
猛暑日ですね。暑さに弱い私は作業は9時まで、再開は18時からとしています。
昼間は寝るに限ります。
さて先日交換した中華製LEDウィンカーを見て色々思ったので書いてみます。
一部、反感を買うかもしれませんが、まあいいか。
Amazonでお買い物をしていると中華製の製品がものすごい数で出ています。
何故かマレーシアとかベトナムとかタイ製品は少ない、というかほぼ見当たらないです。
*買った限りだと衣類はベトナム製が多いです。
ウィンカーなんかほとんど中国製です。
で、レビューを見るともうボロクソに叩かれています。
実際、不具合は発生することもあるし、一カ月で不点灯になるバルブもありました。
が、三年近くもったバルブもあり一概に品質が悪い、とひとくくりにするのも何だかなー、と思います。
じゃあ、実際どうなのよ、と言ったら「買って使ってみるまでわからない」というのが私の感想です。
何て無責任だ、と怒られそうですが日本製品の不具合の少なさは世界的に見ても過剰なレベルです。異常と言ってもいいです。
そもそも工業製品に不良品は必ず付いて回るもので、それが100個に1個なのか1000個に1個なのか10000個に1個なのか、ハズレを引いてしまう人は一定数いるのです。その方々が「〇〇製はダメだ」とか「ミ〇ビシは1年もたない」とか言っても「それは御愁傷様でした」としか言いようがありません。
勿論人命に関わるものは真剣に考えなければいけません。走行中にハブがもげるなんてことは許されません。ブレーキパッドが土台から剥離したとか洒落になりません。
ウィンカーバルブも切れればもしかしたら交通事故につながるかもしれませんが、そこまで気にしだすと室内等を爆光LEDに変えたら目がくらんで追突した、なんて例出てきてしまいますがそれは希少事例でしょう。
そもそもウィンカーバルブは消耗品であり、いつ寿命を迎えたって不思議ではないです。それが交通事故を多数誘発したとしたらお国やメーカーは真剣に向き合うでしょう。
さて、中華製品のレビューで出てくる「精度」というキーワード。
ソケットに対して緩すぎる、きつすぎる、製品の寸法がコンマ1mm違う、等々。
ん-、気にしすぎです(笑) 輸入品は文字通り輸入品です。つまりいろんな国に中国から輸出されていくのです。
色んな国の色んな車に取り付けられます。 当然受ける側のソケットだってJISだろうがISOだろうが公差は存在してキツイ、緩いは発生します。
バルブ側だけの問題ではなく受けるソケット側を無視して精度だなんだとはおかしな話です。
かつて某オーディオ機器メーカーにセ〇シオに使われれる純正オーディオの部品を作る小さな工場で品質管理に携わっていましたが本当に徹底されていました。
10000個の部品をメーカーに届けて一点不良が検出されると9999個が返送されてきます。全て検査し直しです(全検が来ると徹夜でした)
メーカーのラインに影響が出るときは東京から400km走ってメーカーの会議室で延々検査です。
もちろん全て会社の損失です。
国産品質をキープしつつ価格を限界まで落とそうとすると必ずどこかにしわ寄せが出てきます。
自動車関係の部品に携わる小さな工場は疲弊しきって、仕事は海外に持っていかれ、親会社が拠点を海外に移すと言われれば現地駐在の品質管理室を設置することを要求されます。 体力(資金や人材)がない小規模な会社は常に倒産の危機に瀕していて何とかその日一日をもたせるのでいっぱいいっぱいです。
時代の流れと言いましょうか・・・世界基準で日本のモノ作りは価格面で劣勢です。100点で100ドルの製品よりも80点で50ドルの製品の方が受け入れられます。 過剰品質が売りの日本製品はすっかり逆境です。
国内向け、輸出向け、という作り分けはすっかり少数派になりました。
そりゃ共通ラインで同じもの作ればその分コストは抑えられますし。
結果的に国内メーカーの品質はここ10年でガクッと落ちました。使われる素材のグレードも限界まで下げられ耐用年数が大幅に落ちました。
エアコンとか分解してみるとあまりの差にびっくりします。
で、結局何が言いたいのかと言えば「安くて良いもの」を求めることは巡り巡って色んな人の首を絞めて最終的に消費者も割を食う、のです。
品質は高く、値段は安く、というのは消費者のエゴです(これはハッキリ言います)
劇場で5000円のA席を買いながら「この劇場は設計が悪い」とか言うのと同じです。
良いものは高いのです(当たり前ですね)
悪いものでも高く売ろうとする業者と良いものを安くと要求する消費者は矛盾を押し通すという意味では同類です。
2000円、3000円のLEDバルブの価値とはなんでしょう??
厳重な品質管理をされた国産の10000円のバルブがあるのに圧倒的に売れるのは中華製の安いバルブです。いったい原価はいくらなんだろう・・・。
安く買っておきながらすぐに壊れただの精度が悪いだのアフターケアが悪いだの言うのは何とも滑稽なお話です。全ては価格とペイされた結果です。
アタリを引けばラッキー、ハズレを引いたら仕方ないよね、くらいの感覚でいないと返品のし過ぎでAmazonのアカウントが凍結されます(笑)
品質は「可能な限り」高く、価格は「出来るだけ」安く、の何が悪い、とお𠮟りを受けそうです。
サラリーマンをされている方ならわかると思いますがご自身のパフォーマンスとお給料は適正でしょうか? 多くの人が仕事の割に給料が安い、とお嘆きではないでしょうか? あと一人を雇えばどれだけ負担が減ることか、と新橋あたりでぼやいていませんか?
それもそのはずです。
経営者の人件費に関する姿勢はいかにコスパを追求できるか、もっと言えば「どうやれば生かさず殺さずで使えるか」です。
同じパフォーマンスで月給200000円で雇えると人と月給300000円で雇える人がいれば多くの経営者は目立った問題がない限り前者を選ぶでしょう。
コスパが~とか言っている人は実は自分もコスパが良いことかどうかという土俵に立たされていることにあまり気づいていません。別に気づかなくてもいいです。
しかし高い能力と安い給料という無理難題は高い品質と安い価格を求めることと同次元です。
作り甲斐、働き甲斐があればいいのでしょうけど・・・。
目に見えない無理難題に晒されていればこの国の労働者の自殺はいつまでたっても減らないでしょう。
資本主義経済、自己責任、という言葉の危うさを感じるのは私だけでしょうか??
余談ですが小さな高級車、プレミアムコンパクトカーが売れているみたいですね。
上手いところを突いてきたものだと感心しました。
そういえばエスロクもプレミアムな軽自動車です(ケータハム660を除けば一番高いのかな?)
ちょっと高くない?と思うものでも消費者に受け入れられれば売れるんですねー。
良いものとは時間を掛けて長い目で見ないとわからないものです。
思い返してみるとあの車は名車だったよねー(売れなかったけど)という車、結構ありますね。
プログレ、アベンシス、P10プリメーラ、111レビトレ、最終期のプレリュード、ランティスあたりは私の中では名車でした。
好きなものにお金を掛けられる、というのはそのことそのものが贅沢なことなのかもしれません。
と、298円のノリ弁当(ものすごくマズイ)を食べながら偉そうに語ってみました。