M3が納車されてから1ヶ月強が経ちましたので購入を検討されているM3ファンの方向けにオーナーならではの詳細インプレをしたいと思います。
私的なインプレですから私と意見や感想が違う方もいらっしゃると思いますので、飽くまでも参考意見としてご高覧くださいね。
<M-DCT>
どんなものか大いに期待していたM-DCTですが、これは本当に素晴らしいです。
切れ目のない激速の変速は感動以外の何者でもなく、シフトアップもシフトダウンも申し分ない。
強いて挙げれば2段、3段飛ばしのシフトダウン時に若干もたつき、ブリッピング(煽り)も少ないのでマニュアルミッションマニアには物足りないでしょう。
はっきり言って3ペダルで車を操る楽しみや悦びをM-DCTに求めるのは無理です。(てか私はそれをM-DCTに求めていたんですけど。)
普通のオートマより楽しいミッションであることは間違いありませんが、マニュアル派の方は素直にマニュアルを選ぶことをお勧めします。
と言っても不満なレベルではなく、途切れのない加速はとても気持ちの良い操作感で運転中に「たのち~!!」と叫んでしまう爽快感があります。
一般的な普通の6速MT車とM-DCTのギヤ比を比較してみるとM-DCTの1~2速はクラッチ保護のためかローギアード設定になっています。
1速は一般的6速MT車の0.8速、2速は1.6速とむしろオーバーLOW設定です。
しかし3~7速は非常にクロスしていて3速が一般的6速MT車よりやや高めの2速、4速が一般的6速MT車のちょうど3速ぐらい、
5速が一般的6速MT車の3~4速の中間ギア、6速が一般的6速MT車のやや高めの4速、7速が一般的6速MT車の5速(1.000)に相当します。
つまりM-DCTはオーバードライブがない仕様になっていて、クロスした3~5速をドライバーがパドルでセレクトして楽しむミッションになっているのでしょう。
今まで慣らし運転でATモードで走ってたせいでパドル利用の時も5速か6速を多用していましたが、意識して3~5速を多用するのがM-DCTドライビングのスイートスポットってわけです。
確かに3~5速を多用していると、路面にトラクションが乗っかって接地感が増し、足廻りの物足りなさは薄まった感じがします。
<足廻り>
EDC可変ダンパーの期待が大きかっただけに残念に思っているのがノーマルサス。
ギャップで嫌な跳ね方をするのでどうも接地感や減衰力不足を感じてしまいます。
コンフォートだと上下揺れが大きく、スポーツだと妙な突き上げを感じますが、ノーマル設定にしておくとさほど気にならない。でもそれじゃ意味ないんじゃ?
ロールが強くて剛性が足りない感じは払拭できないから評判の良いCOXボディダンパーでも入れてみようかと思います。
それでもダメならEDC捨ててビルシュタインか3D導入を検討せねば!もう少ししなやかになってくんないかな~。
所詮はファミリーカーベースですから、スポーツ専用設計の911やGT-Rのレベルに到達できないのは仕方ないです。
妥協してノーマルサスの特性に慣れてしまえば気にならないんでしょうけど、ここまで高性能車なんですからやはりベストを目指したくなるのが人情ってもんでしょう。
<装備>
2009年モデルからi-Driveは使い易くなりました。
以前のタイプは取扱説明書を熟読しないと扱い方が分からなかったですが新型は感覚的に操作できます。
ナビも画質が繊細になり3D表示が出来るようになって使い易くなりましたが、サブ画面の案内表示が死ぬまで消えない現象(初期ロットバグ?)が出ています。
コンフォートアクセスは超便利!鍵なしで開け閉めと始動ができる利便性と快適度は最高です。
ミュージックサーバーも超便利。お気に入りのCDを車のHDDに保存しておけばいつでも聞けます。
ただし時々(10枚に1~2枚)、CDタグ情報(曲名、アルバム名、アーティスト名)が読み取れないことがあるのが残念。
情報が読み取れない場合にあとで自分で打ち込めるようにして欲しいのですがその機能はありません。なんでやねん?
メタリックペイント、パークアシスト、シートヒーター、クルーズコントロール、コーナーリングライト、レインセンサー、防眩ミラー、電動Pシート、LSDなど、
911だったらオプションで合計108万円もする装備が標準仕様になっているのは素晴らしい。
<内装>
M3の上位機種にM5、M6があるのは周知の通りですが、そのためか内装を意図的にチープにしているとしか思えません。
トランクの内張り、ルーフやピラーの内張り、ダッシュボードの材質、1000万円超の車じゃありません。
いまどきのGOLFにも遠く及ばない仕様じゃありませんか?!
911も車両価格の割りに内装がチープと言われますが、911とは比較になりません。
確かにノヴィロレザー革の材質は高品質ですが、安っぽい内張りだけは許容範囲を超えていてさすがになんとか手を加えたくなります。
装備があれだけ充実しているのに、さほどコストが高くつくとは思えない内張りを何故ケチるのか意味不明です。
<エンジン出力>
なんというかV8なんですが直6同様に軽やかかつリニアに回ります。
0-100Km/h 4.6秒は眉唾ですが5.0秒なら真実かも?
1650Kgの車重を感じさせない軽い身のこなしと秀逸なハンドリングはM3らしさを感じさせます。
繰り返しになりますがダンパーの減衰不足とロールがなければ言うことないです。
モアパワーを求めたいかと言えば、もうこれ以上は要らないといった感じ。
なんて今は思ってますが大画面テレビと同じで、最初はこれ以上要らないと思っていてもすぐ慣れてもっとデカイのが欲しくなるのと同様にモアパワーを求めてしまうのでしょうね。
DMEチューンでリミッターCUTすれば○00Km/h出るなんて話もありますが、憧れに留めておいた方がいいかもしれません。
<オプション>
オプションに何を付けたらいいのかと言えば、まずM-Driveですね。
★M-DriveはEDCとエンジンレスポンスとサーボトロニックとDSCのセットオプションです。
EDCはダンパー3段階コントロール、エンジンレスポンス3段階コントロールは体感できるほど変化します。
加速タイムまで向上するのかどうかは分かりませんがエキゾーストノートは大きくなります。
サーボトロニックはステアリングの重さの2段階コントロール、DSCはトラクションコントロールのON/OFFスイッチです。
どうしても必要かと言えば疑問ですが911のスポーツクロノ同様に、下取りの時に叩かれる材料になる可能性がありますので出来れば付けた方がいいかもしれません。
でも社外品サス装着を検討している方や10年以上乗るつもりの方には必要ないかも。
★純正19インチアロイホイールは341,000円のオプションです。社外品19インチタイヤ&ホイールセットを買おうとすると60~70万円かかりますので一瞬お買得な気がします。
しかし18インチ純正タイヤ&アルミセットを新品のまま売れば15~20万円は期待できますから、自分の好きな社外品タイヤ&ホイールを差額50万円前後で買えるため、
純正19インチアルミとの差額はせいぜい15万円です。プラス15万円で好きなアルミがゲットできるならBBSが良かったかなとちょっぴり後悔している私です。
★スライディングルーフは好き好きですがボディ剛性が落ちるし20Kgも重くなるので出来れば止めたほうがいいです。
超ヘビースモーカーな方ならともかく、特にクーペはカーボンルーフじゃなくなるので価値が落ちてしまいます。
セダンならスライディングルーフを付けてもルーフはスチールのまま変わりありませんので好き好きでいいでしょう。
★クライメートコンフォートガラスは赤外線を反射するガラスです。
太陽光が眩しくない反射を抑えたガラスらしいですが、レーダー探知機のGPS受信やレーダーセンサーに影響を与えるらしく注意が必要です。必要だと思う方にはよろしいかと。
★エクステンドレザー
グローブボックス下部とコンソール下部がレザーになりますのでバンブーベージュかフォックスレッドだと映えますが、ブラックに付けてもあまり意味がないかと。
★インテリアトリム
アルミとカーボンとシカモアの3種類があります。
何もオプション付けなくてもいいんですが付けないとやはり寂しいです。
ブラック、グレー内装にはカーボンが似合います。ベージュ、レッドにはシカモア(木目)がいいでしょう。
アルミは高級感がないように思えますがお好きな方はお好みで!
★ノンスモーカーパッケージ
ただ単にシガーソケットがなくなるだけです。電源が取れなくなって不便なので発注は止めましょう。
★サンプロテクションガラス
最初から茶色のフィルムが貼ってあるリアガラスとリアサイドウィンドーに貼られます。
色はそんなに濃くありません。27,000円を安いと感じる方にはいいでしょう。
★オーディオ
420W13スピーカーのロジック7(84,000円)と、825W16スピーカーのHi-Endシステム(260,000円)がありますがノーマルよりマシな程度です。音質はそれなりです。期待すると裏切られます。
以上、長文になってしまいましたが、私が購入前に欲しかった情報を全て網羅してみました。
これはみんカラに対する恩返しのつもりです。
購入検討されている方のお役に立てると幸いです。
個人的にはM3には大満足しています。些細な短所や欠点があっても心から楽しめる車であることは間違いありません。
お仲間が増えることを祈っています。