
高校時代、夏休みまでの数週間の有期で、ブラジルからサントス君(仮名)という留学生を迎えることになりました。田舎でしたから、話題沸騰でした。
体育教官の粋な計らいもあり、体育の時間でサッカーをすることになりました。全員が彼のプレーを注視していました。
サントス君は、周囲から背中を押される形でフォワードのポジションに入りました。痩身長躯の俊敏そうなアスリート体型で、ゴール前に佇立しているだけでも得点が生まれそうな雰囲気がありました。
ところが、彼のサッカーの技術は、文化部に所属するごく普通の生徒と同じレベルでした。それどころか、体力がなく、直ぐにガス欠してしまいました。「サントス君、大丈夫か」と声をかけると、彼は、本当に参っていました。
「ブラジルよりずっと暑いよ。暑過ぎだよ。みんな、よく平気だね」
ブラジル人は全員サッカーが上手いという思い込みに加えて、国土全体が熱帯ではないという事実に初めて気付いたのでした。
Posted at 2023/03/29 08:02:23 | |
トラックバック(0) | 日記