
キックの前に燃料を送り込むところからドキドキしています。落ち着いて上死点を確認して、思い切り踏み込むタイミングで緊張は最高潮に。うまくかからなくても、キックバックがなければほっと一息、キックバックでケッチンを食らっても、大事にならなければほっと一息。気を引き締めて同じ儀式を繰り返します。
キックが決まって、元気な爆発音が聞けたら一安心…ではなく、安定するまで2000-3000回転を維持。アクセルから手を離すとアイドリングが不安定になって、せっかくかけたエンジンが止まることもあるので、走り出して安定稼働するまで気は抜けません。
排気音はかなり大きいので、エンジンをかける場所とタイミングは少し気を使いますが、とても良い音をしています。
アクセルに手をかけたまま、シートを乗り越え右から左サイドへ。よいしょと前方に体重をかけてセンタースタンドを外して、出発の準備が整います。
街中を走る機会が多いので、全体的な設定を薄くしてもらっていますが、一速でだいぶ引っ張れます。
アクセルを回した時と回さない時で変わるエンジン音、どちらも魅力的で、まるで息をしているようです。
ちなみにブレーキディスクが錆びるっていう経験がなかったので、錆が取れていない状態でのブレーキ操作は不思議な感覚です。雨とか湿気で錆びても、乗っているうちに錆も落ちてくるので走行に問題はないようです。
専門用語のボキャブラリーが少ないのでこのバイクの魅力をここに書ききれないのが残念ですが、乗る前から楽しみが始まっている一台です。
40年近く前の旧いバイクで、キックスタートだったり取り回しだったりと所有する前は不安もありましたが、信頼できるショップと出会えたので勉強させてもらいながら長く大切に乗っていきたいと思います。
貴重な一台を販売してくれたお店のご夫婦、長年の憧れを形にしてくれたチームの皆さま、安心して乗れるようとことんメンテナンスしてくれたショップの皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします!