高校時代の昼休みに、トランプや花札をよくやっていました。15分ぐらいで決着し、授業の直前に、さっと片づけられる点が好都合でした。現金を賭けることはありませんでしたが、代わりに、しっぺでの罰ゲームを課していました。しっぺ2回分の負けという具合です。
ゲームの技量だけでなく、いかに有効なしっぺをするかの研究も進められていました。ソフトボールのウィンドミル投法を応用した風車型のしっぺは、動きは派手なのですが、精度に欠き、今一つでした。代わりに勃興したのが、ハイジャンプしっぺでした。非常に派手な音がして、急所に命中すると、相手の腕にミミズ腫れができました。
一方で、音的には地味なのですが、別の技法も流行っていました。急所をめがけて思いきりしっぺし、コンタクトの瞬間に指の動きを止めるのです。ボクシングのボディブローと似ているかもしれません。骨を響かせる遅効性の重たいダメージを与えることができました。
ある日、小柄なチャーリー君(あだ名)の腕がミミズ腫れになっていました。最後の最後で彼が勝ち、リベンジのときがやってきました。
チャーリーが選んだしっぺは、風車の動きとジャンプを混ぜ、さらに打ち込む指を止める手法でした。彼は、「やあああああ」と叫びながら、しっぺをしました。
次の瞬間、声が出せないほどの状態に陥りました。しっぺが狙いよりずれてしまい、折り曲げた小指と薬指が、相手の手首に打ち込まれていました。――標題のとおりです。
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2023/11/05 08:21:20