
昨日は一生忘れることのできないレースだった。数日前から風邪をひき、起床時より激しい吐き気と下痢が出現。更には37度の微熱もあるという最悪のコンディションで、今回ばかりは走れないかと真剣に思った。アップをしている最中も吐き気は止まらず、右下腹部も痛くなる始末。せっかく来たのだからやれるだけやろうと思い、スタートラインに立った。10時ちょうどにスタートを知らせる花火が打ち上げられ、その空を見上げた瞬間に吐き気はウソのように消え、体がマラソンモードへとスイッチされた。前回の初挑戦では5時間オーバーだったので、今回は頑張って5時間を切ろうと目標を立てた。それに当たり始めの30kmはキロ6分で行き、それ以後はペースダウンするので無理をせずにキロ7分で行こうと作戦を立てた。それが見事にハマり、タイムは驚きの4時間22分。前回から1時間4分も縮められた。まさに驚くべき素晴らしい記録であった。が、しかし好成績の裏にはこんなことがあった。本当に辛かったし、本当に苦しかった。何回も止まりたかった、何回も歩きたかった。だが、決して最後まで止まらなかったし、歩かなかった。33km地点からは足や腰が痛くなり始め、もはや自分の体の一部ではなくなっていた。『なんでこんな苦しい思いをしなくてはならないのか』それを考えたら辛くて泣けてきた。NAHAマラソンの時には沿道の応援に感極まって涙したが、今回は苦しくて泣いた。それでも何とか頑張れたのは沿道の熱い応援と仲間や家族のおかげであった。マラソンではよく『30kmの壁』と言われるが、今回の壁はかなり高かった。それゆえ乗り越えられた時の喜びは何物にもかえがたいものがあった。残り1kmになると不思議と体が軽くなり、仲間が待つゴールを風のように駆け抜けた。コースに感謝を込め深々と一礼した直後、足の筋肉という筋肉が痙攣し、しばしグラウンドに倒れ込んでいた。今回の『ゴールの先』には、達成感よりも苦しさや辛さが先立っていた。縮めた1時間4分が、私を一回り成長させてくれたような気がする。こうして私の二回目のフルマラソンが幕を閉じた。
最後まで決して立ち止まらなかった。
最後まで決して歩かなかった。
Posted at 2008/04/21 17:40:00 | |
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マラソン | 日記