ワットリンク

その昔、スターレット（EP）に乗っていた頃の事。

EPのリヤサスペンションは「トレーリングツイストビーム」という形式で、対地キャンバー変化が少なく、左右を繋いでいるアクスルビームを1本のラテラルロッドで支えています。ところが・・・車高を落としてタイヤ／ホイールをツライチまで追い込むと、ストロークした際にラテラルロッドがボディ側を支点に弧を描く様に動き、結果的にアクスルビームが左右にずれて・・・左右いずれかがストロークした際はまだいいんですが、同時にストロークすると「嫌な音」と共にタイヤのサイドウォールに「嫌な傷」が！こればかりはサスペンション形式に依るものなので、ツライチを諦めない限り爪を折っても対処出来ないのです。ちなみに最近の小型FF車は簡素な形式（トーションビーム式等）を採用していますね。

で・・・同じ様にラテラルロッドを使用している「ハチロク」のレース車両で、改造によって「ワットリンク（Watts Link）」というサスペンション形式を採用している例があります。簡単に言えばラテラルロッドを2分割し、Z型に配置してその中心をサスペンションに固定することで左右にずれなくなります。そうそう、初代RX-7（SA22）にも採用されていました！

コントロール性と共にトラクションも重要なFR車だからこそで、フェンダークリアランスの為だけにFF車に金掛けてそんなことしても無駄だよなぁ・・・などと当時は思っていたんですが、なんと昨年発表された「オペル・アストラ（日本未発売・・・というかオペル撤退済み！）」に採用されていました。ヨーロッパではアクセラとガチでライバルな車ですが、ダブルウィッシュボーンやマルチリンクではなく、あえてワットリンクにして来た所が興味深いです。（動画の0:30ぐらいから）



つか、アクセラによう似てるわ(｀З´)