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14日、15日と豪雪の新潟に出張した。
終始行動を共にさせて頂いたのは、彼の地の某社社長。
直々にハンドルを握るE90BMW330iでの移動を楽しんだ。
折しも異例の寒波襲来。
一昨日から大雪が振り、しかも道路はかなり氷結している。
東京者の私ではとてもではないが恐ろしくて、
クルマの運転など（特にカレラなんて）できる環境ではない。

しかし新潟の某社長、FRのBMWでスイスイと走る。
田圃と道路の境が分からない。
風で雪が舞い上げられ、そのうえ吹雪いていて前が見えない。
そんな状況でも、BMW330iは割と平気に走っている。
なんというか、不思議な感覚。
やはり自らが体験し得ない領域のことは、
自分のクルマのことでも分からないのだろう。
雪上や氷上走行性能、限界付近でのクルマの挙動、
ハイスピードドライビングもまた然り。

新潟の雪上走行をしてみたいとは思わないけれど、
自分が知り得ていないカレラやメルセデスの世界を見てみたい。
体験してみたい。
身体感覚として自分のものにしたい。
そんなことを思いながら、東京に帰った。

余談だが、新潟は酒も美味く、米も美味く、
魚もあり、なんと豊かなところだろうか。
クルマで行くには少し遠いのが珠に瑕か。

今日もちょっとだけ、カレラに乗った。
そこで感じたのは「カレラって空走しないな」ってこと。
１速、２速、３速、低速でも高速でも、
いつもエンジンの出力がロスなくタイヤに伝えられている感覚がある。
ATのメルセデスや以前乗っていたBMWの330クーペは
「すべっている感じ」があったし、ある。
それが僕が言うところの「空走感」です。

カレラにはそれがない。
いつもエンジンの出力が伝えられている「感じ」がする。
まったく無駄が無い感じ。
だから、ドライバーの動作も100％クルマに影響している感覚。
責任が重い感じ。（笑）
これを「ダイレクト感」と表現するのかもしれない。

カレラを「ダイレクト感100％」「空走感0％」だとすると、
僕の感覚では、メルセデスは「ダイレクト感30％」「空走感50％」かな。
まあ何の根拠もない感覚の表現ですけど。

空走しないクルマ、ポルシェカレラ911。
空想しないなんて、超リアリストのポルシェらしいな。（笑）

最近、あまり乗れていなかったカレラで100キロほど走った。
普段はC200KSWばかり。
これはこれでいいクルマだし、何の問題もないのだけれど、
カレラに乗ると改めてその違いに驚かされる。

改めて書いてみると、カレラの特徴としては、
●機械としての主張が半端じゃない
●ある種饒舌なクルマ
●機械でありながら、生き物のよう
●やっぱり音が違う
●4000回転以上の音がいい
●匂いが違う
●カッチリ感
●やはり気力、体力が必要

メルセデスC200KSWは、
●機械の印象は退行し、家電的
●返事はあるけれど、寡黙なクルマ
（日本車は返事もしない感じ？）
●スーチャーの音はW203よりも随分低減された
●でもやっぱりガチャガチャ感あり
●運転しやすい
●落ち着いて乗れる
●SPORTボタンでかなりアグレッシブに変わる

こうして整理してみて、自分はカレラに敬意を持っていることが分かった。
圧倒的なモノとしての性能と存在感。
スゴいもの創ったな、という思い。
それをただ走るためだけに作ったのが、あくまで人間らしくて好きだ。

人やものを運ぶ道具として考えれば、
メルセデスが理にかなっている。
それでも人間が創ったスゴいものという意味では、
やはりポルシェが抜きん出ている。
道具であることを越えて、
人間の欲望が形になっているから。

スゴいモノを創れるんだなぁ、人間は。
自分の仕事でも、そんなことを胸におきつつ、チャレンジしたい。
と、新年らしく抱負を書いてみた私です。