無限が出しているハイパフォーマンスエアクリーナー&BOXは、S2000オーナーの方の中でかなりの装着率ではないかと思います。
自分も装着し、純正エアクリと比較して飛躍的に性能が上がった覚えがあります。
しかし、、、
先日のブログで紹介しました鈴鹿S耐観戦の帰り道、
ただ新東名をだらだら帰ってもつまらないしもったいないので、
いろいろ測定しながら帰ってきました。
測定方法は、パーツのところで紹介していますがBluetooth対応のOBD通信機を使いました。
スマホのTestDriveというアプリでロギングします。
以前無限エアクリBOXにダクトを追加し、さらにラム圧がかかるようにダクト開口部を加工などをしていたので、
その効果が気になっていたので、
ログデータから回転数・速度に対する吸気圧力をまずみました。
期待していたのは回転数・速度が上がるにつれ、吸気圧力が右肩上がり、また0気圧付近で平行線になるカーブでした。
が、出てきたデータに愕然としたのです。。。
そのデータがこれ↓
点線が回転数[rpm]、実線が吸気圧力[kPa]です。
(カクカクしているのはサンプリングの間隔が荒いためです。)
7000rpmくらいまでは吸気圧力が予想通り右肩上がりになり、92kPa付近で飽和しています。
が、問題なのはその先です。
7000rpm以上で吸気圧力が再び負圧に向かっているではないですか!!
つまり、吸気抵抗が増えてしまっているということ!
上記したように無限エアクリBOXにはダクトを追加するなどしてあるので、吸気口の面積が足りてないというのは考えにくいです。
ということは考えられるとすれば無限エアクリのフィルター。
っということでフィルターを外してみると、歪んだ跡が。。。
装着している皆さんもこの歪んだ跡、見たことあるのでは?
無限エアクリのフィルターはK&N製だと思いましたが、
このフィルター、見ての通り縦方向が長いのです。
っということは、横方向の力(風圧)に対して非常に弱いというとです。
試しにちょっと押してみると、
こんな感じに簡単にすぼんでしまいます。
私のS2000(AP1)のエンジンは最高9000rpmまで回ります。
9000rpm時にはどれ程の空気がエアクリを流れていると思いますでしょうか?
計算すると、なんと1秒間に150リットルの空気です。
それを考えると、上の写真のように簡単にすぼんでしまうでしょう。
そうなると、
上の写真を見ればわかるようにフィルターの上半分近くがほとんど通気していないでしょう。
吸気圧力が7000rpmから下落してしまったのは、これが原因とみていいでしょう。
そこで、代わるフィルターを探しました。
見つかったのはKinokuniのランマックスエアフィルターです。
メーカーテストでも、以下のようにK&N製よりも上、エアクリ無し状態に限りなく近いと強気なアピールをしています(^^;
大きさ的にも今の無限BOXに入りそうだし、性能もいいし、洗浄して何回でも使えるし、デュアルファンネルで高効率だし、見ての通り強度も十分そうという事で早速発注しました。
発注したのはR6680Rです。
当然無限BOXには対応した形状ではないので、アタッチメントを作りました。
無限エアクリフィルターと同じ直径になるようにアルミ板を切り、真ん中に穴をあけてエアクリを固定。
このエアクリは分解洗浄できるように、ファンネル部分がネジ止めされています。
そのネジで共締めします。
アルミ板の内側には、無限フィルターの耳部分のゴムを切り取って貼り付けます。
(上記無限フィルターの写真で耳がついてないのはこの理由で取ってしまったからです(笑))
無限BOXに無限フィルターがバンドで密着するのと同じように、装着できるので。
また、このフィルターの通気口は80φです。S2000のサクションパイプのエアクリ側は90φなので、
5mm厚のシリコンホースを付けて装着しています。
無限BOXとのクリアランスも十分です。
装着は完璧でした!全く問題なし!(^^)v
ちらりと見えるランマックスの赤い色が普通じゃない感が出てなかなか良いです。
ここまで手間かけて、お金もかけて、結果変わらなかったらどうしよう。。。っとデータを取るまで不安でしたが、
このデータを見てください。
赤線がKinokuniランマックス、青線が無限です。
どうですか!
Kinokuniの吸気圧(赤色実線)が8500rmpまで垂れ下がっていません!
無限(青線)と比べても一目瞭然で、青線を赤線が上回っています。
そして、注目すべきは回転数カーブの傾き。
青線より赤線が上回っており、するどい加速をしているという事がわかります。
且つ青線が7500rpm付近から垂れ下がり始めているのに対し、
赤線は一直線に綺麗に伸びているのがわかると思います。
6000rpm付近で赤線が青線を下回っているのは、踏み始めが若干遅くなってしまったためですので意味はないです。
同様の測定を3回ほど行いましたが、どれも同じ結果でKinokuni ランマックスが上回っていました。
(ちなみにKinokuniを測定した日は低気圧のせいで非常に気圧が低い日でした。無限と同じ日に測定していたら、この赤線はさらに2,3kPaは上に行き、さらに青線との差が大きくなるでしょう)
っという事で、大成功!(^^)v
あれこれ無限に対し意見を述べてきましたが、無限BOXは非常に良くできていると思いますし、
今後も私は使っていこうと思っています。
まだ装着していないS2000オーナーの方は是非装着したほうがいいと思っています。
ただ、
フィルターに関しては別です。
フィルターに関しては私の検討のように、パフォーマンスが足りてないと感じています。
無限エアクリBOXを装着している皆さんも、
一度フィルター部分を考察してみてはいかがでしょうか。