50csは粘性をあらわしており、数字が大きければ硬く、小さければ柔らかくなります。
手軽な撥水ボディコートの方法に、シリコーンスプレーでコーティングする方法がありますが、これは言わばそのスプレーの原液。スプレーのシリコーン含有率は多くて5%程度なのだそうで、一体どんな感じになるんでしょうか?

ヤフーショッピングで送料込み1980円。レターパックで翌日届きました。

中身は透明・無臭の液体。粘性はサラダ油より柔らかく、えごま油のようなサラッとした感じ。普通の霧吹きに入れると霧にこそなりませんが、ハンドソープのように少量ずつ噴射出来て便利です。
まずはどんなものか、色あせた石油ランプの塗装で試し塗り。

おお、いい感じ!よく伸びるし塗りやすい。シリコーンは高温にも強く、焼き付け皮膜を形成させたりもできるらしいので高温になるランプトップに塗っても大丈夫でしょう。
続いて築25年の玄関扉でテスト。陽の当たる場所を中心に、塩ビ被覆が劣化して白く汚れています。

今までなんども家具用クリーナーやワックス、ツヤ出し等を試しましたがどれもうまくいかず。オイルワックスなどは塗ったその場は濡れ色になるのですが、数日でムラになり汚れを呼んでドロドロに。それを落とす為にまたクリーナーを使って色があせる悪循環。
もはやリフォーム(すごく高い!)か、専門業者に依頼して分解再塗装(これも結構高い!)か、と悩んでいたのですが……
ともかく、まずは普通に雑巾で水拭きしてホコリ等を取り除き、ショップタオル(業務用のクッキングペーパーみたいなやつ)に霧吹きでシリコーンを付けて、塗りこみます。シリコーン塗布にはこのショップタオルが相性が良いそうです。
ショップタオルはうちの近所ではホームセンターのカインズとコメリが1番安く売っていました。

カインズにて。税込298円。
塗りこみ作業はシリコーン自体が柔らかく、浸透力があるので塗り込むのはカンタン。むしろ原液で塗ると濃すぎになってタレが出やすく、かえって拭きあげるのが大変でした。しかしその甲斐あって……

ヌルヌルテカテカ!
まだ下の方の劣化のひどいところは白く残っていますが、何度か塗り込んでいくうちに目立たなくなるとのこと。これは期待大!

2日後。すぐ乾いてムラにならないか心配していたら、更に染み込んだのか、ギラギラ感が落ち着きしっとりしたツヤが増していました。ガラスにも塗ってますが綺麗に仕上がりました。
よし、これならイケそうだ!と、やっとクルマに着手。まずはタイヤ。タイヤは細かい凹凸が多いので、ハケで塗りこみます。使ったハケはホームセンターで一番安い79円の水性塗料用刷毛です。

まずナディア。
フォレスター。

すげーテッカテカ!長持ちするならシュアラスターいらんかも!?
……しかし誤算が。原液をハケ塗りしたのですが、浸透とセルフレベリング性(どんどん広がっていく)が強く、軽く塗ったつもりがどんどん広がっていく……

ハケでは指先のあたりまでしか塗ってないのですが、数時間後に見たらトレッド面まで延びており、地面側のショルダーラインにはシリコーン溜まりが。
どうも原液直塗りは多すぎになるようです。他のみんカラさんはどうしてるのか拝見させて頂いたら、水で薄めて塗ると良いらしい。シリコーンは撥水剤なので実際には水とは全く混じらないのですが、水と一緒に塗ることで、少量を大きく塗り広げられるみたい。

シリコーン1:水4くらいの比率でプラカップに入れ、ハケでかき混ぜながら塗り広げたらいい感じでした。これより濃いとダレが出てベタつき、薄いとハケの方が先にシリコーンを吸ってしまって水だけ残ってしまう感じでした。もっともこれはハケの質によってだいぶ差が出る気がしますが。

塗った直後は弾いた水が浮いてベチャベチャした感じがあるのですが、その水が乾けば均一にテカテカ。
この調子でボディにも。
新車時に施行したペイントシーラントなど全く残っておらず、もはやナチュラル親水状態なムーヴさん。

いつも通りに水洗い。濡れたボディを一面毎にショップタオルで軽く拭いてまだ水気が残っている状態に、その時に拭いて濡れたショップタオルを軽く絞ってシリコーンを2、3回吹いて塗り広げる。これの繰り返し。

塗った直後は水と混じって油ムラみたいになりますが、水気が乾いて乾拭きしたらツヤツヤ。
さらに、劣化したルーフモールなどは特によく浸透して、黒い光沢が戻ります。もはやゴムモール類にブルーマジックは使わなくて済みそう!

未塗装樹脂部分も同じく。

劣化した未塗装樹脂は吸込みが良いので、ティッシュ等で原液を塗りこんだ方が良いみたい。塗り込むと言うよりサッと撫でるだけで良く染みました。
作業が終わったら夜になってしまいましたが、電灯の光がかえってテカテカ感が映えさせ、いい感じ。
翌日。シリコーンは塗ったあとしばらく浸透と拡散が続き、艶が増すそうですがほんとにそんな感じ。特にタップリ塗ったフロントカウルは新車みたいになってます。

撮影時刻と天気が違うので写真では比較しにくいですが、油っぽいギラ付き感が収まり、ツヤが濃くなった感じ。所々に塗りムラが残っていましたが、乾いたウエスで拭いたらすぐにキレイになりました。
細かいキズなどもコンパウンドワックスで磨いたかように見えなくなっており、これは確かに話題になるだけありますね(今さらかよw)。
玄関扉、タイヤ、ボディ他、ここまでやって使った量はせいぜい50cc。ほんとに良く延びます。1キロ缶でかなり長持ちしそう。
気になる耐久性はこれからですが、とりあえず一雨&ひと雪降ったのですが、当然ながらその程度では全く平気。

正直、水弾きは思ってたほどではない感じ。初めて塗ったから、まだ表面に固着した付着物が取れてないからかな?
何度かシリコーンコートを繰り返していると、やがて鉄粉やウォータースポット等にも浸透して取れていくらしいので、楽しみに継続&経過観察しようと思います。
ナディアやフォレスターへの適用は、ムーヴでの結果次第ですが、変化を見ながら花粉の時期になる前に出来たらイイな。