政府 石油備蓄放出を決定 ガソリン価格の激変緩和措置も実施へ
2026年3月12日午前5時35分
原油価格
イラン情勢の緊迫化で今月下旬以降、原油の輸入が大幅に減るおそれがあるとして、政府は石油備蓄を放出することを決めました。さらにガソリン価格の急激な値上がりを避けるため、1リットルあたり170円程度に抑える激変緩和措置も来週出荷される分から実施する方針です。
イラン情勢の緊迫化とそれに伴う原油の安定供給に懸念が広がっていることを受けて、11日夜、高市総理大臣は石油備蓄の放出と激変緩和措置の実施を明らかにしました。
石油備蓄の放出については、民間の石油会社が保有する「民間備蓄」15日分を放出したあと、国が持っている「国家備蓄」を1か月分、放出するということです。
量はあわせて8000万バレル程度と過去最大規模に達する見通しです。
放出は今月16日にも始め、ホルムズ海峡の事実上の封鎖によって、タンカーが日本に到着できなくなり原油の輸入が大幅に減る事態に備えるとしています。
さらに、ガソリンの小売価格を1リットルあたり170円程度に抑える激変緩和措置も今月19日に出荷される分から実施する方針です。
具体的には170円を超える分については石油元売り各社に補助金を支給することで、急激な値上がりを抑えるとしていて、小売価格に反映されるまでには1週間から2週間ほどかかる見込みです。
また、軽油や重油、灯油についてもガソリンと同額の補助を行うことにしています。
経済産業省の担当者は「ドライバーには過度に心配せず、いつもどおりのペースで給油してもらいたい」と呼びかけています。
石油連盟会長「備蓄放出の決定を歓迎」
石油元売り各社でつくる石油連盟の木藤俊一会長は、今回の政府の措置について「石油業界としては、激変緩和措置に政府と連携して対応するとともに、備蓄放出の決定を歓迎する。1日も早くホルムズ海峡の安全航行が確保されることを期待している。また引き続き、石油の安定供給に万全を期していく」とコメントしています。
ENEOS ガソリン卸値の大幅引き上げを通知
関係者によりますと石油元売り各社のうち、最大手のENEOSは、12日から今月18日にかけてのガソリンの卸値を1リットル当たり26円と、大幅に引き上げることを取引先のガソリンスタンドに通知しました。
イラン情勢を受けた原油の先物価格の上昇が背景で、12日以降、当面の店頭価格も大幅に値上がりする見込みです。
これを前に、11日夜は、各地のガソリンスタンドで値上がり前に給油しておこうという人たちで混み合う様子がみられました。
一方、ガソリン価格の値上がりに対して政府は、今月19日の出荷分から1リットル当たり170円程度に抑制する激変緩和措置を講じる方針を11日夜、明らかにしていて、店頭価格に反映される見込みです。
名古屋市のガソリンスタンド 混み合う
名古屋市中区にあるガソリンスタンドでは、11日午後9時すぎ、値上がり前に給油しようという人たちで混み合い、一時は給油待ちの車の列ができました。
給油に来た30代の男性は「会社の同僚とは『これから自転車で通勤しようかな』という話もしたが、車を使わないと不便なのでこれ以上価格が上がると家計が厳しい」と話していました。
40代の男性は「妻から『価格が上がるから急いで給油に行ってきて』と言われて来た。政府には補助金を出すなどして価格が上がりすぎないようにしてもらえると助かる」と話していました。
ガソリンスタンドの社員の大川陽輝さんは「午後6時すぎから午後9時半ごろまで客足が途切れなかった。この先、買い控えなどが起きる不安があるので国は何かしらの政策を考えてもらいたい」と話していました。
福岡市のガソリンスタンド 給油待ちの車が数十メートルの列
イラン情勢を受けて国内のガソリン価格が12日以降、大きく値上がりする見通しとなり、福岡市博多区のガソリンスタンドの近くの道路には11日夜、午後9時ごろ、給油待ちの車が数十メートルの長い列を作っていました。
給油に来た33歳の会社員は「ガソリン価格が上がると聞いたのであわてて来ました。どこかで値上げをストップしてほしいと思います。高くても170円くらいで止まってくれればという気持ちはあります」と話していました。
また、39歳の会社員は「20分ほど待っています。早めに入れようと思って来ました。長い列は、物価が上がる中で他の人も出費を抑えられるところは抑えたいという気持ちの表れなのかなと思います」と話していました。
Posted at 2026/03/12 12:46:25 | |
トラックバック(0) | 日記