まずは、ウチのボル坊の紹介。
2014年式 VOLVO V60 T4のラグジュアリーエディションというモデル。
どこからどこまで書き出したらいいか迷ってしまうが、とりあえず、長文覚悟でわかっている事を全て紹介していこうと思う。
VOLVOに初めて接する方もいらっしゃるかと思われるので、モデル名の詳細から語らせてもらう。
現在も続くモデル名のルールとしてアルファベット+数字でモデルを表している、アルファベットで車の形状を表し、数字二桁で車格を表している(ちなみに昔は車の形で数字も違い、現在のルールとは少し違った)
つまり、V=ステーションワゴンを表し、60で車格を表している。
現状、60というのはVOLVOのミドルクラスに当たり、いわゆるDセグメントと言われるクラスである。
次に、『ラグジュアリーエディション』という特別仕様について説明。
この仕様が発売された当時、ちょうど「メルセデス・ベンツCクラス」「BMW 3シリーズ」といったDセグメントの有名モデル達がモデルチェンジする直前だった様だ、単純に先手を打つ、という事もあったかもしれないが、
内情としては、2010年に中国の浙江吉利控股集団有限公司(読めないと思いますがジーリー ホールディングスという意味合いらしいです。以降ジーリー)が筆頭株主となりアメリカのフォードから経営が変わった頃、経営が変わってからも、しばらくはフォードの製品を使っての車造りを続けていたVOLVOが、
この仕様のモデルが発売される頃には、自社製エンジンの開発も終わり、もう生産も始めていた頃で、順次自社製エンジンに置き換えたい頃で、フォード製エンジンの在庫一掃をする為なのか、
そのエンジン搭載であった『T4 SE』グレードに「レザー・パッケージ」と「セーフティ・パッケージ」「パーソナル・カー・コミュニケーター(PCC)」「キーレスドライブ」等、価格に換算すれば約50万円相当になるという装備をつけて、ベースの『T4 SE』よりも20万円以上安く販売されていたらしい。
そんな内外の事情があり、出血大サービスな仕様だったようだ。
ちなみに、実際は、ラグジュアリーエディションが出る前から、ほぼ同様のオプションサービスをディーラーで既に行っていたらしい。
このモデルは、乱暴に言ってしまえば、この主要機関はフォード製のOEMにVOLVOのボディを載せてある様なものである。
フォードは当時のグループである、マツダ、ボルボから30人くらいづつ人を出させて、作り上げたシャシーらしいのですが、マツダがフォードEUCDプラットフォームに関わった文章は見当たらなかったです。
ワンサイズ小さいシャシー(アクセラ相当)は、当時、ほぼマツダが作って、フォードグループで生産されて使われたのを読んだ記憶があります。が、本当にそうだったんですかね?
とりあえず、EUCDプラットフォームシャシーはボルボとの共同開発とは聞いているのですが、T4はエンジンもecoboostなのでフォード味つよめであることは否めない。
『T4』というのは、先に少し触れてしまっているが、主にエンジンの事を表しており、この時の『T4』は、直列4気筒直噴ターボエンジン。
このグレード名にも命名ルールがあって、当初は数字が気筒数を表していたが、現在では排気量か出力の大きいモデル程、数字が大きくなるというルールになっている様だ。最初のアルファベットは、このモデルの少し前の命名ルールを見ると『T』はおそらく過給機、つまりターボのTを指すのだと思われる(ちなみに過去にも出力を表した場合もあったようです)。
現在では、『B』もあるが、マイルドハイブリットモデルに使われている(おそらくベルトドライブスタータージェネレーターEVのベルトドライブのBかと思われる)。
話は、V60に戻して、このモデルに搭載されるエンジンは1.6リッター直列4気筒直噴ターボ。これに6段DCTを組み合わせたモノ
先に書いた通り、エンジンはフォード製でフォードでエコブーストと呼ばれていたモノ、
DCTもゲトラグ フォード製、つまりフォードのグループ会社製のものでパワーシフトという名前がついていたが、MPS6というDCT で、当たり外れの激しいと噂のDCT(今のところ快調)。
当時としても、排気量は前出のドイツ車より小さい。この頃のダウンサイジングターボが流行りはじめ、排気量は一昔前の外車とは一線を画する程小さい。
エコという言葉は世界的にはすごく強い言葉なのかもしれない。
さて、このエンジンの性能は当時の記事を読んでもほとんど必要十分という内容、それは個人的にも全く同意見。
車重1560kgに対して180ps(5700rpm)/24.5kgm(1600rpm)
1600rpmで最高トルクに達するのだから極低回転でも不足はないと感じる。
やや唐突にターボが効く旨の記事もあったと思うが、ほとんど2000回転維持を意識してシフトチェンジしているので気付いていないだけなのか、
いや、にしても、1500rpmは心細い音を出すし、上の回転域はあまり伸びないエンジンだし、その唐突なトルクの立ち上がりはどこ?と、まだ実感はしていない。5000rpmとか更に上なのかな?
ちなみに燃費は悪かった、当初、燃費計で8km/ℓを見たことがなかった。
実際に、満タン法で確かめた訳ではないので参考程度に見ておいて欲しいが、燃費計がストレスになってしまうので、燃費計をしばらく消していた。
現状、10~12km/l、ほぼ高速だけの時に、最高で14.1km/lを出したこともある。
今は普通と言える。
個人的には、高速を走る時は、緩い登り坂が判断つかなくなる時があって、トリップメーターのT2の瞬間燃費を見ながら、11km/lを下回るところは上りのキツイとこと判断してシフトダウンして走っています。
話を戻します、DCT は初体験でしたが、本来、シフトチェンジの動作が速く、マニュアル由来の高効率なのが特徴なはずなのが、あえてATの動作に近づけているのか、車の性格に合わせているのか、穏やかにクラッチをつなぐ設定にしてある様だった。つまりDCT の効率の良さを残して、AT的には自然なのである。
ただ、悪い噂の多いトランスミッションなので、気を遣っている。(もう一度言うが、快調である。今のところ。。。)
音も滅多に回さないのでエンジン音が気になる事も少ない。
むしろ回させないエンジンである。。。
遮音はかなりされている方だと感じる。
風切音などもそれほど気になった事はないが、風でボディが揺すられることがある。
それでもcd値は0.29らしい。
オーディオは、おそらく標準装備のモノがついているが、標準仕様でもセッティング次第で、そこそこ良くなる、というか、全てゼロ設定の場合は正直音が悪いと感じると思う。
乗り心地としては、基本的にはかなり快適な部類であると思う。前オーナーさんがダウンサスを履かせており、約2cmのローダウンをされていると聞いている。
それもあってか細かい振動は拾ってしまうが、収まりも実に早い、接地感もある方。
下手に柔らかいより、少し引き締めて乗り心地を改善させるのが、最近のセッティング傾向で多くの車種もそうなってきている様に思う。
けれども、ダンパーはノーマルだったので、サスペンションも戻そうと画策中。
ステアリングの重さは三段階から選べる様になっており、ミディアム設定で乗っているが、どちらかといえば、少しスポーティーな部類なのだと思う。切れ込みがシャープと言われればそういうこともなく、適度だと思う。
重い方が、通好みになる様だが、VOLVOは軽くてもいいと思う。
直前に、同世代のBMW320dツーリングにも乗ったが、V60の方が、総合的に乗り心地が良いと感じている。確かにステアリングはBMWの方が少し重く、サスももう少し硬かったと思うが、硬い中では、やはりかなりうまくまとまっていたと思う。普通に乗る分にはFRというのも、よく分からなかった。
どこを気にすればFF,FR,を感じれたのだろうか。。。
AWDは、昔のはわかったんですが、今のはきっとわからないんだろうなぁ。。。
ただ、ディーゼルの燃費の良さは驚異的だった。
320dの返却時、満タン法で計算した所、27~28km/lだったと記憶している。
正直、ハイブリットいらないじゃんと思った。
320d比べれば、V60は、シートの作り含め、実にうまい塩梅でコンフォートとスポーティーをコンフォート寄りで実現しているのだと思う。
同じクラスでコンフォートよりだとステーションワゴンだと他あったのだろうか?
そう言えば、508SWの試乗も考えていましたが、V60で即決してしまった為、外からこれどう?と聞くのみでした。
ルックスについても語っておこうと思う。ボディーカラーは『エンバーブラックメタリック 』と呼ばれるカラーで、黒ベースに、光が当たるとおそらく赤系のパールが反応してブラウンに見える、実に上品な黒だと感じる。
また、前後にブロンズカラーのデュフューザーという純正オプションを装備しており、特にリアのマフラーが埋め込み一体型の様に見えるのはスマートで好感を抱いている。
内装は、「ソフトベージュ」が組み合わされていて、当時、外装色に合わせて内装色が組まれていた。
シートはソフトベージュの本革でパワーシート。
しっかりサポートしてくれるのはもちろん、上質なソフトベージュレザーを用いた、このシートは実に素晴らしい。
各所で褒めちぎられている噂通りだ。
後部座席は若干の圧迫感があるものの必要十分な広さも乗り心地も確保されている。
操作性は、最初、ボタンが多く感じて構えていたが、覚えてしまえば、物足りないくらいの内容だった。
それは、テンキーがある事と、
センターコンソール で操作できる事をステアリング上でもできる様にしている為、ボタンが多く感じられてしまったのかもしれない。
パドルシフトは、薄いステンレスで耐久性に不安を覚えたが、おそらく大丈夫と手触りと操作感触でそう強く操作する事もない事から、問題ないと感じた。
そして、北欧デザインだとか、スカンジナビアデザインだとして、引き合いにだされるフローティングデザインのセンターコンソール 。
フローティングデザインは乗り込んでしまえば、あまり感じる事はないのでなんとも言えないが、ウッドパネルが高級感の演出をしている。(ちなみにこのウッドパネル、本木らしいがあまりそうは見えない。おそらく樹脂内に本目を埋め込んでるパネル。。だと信じたいw)
今回、初めて知る事になったが、木目、白革といった装備は、国産、外車含め、日本で普通に買えるモデルのDセグメントという括りで、そういった高級感を演出しているモデルが意外と少ないのだ。
ステーションワゴン自体少ないということもあるかもしれないがw
購入の一番の決め手は実はこの内装だ。
現行のV60はクラスもサイズも内外装もワンランクも2ランクも上の造りになってしまったから、その高級感も当然の様に感じるが、この初代V60では、当時の、Dセグメントを考えれば稀有な存在だったのだなと感じる。
ちなみに、用事があってボルボディーラーで現行V60を見てきましたが、ダッシュボードが高く感じ、運転しづらそうな気がした。
運転姿勢を変えれれば、何とか対応できそうな気もするが、そこだけはウチのボル坊の方がいいと思って帰ってきたw
そして、エステートの老舗VOLVOの力量を感じる、荷室。
V60は、当時、V70という売れ筋モデルがあり、リアの造りが荷室を稼ぐ様にほぼ直角に立ったデザインだったが、たしかC30を皮切りに、流麗なデザインへと変化を遂げたのと記憶している。(C30のリアハッチはとても記憶に残るデザインをしていたので、検索して見て欲しい。)
現在では当たり前の様にシューティングブレークライクなデザインが多いVOLVOだが、昔のデザインなんかも知っていると、VOLVOの伝統的にも、当時としてはかなりの英断だったのではないかと思う。
当時は、V70でも丸いと仰っられる方もいらっしゃいました。
実質、従来のボルボワゴンと比べれば、絶対的な容量は落ちている。(V60はそれでも荷室容量430ℓ、後部座席フラットにして1241ℓ)
だが、そこはエステートの老舗、しっかり、荷室にシガープラグを用意していたり、巻き取り式トノカバーや後席の折り畳みスイッチ、フロアボード裏のフックなど、豊富なノウハウに裏打ちされた作りの良さが受け継がれていることを実感する。
そして「セーフティ・パッケージ」だ。
現在でこそ、日本で言えば、スバルがアイサイトを進化させて、様々なセーフティ機能も付く様になったが、この2014年モデルに自動追従、緊急停止、各種アラート機能などついており、しかも、かなりの完成度のモノが搭載されていたのは、さすが安全を第一に掲げる企業はレベルが違うと感じた。実際、今でも役に立つ装備だが、レーンキープアシストは場所によっては邪魔になる為、切っている。
あまり感じたことがなかったが、安心安全が、運転手にリラックスを生む、それは快適性に変わり、本当の意味でリラックスして運転ができるのだと感心した。
それは、決して車会社としては大きな企業ではないVOLVOが何より安全を掲げ、作り上げたブランドなのだと。
今それを体験しながら、ドヤ顔したVOLVOを思ったり思わなかったりw
私たちがボル坊に乗って、まもなく一年。
これからも、元気に走ってくれるよう、手をかけつつ、頑張ってもらおうと思ってます。