今年になって
平日は禁酒してたので
万葉倶楽部では
久しぶりに姉夫婦と
豊子夫婦と呑んで
酔っぱらいダウンしたが
京子さんが来た昨夜は
シラフで寝床に入った
翌朝、
目が覚めたけど
直ぐには起きずに
オバちゃんの部屋にある
豊子の本棚を眺める
空手バカ一代
四角いジャングル
プロレス スーパースター列伝
あしたのジョー
はじめの一歩
バリバリ伝説
頭文字D
稲中卓球部
湘南爆走族
が、奇麗に並べてある
もっとあっても
いいようだが
豚猫モータースに行けば
古本屋以上に
漫画や雑誌が
壁のようになってるので
必要最低限
なんだろと豚子は思った
店には
ファッション雑誌が
ブン投げてあるが
本棚には
流行りのエッセイ
芸能人の写真集
話題の小説など
一冊もない
漫画はキムコのだとして
コレが女の本棚か?
豚子は感じた
豊子の本といえば
車とバイクの
構造的な本や
マニュアルが多く
普通の人が読む
書店で売ってるような
バイクや車雑誌は
殆どない
メーカーとレースの
歴史的な本
国内のバイクと
自動車のメーカーは全てある
その他には
ヨシムラ
BMW
ポルシェ
DVDとビデオは
ケビン シュワンツ
GP 500
新日本プロレス
CDは
松任谷由実・BOOWYが豊子
矢沢永吉は
キムコのであろう
この焼肉屋の
オバちゃんの部屋で
寝泊まりしだしてから
朝起きると
何故か昔のように
メロディーが流れてくる
辿りついたら〜いつも雨降り
バカンスはいつもレ〜イン
「私雨は嫌い〜♪ 一人でいるのが」
ん、
これは誰の歌だっけな?
豚子は鼻歌を歌いながら
起き上がり
眺めていた
本棚から
なんとなく
ポルシェを手に
パラパラめくった
何故か、街中でも
この車を見ると
目で追ってしまう
パラパラとめくり
直ぐに本棚に戻して
「よっしゃー!今日も頑張るか」
豚子は背伸びして
洗面所に向かった
豊子に入れて貰った
コーヒーを片手にタバコを吸い
PlayStationの電源を入れ
シュミレーターに座る
レインモードにして
練習場をセレクト
窓の外は
青空が覗いていたが
ゲーミングPCの画面は
雨が降り注いでいる
タイヤが空転して
グリップを失う
出来ない時は
出来る右と同じように
シュルッとシュルハン
昨日 豚音に言われ
書かされた
メモを読み返す
ブォーン!ブォーン!
「よっしゃー」
豚子は豊子仕様のS2000を
コースインさせた
ゆっくり入って
20キロまで加速
サイドは禁止なので
フェイントを入れ荷重移動させ
左手で一気に一回転させ
足りない分を
右手で押しフルロック
ブォーー
俺の埠頭仕様のツアラーVより
簡単に速く回るS2000
「おおっー」
ハンドルを持つ手を緩め
シュルッとセルフステアで立て直す
俺の埠頭仕様より
S2000の方が挙動が速いが
豚音が来てから
S2000で走ってたので
アクセルターン自体は
かなり慣れ上手くなった
自画自賛しながら
シュルハンの練習をする
得意な左コーナーで左回転を
何回かやってみる
シュルッとやるタイミング?
アクセル?
シュルッとが遅いのか?
アクセル ON?
ん????
アクセル 抜いとったっけ?
再びチャレンジ
今度は流れたというか
車体が180度
真横を向いた瞬間に
アクセルの右足と
シュルッと手を緩め
慣性で車体が綺麗に
逆を向き始めた瞬間に
ハンドルを押さえアクセルオン!
ブォーブォー
「出来た!」
「やっぱし、シュルッとアクセルのタイミングやな」
今度は逆に
早目にシュルッと手を緩める
すると、フロントが逆を向き
一気に車体が振られて
イン側にコースアウトで
エンスト 。。。。
「危っねー!」
早いとフロントが
逆に持ってかれるやん
まてよ。。。
コレが峠や首都高やったら
コンクリの壁か谷底やん
得意な方の左で
何回かやっていると
左手で一本で
6時半の位置から引くように
サクッと切り
足りない分は右で押してやると
一発でフルロックまで
捌ける自分に気付いた
躊躇せずに
つーか
慌てずに
余裕もって
サクッと切んのやな
「ハンドルは慌てずに、サクッとッ」
「アクセルと手はシュルっと」
豚子はメモして
苦手な右コーナに
コースを変えた
どうも、右コーナーだと
ハンドル捌きが左のように
一回で上手くいかない
下手な時は
スピンターンも出来ずに
外に膨らむ
もう一度チャレンジ
キキキー!
クルっと回転せずに
大きくアウトに膨らむ
S2000
「ひぃー」
「クラッチ蹴って!」
後ろから叫び声がし
反射的にクラッチを踏むと
急にS2000が回転して
フロントが大きく振られ
エンスト 。。。。
「なんなん!今の動きは」
今みたいに
アクセルターンでも
ドアンダーになると
外側に行くでしょ
「怖かったわー」
━(;´༎ຶД༎ຶ`)━(;´༎ຶД༎ຶ`)━
「豚音に教わったでしょ、タイヤが空転して?」
「ケツが流れるやろ」
「クラッチ踏めば?」
「ん?動力が切れて空転が止まるんか!」
「ハンドルは遅かったけど フルロックしてるから」
「クルっと回ったんやね」
「ピンポン〜♪」
「今のが クラッチ蹴りの原理なんだけどね」
「おおぉー!豊子さん」
豚子はシュミレーターから
降り豊子に抱きつく
「今の豚子には必要ないし、ドリフト時の動作が増えるだけだから
練習はしなくてイイよ」
「ウチが クラッチ蹴り マスターしたなんて~」
「マスターしてねえーし、エンストこいてるし!」
「ガビーん!」
━(;´༎ຶД༎ຶ`)━(;´༎ຶД༎ຶ`)━
「リアルで失敗した時の、危険回避って事で」
「せやかて、フルロックは出来てんのに なんで真っ直ぐ突っ込んだんや?」
ハンドル捌きが遅い
ビビってアクセル抜く
もしくは アクセル抜くのが遅い
これらの要素が重なると
今みたいに
峠のヘアピンで曲がり切れず
ガードレールや谷底に突っ込むのよ
「せやかて、フルロックしとんねんで」
「タイヤってのは、縦横のグリップを考えて作ってるから、斜めには弱いのよ」
「そうなんやー」
「それを下りの峠で 意図的に出来れば、藤原拓海になれるけどね」
「無理やろー」
「一般道ではね」
「やっぱり 右はむずいねんな」
「さっ、ヤワラが来るし店開けないと」
「ういーす」
「ゲームなんだから、気になったことは全部試してみなさい」
「うい~す」
部屋を出て行く
豊子の背中に
豚子は声をかけた
豊子仕様の
LSDと車高調にも慣れ
左のアクセルターンは
余裕をもって
逆走出来るようになったので、
豚音に言われたとおり
3速~2速にシフトダウンして
やってみることにした
ブオーン ブンっ!
ヒール&トウで2速におとし
フェイントを入れ
一気にハンドルを引き
フルロックさせる
S2000は勢いよく回転し
シュルハンする間も無く
一回転し
逆を向いたと思ったら
今度はノーズを外に大きく振って
エンスト 。。。。
「なんなんよっ!」
豚子は思わず
ゲームのS2000に
向かって叫んだ
今までは1速で
そのまま もしくわ
2速に入れ
30キロぐらいで
アクセルターンを教わり
上手くできてきたのに
その逆に
3速〜2速にヒール&トゥ
減速の動作をプラスしただけで
急に とっちらかった
「減速して入る方が難しいんだよ」
豚音のセリフを思い出し
豚音が簡単に
やってみせたドリフトを
記憶の中から引っ張りだす
豚音は落ちついて
いとも簡単に
ヒール&トゥから
サイドを引きやってみせた
たった一つの動作が
加わるだけで
こうも違うのか?
何回かトライしてみたが
同じような失敗が続いたので
一度ゲームを止めた
「豚音が簡単そうにやって見えるのは、ゆっくり丁寧にやってるからなんか?」
自問自答してみる
「丁寧にやらんといかんのかな?」
ブォーンブォー
3速まで入れたが
今度はスピードを落として進入
普段より丁寧に
ブォン!
2速に ヒール&トゥ
フェイントを入れ
落ち着いて左手で
6時半からサクッと引く
景色が変わった
車高調とLSDのおかげで
ロールせずに
地面に張り付いたように
回転するS2000
「ここや!」
豚子はハンコンの手を緩め
シュルハン
アクセルを抜いたり
踏むというかペダルにのせたり
ブォーブォー!
S2000は綺麗に
向きを変え逆走した
「おぉ、出来たで〜!」
シュミレーターから降り
煙草に火を点け勝利のいっぷく
( ´Д`)y━・~~
今のを思い出してみる
3速からブレーキ
回転を合わせ 2速に
一回目は 。。。
ヒール&トゥなんて
やり慣れてるし
フルロックと
シュルハンの事を
先に考えながら
適当にヒール&トゥしてた
今、成功した時は
ヒール&トゥから
ゆっくり丁寧に
自分ではやった
つもり 。。。ん?
ヒール&トゥのブレーキか?
2速にも普段以上に
回転を合わせ入れた
フェイントも荷重移動を
感じるように
尚且つ必要最低限に
左手で落ちいて
6時半の位置からフルロック
周り切る前に
一瞬アクセルの右足をゆるめ
シュルハン
「そうなんや」
加速状態から
減速して入る時は
ブレーキからフェイント
ハンドルを引く動作
全てがちゃんと
できとらんと
ドリフトはおろか
アクセルターンも出来ないんや
「ブレーキを含め、全てを丁寧に」
自分でも
一番大切な事に
気付いた気がして
豚子はルーズリーフに
メモ書きした
(-。-)y-゜゜゜
煙草を持ちながら
窓から外を見て
長くなった灰を落とす
ゲーミング PCは
タップダンスのような
雨降りだったが
オバちゃんの窓から
覗いた空は
梅雨入りの予報を
嘲笑うかのように
青空だった 。。。。
続きま~す 🐷
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Reservoir Cats | 日記
Posted at
2024/06/29 11:08:22