【 ブレーカーバーのスピンナハンドル的な使い方 】 KTC 9.5sq.スピンナハンドル BS3E 【 スピンナハンドルの非ブレーカー的な使い方 】
まずは↑の動画をご覧ください。
みなさんは、スピンナハンドルのことをなんて呼んでますか?
スピンナハンドル、スピンナーハンドル、スピナーハンドル、ブレーカーバー・・・
人によって、メーカーによって様々な名前で呼ばれるスピンナハンドルですが、
私はちょっと人とは変わっていて、その使い方によって呼び分けています。以前にも書きましたね。
固くしまったボルトを弛める用途に使う場合は、スナップオン方式で「ブレーカーバー」と呼んでいます。
多くの人は呼び名に関わらず、主にこちらの使い方をされているのではないかと思います。
「ブレーカーバー」って名前にピッタリの使い方だと思います。
ではスピンナハンドルという名前に相応しい使い方ってどんな使い方でしょう?
私は個人的に、
早回し用途の使い方や、壁などの障害物を避けて180°でターン、旋回する様な回し方がスピンナハンドルって名前にピッタリだと思っています。
ドライバーの様に立てて回す早回しも出来るスピンナハンドルですが、
私は動画の様に長めのエクステンションバーやユニバーサルジョイントと組み合わせて、スピーダーハンドルに近い旋回する様な回し方がスピンナハンドルという名前にマッチしているなと。
この回し方、スペースが必要な上に、自動車ではお客さんの車でやるのはちょっと怖いかもしれませんね。
レースなどではどうでしょう?
エンジン単体のオーバーホール作業では、周囲のスペースが広いので使えそうなワザですね。
私は自動車以外の機械の現場で、
もっと大きいボルトで、
少しねじが渋いボルトで、
尚且つエアーや電動などのパワーツールを段取りするのに余計に時間がかかってしまう場合などにこの方法で回しています。
場合によってはユニバーサルソケットでも良いですし、ユニバーサルジョイントなしでエキバーだけでもいけます。
この回し方、シチュエーションによっては賛否両論あろうかと思いますが、スピンナハンドルの使い方の一つとしては、あまり認知されていない様な気がしてUPしました。
実際はもっと早く回せます。
条件が揃えば、往復運動のラチェットなんかより断然速いです。
もちろん速さより確実性を重視する場合、もっと速い方法を採用できる場合など事情は色々ありますから、この回し方を適用すべきシチュエーションはそう多くはありませんが、
産業機械系の現場では意外と使えることが多いです。
現場では3/8”はほとんど使わないので1/2“でやる場合がほとんどですけど。
もちろん1/4“のスピンナハンドルでも適用できます。
KTCのスピンナハンドルは、グリップ形状が独特で、この「スピンナハンドル」的な回し方がやりやすいです。
KTCネプロスのスピンナハンドルもなかなかですよね。
最近発売されたKTCのスイベルラチェットハンドル、
スタンダードレングスのBRSW3は同じKTCのスタンダード3/8ラチェットBR3Eユーザーに向けて長さを合わせてきましたが、
ロングスイベルラチェットBRSW3Lは、ロングラチェットBR3Lではなく、KTCのスピンナハンドルBS3Eに合わせた長さになっています。
KTCの新作ロングスイベルラチェットが、
スピンナハンドルと同じトルク感で使える様にと説明されることが多い様ですが、
単にトルク感を合わせるならスピンナハンドルではなくロングラチェットBR3Lに長さを合わせるのが自然ではないでしょうか?
それにどう見てもロングスイベルBRSW3LとBS3Eスピンナハンドルの軸は太さが異なり、同一トルクレンジで使う想定にはなっていないでしょう。
スピンナハンドルは「ブレーカーバー」的な固く締まったボルトと対峙することが多いでしょうしね。
私はトルク感覚というよりも、スイベルラチェットがスピンナハンドルと同じ軌道で回せることから、
ロングスイベルラチェットを、
ある意味スピンナハンドルの上位互換として、
早回しする時の感覚がスピンナハンドルと近くなるよう設定された長さなんじゃないかと思っています。
ドライバー的に立てて回す時も、エクステつけてぶん回す時も、KTCのスイベルラチェットのハンドルは色々な使い方、持ち方に対処できるハンドル形状です。
KTCがメカニックの手の動きを研究して拘って出来たハンドルデザインですから、単に高トルク向きだとかそういうデザインではないですね。
BS3Eに対してロングのBS3Lもありますが、そちらは9.5sq.(3/8“)でも全長が400mmありますから早回しにはちょっと不向きですね。
どちらかというと(私の言う)「ブレーカーバー」的な工具になりますね。
もちろんどっちもスピンナハンドルって名称ですが。w
左からスナップオン(旧モデル)、KTCBS3E、コーケンZ-EALです。
国内メーカーは安全の為に首が90°付近までしか曲がりません。
ソケットやエキバーで高さが出た場合、90°以上下にハンドルを振ることで安定してよじれず回せるので
私は旧スナップオンのように90°以上回る方が好きなんですけどね。
スナップオンも金属グリップのほうがグリングリン回す早回しはしやすいですが、
ついついパイプで延長したくなっちゃいますので、旧プラグリは変な気を起こさせないと言う意味でも優秀です。w
まあもっと長いの太いのデッカいの持ってるし、わざわざこれらを延長する必要はないんですけどね。
とにかくみんなスピンナーハンドルの説明って言ったら、
「固くしまったボルトを・・・」
とか、
「ドライバーみたいに立てて早回し」
とかしか言わないので、
いやいやスピンナハンドルの真骨頂は、手首を返しながら肘を使いながらの連続回転にあり!
それを言いたかったわけです。