↑ コーケン 3/8スイベルラチェット 3776シリーズ全グリップ紹介 と 禁断の1/2化 改造方法紹介【実はTONEの技術供与】
まずは動画をご覧ください。
この記事も序盤は悪口が続きますが、実は私今日紹介の工具はかなり好きな工具です。
本日ご紹介の工具は・・・

コーケン(山下工業研究所=山下工研=Ko-ken)
の
3/8“(9.5sq)スイベルヘッドラチェットハンドル
3776N(ローレットグリップ)
3776P(ポリッシュグリップ)
3776J(樹脂グリップ)
の3本です。
コーケンのスイベルラチェットは3/8のみのラインナップで、
レングスも長めの280mm1種類ですが、
グリップはコーケン拘りの3種がラインナップされています。

3776N(ローレット)は、よくあるローレットハンドルでしたが、
マイナーチェンジで縦溝も入ったコーケン独特のセレーショングリップになりました。
ドライバーの様に立てて回す際にも滑りにくく
非常に使いやすいグリップです。
ポリッシュはその名の通り総磨きでとても美しいハンドルです。
太めで意外と立て回しもできますが、さすがにローレットグリップよりは滑ります。
個人的には見た目はポリッシュが一番だと思います。
旋回させるような動きは滑らかにできますね。
また汚れには最も強く、さっと拭き取るだけで手入れが完了しまず。
樹脂グリップは、以前は黒一色で、単素材、Ko-kenのロゴがプリントで入った通称「棺桶グリップ」でしたが、
マイナーチェンジ後は2色ハード系ソフト系の複合素材のエルゴノミックなグリップになりました。
(って言ってもかなり前ですが)
重量も最も軽量で、グリップが軽い分、ヘッド側に重心がありますので、
ヘッド付近を短く持ってのラチェッティングは最も軽快で、
ドライバー的な立て回しも滑らずしっかり回せます。
汚れや傷に弱いのはありますが、逆に対象物にグリップエンドをぶつけても対象物が傷になりにくいのはありますね。
また樹脂グリップは冬場に冷たさを感じにくいのをメリットに挙げる方も多いです。
パイプつっこんで延長できないのは現場向きではありませんねw
見た目は好みが分かれますが最も実用的なグリップといえます。

ヘッドはデカ頭で3/8ラチェットとしては非常に重たく、
今時45ギヤと、
スナップオンの元祖スイベル ベンツ100ギア
小ベンツ72ギヤをはじめ、
各社60、72、100、144などが主流の現代においては振り角(送り角)的にも見劣りがするスペックです。
唯一、樹脂グリップは少し軽いですがそれでも重量級、3/8ラチェットとしてはデカ頭でソケット付近の視界も悪く、
スナップオンの100ギアベンツよりも高さがあるヘッドでありながら45ギヤ。
価格はスナップオンの1/3くらいですが、
以前紹介したKTCからも小顔のスリムな72ギヤのスイベルラチェットBRSW3シリーズが出てますから、
カタログスペックだけみて
今わざわざこれを選ぶ方は少ないでしょうね。
実際、動画内でも小顔のKTCスイベルと比較していますが、
コーケン3776はKTC BRSW3に比べ、2まわりほど大きく見えます。
同じ3/8(9.5)とは思えない、
3776は1/2(12.7)工具のようなサイズ感なんですよね。
しかし私は、このラチェット凄く好きです。
45ギヤですが、ギヤの噛み合いはしっかり感がありならコーケンらしい軽い空転トルクと、軽快なラチェッティング。
小気味良いラチェット音がクセになる程 実際の使用感は悪くない。
丸型ラチェットながら、工夫されたヘッド部蓋のおかげで左右切り換え表示があるんです。
LR今どっちだっけ?ってのが一目でわかるスイベルラチェットはコーケンさんの特徴です。
空転トルクについて「コーケンらしい軽さ」と書きましたが、
実はコーケンの丸型ラチェットは、
TONE(トネ=旧 前田金属工業)の技術供与により作られています。
ラチェット部の機構はコーケンのラチェットアダプターなども同様の構造ですが、TONEとの技術提携だったんですね。
昔のコーケンのカタログにはちゃんと書いてありましたが最近では消えた様です。

3776Nは実測560g

3776Pは実測555g

3776Jは実測481g
最も軽くバランスもヘッド寄りで使いやすいです。

スイベル部のカタさは調整可能。
さてこの3776、
お気に入りのスイベルラチェットであることには変わりないのですが、
記事の冒頭の私の動画でも言ってる通り、
やはり「このサイズ感なら1/2(12.7)の方がバランス良さそう」と思っています。

そこで3776改 1/2化
さしずめ「4776」を作れないか?というわけで、
コーケンの1/2丸型ラチェットリペアキットと、
技術提携関係にあったTONEの1/2丸型ラチェット RH41を用意しました。
左が3776純正
真ん中がコーケン4752リペアキットの4752RK
右がTONE RH41をバラした中身です。リペアキットの品番としてはRKRH41だったかな?
いずれにしてもTONEのこの丸型ラチェットRH41、RH41F、RH41Lなどはリペアキット含めて廃番となっています。
ただし、いずれもそのままでは上下にガタがあり使えません。
具体的に言うとスパイラルリテイニングリングの溝の位置が05mm前後違います。
その分ガタが出ますので、内径25mm外径30mm程度のシムリングをかませてからリテイニングリングを組み、ギャップを微調整します。
詳しくは動画を参照してください。
私の場合は0.5mmと0.2mmの2枚を重ねて0.7mm入れました。

TONEのRH41のギヤを入れて1/2化してみたところがこちら。
トネの場合はコーケン独特のありがたいLR回転方向表示機能はなくなります。
その代わりTONEはメッキされているので、好きな方を選んでください。(RH41廃番ですがw)

こちらはコーケン4752RKを組み込んで1/2化したところ。(一番右)

右はTONE RH41
右から2番目がKo-ken 3776P 改 1/2仕様です
どうです?
3776は1/2の方がしっくりくると思いません?

実はRH41も凄く使いやすい1/2ラチェットなんですけどね。
やはりこのサイズ感でこの構造を使ったの1/2スイベルが正式にラインナップに欲しいところ。
あ、改造はくれぐれも自己責任でおなしゃす。m(_ _)m