんど車がない。土曜日の正午過ぎというのにおかしいなあ、と思いつつ玄関口の方に行ってみると・・・・、なんと当分の間営業はしない旨が書かれているではないか。
嗚呼、折角風邪を押してきたというのに。
まあ愚痴を言っても仕方ない。併設されていた食堂で昼食を済ませると湯に浸かることも無く再び来た道を浜松に向かい引き返した。こういうのが一番疲れる。
そして、途中で青崩峠まで行ってみることにした。
細い道だが途中までは一応舗装されていた。急な坂道に入るとその舗装路もなくなり荒れた路面の山道となった。
大きな岩が転がっている場所もある。落石注意だが落ちてきたら運が悪いと思うしかない。
そしてようやく到着。

R0000103のコピー
クルマの向きを変えられるよう回転スペースが確保されていた。
そのため駐車禁止の看板も出ていたが、それでも平気で駐車する者がいる。青崩峠へでも行っているのだろうか、日産のエクストレイルが1台駐車していた。
何度も切り返し、やっとの思いでクルマを下り方向に回転させた。
この日、結局、温泉に浸かりに行ったのではなく、兵越峠、青崩峠と峠を上りに行っただけのドライブとなってしまったが、こんな時でなければ普段行くこともなかった青崩峠に行けたのはそれなりに収穫ありということだったなあと、体調不良も多少は和らいだような気分になった。
Posted at 2023/02/11 13:01:39 | |
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