敵、味方の相反する要素はあるのですが、白バイという職業に対しては、概ね好印象を持っていました。多感な青年期に見た映画「オン・ザ・ロード」の影響が大きいです。渡辺裕之氏主演の悲しい物語でした。エンディングで辛くなるので二度と見たくないと思いつつ、TVでの再放送も見てしまいました。交通違反を取り締まる側の人間描写が秀逸で、彼らも同じ人間なんだという当たり前のことが、とても心地良かったです。
別の経験談として、本物の訓練光景を目撃した際の衝撃もよく覚えています。そこが白バイ隊の訓練施設だとは知らず、偶然見えてしまったのです。体育会の剣道部顔負けの厳しさでした。それ以来、白バイに対して一定のリスペクトを抱くようになりました。
首都高速3号線を走行中に、環状線への合流の手前で緊急停止を命じられたのも思い出深いです。目前を多数の白バイに囲まれたクリントン大統領らの車列が通過していった光景が忘れられません。猛スピードなのに、一分の隙もない金城鉄壁の警護だと思いました。芸術の域に達した見事なチームワークで、国家のために働いている方々という認識が強まりました。
ところが、最近、これまでのポジティブな印象が一変する出来事がありました。交通量がきわめて少ない住宅街で意味不明の停車を続ける白バイがいたのです。
最初は、なにか事件でもあったのかと思っていました。ところが、警察が集結してくる気配はなく、そうではなさそうでした。その高性能なマシンで、30km/h道路での一時停止違反の監視はないだろう、と思いました。「お前の志はその程度なのか」という軽蔑が生まれ、片腹が痛い状態になりました。「不審な白バイ風のライダーがいますので職質して下さい」と110番通報したい心境でした。
心の声が届いたのか、あるいは、私の軽蔑混じりの視線を感知したのか、この白バイは、国道方面へ走り去っていきました。軽微な違反は、他の警察官達に任せて、白バイにしか捕まえられない悪質な交通違反を取り締まって欲しいと願っています。
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2023/10/08 08:02:54