過払い金説明の2回目です。
1回目はこちら→
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さて、利息制限法という法律があります。
その法律では、利息は下記のように定められています。
10万円未満の借り入れ・・・・20%
10万円~100万円未満の借り入れ・・・18%
100万円以上・・・・15%
はっきり法律で定まっています。
ではなぜ消費者金融はさきほどのような29.2%とかの金利を取れていたんでしょうか。
これはかなり長くなる&大きな問題なので説明は省きますが、みなし弁済という制度があることから、いわゆるグレーゾーン金利として通用していたんですね。
現在は、そのグレーゾーン金利について認めない判例が多数を占めており、裁判では消費者金融側が敗訴し続けている状況であります。閑話休題。
さて、前回の例を利息制限法による利率に引き直してみましょう。
借りた金額が50万円ですから、利息は18%ですね。
では18%で引き直します。
初回の支払いの内容が、
平成21年1月30日
\25,000返済
利息充当分 \7,150(29.2%のときは\11,600)
元金充当分 \17,850(同じく\13,400)
残元金 \482,150 (同じく\486,600)
となります。
同じく2回目の支払い内容は、
平成21年2月28日
\25,000返済
利息充当分 \6,895 (29.2%のときは\11,289)
元金充当分 \18,105 (同上\13,711)
残元金 \464,045 (同上\472,889)
となっていくわけです。
では、平成23年1月30日の段階ではどのようなことになっているでしょうか。
平成23年1月30日
\25,000返済
利息充当分 \0
元金充当分 \0
残元金 △\26,931
Σ(゚Д゚)
すなわち、この時点で元金がありません。元金がなければ利息も発生しません。
△はマイナス、という意味です。
実は、18%に引き直すと、今回の例の場合は、平成22年12月30日の支払いをもって、完済していたはずになっているのです。
それなのに、借りた人は、知らないから、そのまま2万5000円を消費者金融に支払っていました。
既に完済しているにもかかわらず、払う必要もないにもかかわらず、支払っていたことになります。
これが、「過払い金」というものなのです。
現実には、この借りた人は、平成23年4月30日まで支払っていたわけです。
最終回の支払いは、16,601円でしたね。
平成22年12月30日以降の支払いは、すべて過払い金です。
最終的にはこうなります。
平成23年4月30日
\16,601返済
過払い金 △\93,532
結果、この例でいえば、この借りた人は、最終的に93,532円の余分なお金を支払っていたことになります。
消費者金融側は、法律で定める以上の利息で受領していたわけですから、本来は受領してはならないお金です。
だから、「不当」に「利益」を「得た」金員なのですから、「不当利得返還請求権」をもって、この93,532円を返還請求できる、ということになるのです。
この例は金額が少ないです。
しかし、これが、たとえば、借りては返し、また借りては返しを繰り返していたらどうでしょうか。
年数も3年レベルではなく、10年レベルでしたらどうなるでしょうか。
ケースにもよりますが、その場合、数百万規模の返還請求になることも多々あるのです。
だからこそ、消費者金融側は、この過払い金返還請求事件によって、かなりのダメージを受けています。まぁ今までいい思いをし続けていた代償ということですけどね。
以上が、簡単な過払い金というものの説明になります。
もしかしたら続くかも。かも。かも。
Posted at 2009/01/23 11:06:40 | |
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