• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

豚子・551のブログ一覧

2024年09月22日 イイね!

Reservoir Cats 58 今夜はカラ騒ぎ 2

Reservoir Cats 58 今夜はカラ騒ぎ 2























「ねぇ、なんで バイク なんだろうね?」




「同じ事、私も オトンに 聞いたことあるよ」











Reservoir Cats 58





豚美が ギブアップしたので


服部は海老名SAに
入いり


駐輪場から
少し離れたとこに
Z 900 RS
を停めると

豚美もその横に
1135を停めた



二人は、自販機まで行き


豚美は 紅茶

服部は コーヒーを買い

バイクが見えるとこに
座り込む




「ふぅーやっと休憩だ」



豚美が、深呼吸して
紅茶を飲むと




「下ってる途中に、変な声 出すんじゃねーよ!」




服部が言うと





「族アガリの、元 A 級のインプレからお願いします!」





豚美は、右手を
マイクの様に突き出して

芸能レポーターの様に
服部の 顔の前に 突き出した




「音がニンジャだな、これでノーマルの音は凄ぇよ」




服部は 豚美の手を
ピシャリと叩いて
感想をいうと



「サイレンサーもイイよね」



「マフラー変えるの悩むな」




「変えるなら、ノジマしか勝たんよ」




「オマエのもスパイラルか?」




「そう、サイレンサーだけヨシムラ」




「他には?」



「コレに関しては、ヨシムラの手曲げストレートもでてる」



「マジか!」



「忠夫さんのは、間違いないね」




「俺的には、BEET かモリワキなんだけどな」




「不良かよっ!」




「メーターも 真ん中は デジタルだけど、砲弾 2発 のアナログってのが気にいった」





「川崎だよねー」



「キルスイッチが、色褪せた赤だろ、これ昔のまんまだぜ」




「そうなんだ」



豚美は、立ち上がり
側によって確認すると




「ホイールもダイマグから、三本とセブンスターが出てる」




「マジかよっ!」




「さっきから、子供みたいなんですけど」



豚美は笑いながら 言う







「重心が 予想以上に低くかったな」




「安定感があるんですね」




「それでいて、タイヤサイズの割に ヒラヒラと曲がれる」




「その心は?」



Z 900と同じ
トラリスフレームだな

多少、ちがうけど

集中マスはいい




「なるほど、他には?」



ハンドルが、ちょっと
広いかな

ゼファー750の時は

凄ぇー良くて

ティスト筑波ぐらいなら

ハンドルだけなら

ノーマルの方が
良かったくらいだ





「ぐらいならって」













「ステップは、ちょっと低いかな、サイドスタンドも擦るし」




「分かります、弁償して下さいね」





「一番気にいったのは、インジェクションの間だ」



「具体的にオナシャス」



「まるで、負圧キャブのように ワンテンポ遅れてくる」



「それ、中島が言ってたどね、川崎のデュアルスロットルなんだよ」




「なんだ、それ?」



「モード切り替えを、アクセルの開閉速度で、CPUが調整してくれる」




「ゆっくり開ければ、ゆっくりって事か?」




「そうそう」





「一呼吸してくれるから、開けやすいし、疲れない」




「立ち上がりで、ガバッっと 開けれんだ?」




だな、オマエの

直キャブのハイスロと違って

アクセルワークより

タイヤに集中出来る」




「なるほど」



車でも単車でも
皆んな、レーシング キャブ
に変えたがるけどよ


勾配のある峠や
知らない道だと
負圧キャブの方が


安心して開けれるから
実際は速く走れたり
するんだぜ



服部がタバコを
もみ消しながら
言うと




「パワーは?」





文句ない

ニンジャより確実に速いし
扱い易いけど、

シフトダウンすると
後ろから 蹴飛ばされるように加速する





「では、お買い上げって事で、宜しいですね」




「イイよ、気にいった、乗って帰る」



「アザース!」





豚美がチョコンと
頭を下げると





「やっぱり17インチの方がいいか?」


服部は豚美が
18〜17インチに
変えたのをたずねる



「だねー18だったら、七曲がりでチギられてた」



「親父さんの時は、18だったよな」



「あの頃とタイヤも違うし」




「そうだけど、よくディメンション合わせたな」



「そうそう、ちょと乗ってみて!」



豚美は立ち上がり
服部に頼む



「どれどれ」


服部も立ち上がり

刀に跨り

サイドスタンドを払い
車体をゆする



「おぉー軽いな、重心はこの辺かな?」




「一回、オトンが17に変えた時、中島も手伝ってるから、割とすんなり合わせられた」





「中島は タイヤを先に 決めたのか?」




「そう、そうやって教わったんだって」




「やっぱり、凄えな」




「私も、タイヤの銘柄から 先に決めるとは 思わなかった」



豚美はタイヤを
指でなぞると





「ねぇ、何でバイクなの?」




「俺がオマエに聞きてーよ」





「ガビーン」











服部があっさり
返したので
拍子ぬけしてると






「豊子も峠は、オマエぐらい走んの?」




豊子に関しては
サーキットでしか
知らないので

服部はカタナに
跨ったまま
会話を続けだした




「低速でタイトな場所は、スーフォアだから、互角だね。あの子ね、パワーバンドキープするのが、メッチャ上手いのよ!」




「マシンの差だけか?」


服部は跨ったまま
刀のタンクを
ポンッと叩いた



「経験は 追いつかれちゃったからね」


豚美は笑いながら
答える




「17インチに変えた理由、他にもあんだろ?」



服部は カタナから
降りて豚美に質問




「自分だって、コレ頼んだ理由あんでしょ」



豚美は
Z 900 RSを指差す





「ここまで、ニンジャでやると金と時間かかるしな」




「服部さんは、何処で?誰をカマそうとしてるのかな〜?」




豚美が笑いながら
質問すると




「教えねーよ」笑



「じゃあ、私も教えない」






「それより、オマエの長女、豚音ちゃんだっけ、豚子に、ソックリだよな」



「そうなのっ!あの子だけ、ブスなのよぉぉー!」




「親がブスって言うじゃねーよ、でも、挨拶も真面目で全然、豚子と違うな」




「それがね、似てるのは 顔だけで 良かったっねて、皆んな言うんだけどね」




「違うのか?」



「あの子、根っ子は、豚子と同じ、真面目じゃなかったら 手が付けられなかた、かも」



「マジかよ!」




「中島も薄々かんじてて、妹の好豚より、豚音の方にビビってる」




「月曜からウチで面倒みて大丈夫かよ? 豚子も 初日にキレやがって、アイツも女だし ブッ飛ばす わけにいかねーから 焦ったぜ」





「大丈夫、車大好きだし、豚子のバカと違って、真面目でイイ子だから」

 


「なら、イイけど」



「よろしくね、社長さん」











豚美は
別人のように
可愛くニッコリ笑った






「そろそろ帰るか?」




「イイな~近くて」



「そっか、俺んち厚木だった」




「あははは、川崎までなら、再戦してもイイけど」




「危うく、首都高まで戻るとこだったぜ」




「じぇじぇじぇ!」










豚美は心の中で
ギブアップして
正解だったと安堵して

服部の気が変わらぬうちに
ヘルメットを被り





ブブブブォーン!




「じゃあ、また」



エンジンをかけ
挨拶すると


駐輪場にいた
ハーレーの
X350のおっさんが
ガン見
















「俺は、バイク眺めてから 帰るからよ」




「分かった、月曜から、可愛い〜ウチの長女よろしくねー」




「ははは、事故んなよ〜」





「インカムは、お買い上げ、サービスであげるから」





「サンキュー」


服部が手を上げて
答えると





ブブブブォーン!

ブォーーン!



ガン見している

X350のオッサンの前で
ワザと吹かし


ヨシムラの排気音を
響かせて

豚美は走り去り



服部がタイヤチェック
をしていると























箱根の山から

満月が

あの頃の様に


ケタケタ笑っていた














次回から
夏休み編でーす



































Posted at 2024/09/22 11:54:26 | コメント(1) | トラックバック(0) | Reservoir Cats | 日記
2024年09月21日 イイね!

Reservoir Cats 57 今夜はカラ騒ぎ

Reservoir Cats 57 今夜はカラ騒ぎ



















焼肉屋を後にした
カタナと Z 900 RSは
大師から高速に




「おい、リミッター付いてるんだから 飛ばすなよ!」





服部がインカムで
前を走る豚美に伝える



「言い訳されないように、切ってあるって!」



豚美が 服部に伝えると




チューンド特有に
一瞬、リアが沈みこみ


さらに加速する
GSX 1100 S



ブオォォー!



「あの野郎」

服部も アクセルを捻る


「おっ、マジか!」


第一印象は
乗りやすい だったが

アクセルを開けた途端に

Z 900 RSは

闘牛のような加速で
豚美の刀を猛追しだした



ブォーン!ブン!ブォー!




この加速 サーキットなら

あっ、と言う間に

リミッターが効くな



服部は確信して
豚美の後を走る

汐入のオービスは旧型なので

シカトで

アクセルを開ける二台


横羽線

ここは 首都高速なので
夜中でも覆面の営業地域



160キロで覆面に発見されると
測り終えるまで
60キロまで減速できないので


逃げるしかない


豚美は、ギリ減速 出来る140前後で


前を走る車を
ガンガン抜き去る


金港 JC は右コーナー
先で合流してくるので

インベタでアクセルを捻る



その先のオービスも
シカトする豚美


赤いフラッシュが襲うが

服部のZ 900 RSには
間に合わないので


服部も、そのまま加速する



横浜新道に入ると
更にアクセルを開ける


一瞬、ミラーにサイレンのような
赤い点滅が見えたが


メーターを振り切り
加速する、二台



海沿いの 西湘バイパスは
流すように走りきり


二台は あっ と言う間に
ターンパイク入り口まで



「ここらは、お先にどうぞ」


豚美が インカムで伝えると




「なめんなよ」



服部は 豚美の前に出て
ターンパイクには上がらず

東海道へ



(; ̄O ̄)えっ

豚美が思わず叫ぶ

服部は無視して
普通のスピードで走り
箱根新道のバイパスにも上がらず


旧東海道へ


海沿いから数えると

西湘バイパスの135
ターンパイク
箱根新道(バイパス)
旧東海道
国道1号(イチコク)

箱根湯本 温泉街にいくには
一番上のイチコク


五つものルートが
並行に通っている


















「ちょっ、何処に行くのよ!」



「こっからだろ!」


服部は旧東海道に入り
寄木会館を過ぎると


加速して

派手にバイクを
バンクさせた



























「なっ、七曲がりかよ!」



豚美が慌てて
コーナーをクリアすると


既に 服部は
次のコーナーへ



「謀ったなーシャァ!」


気を取り直して
豚美は 尻の位置をずらす






旧東海道 箱根七曲がり


箱根のバリバリ伝説なら
椿ラインだが
それでもヘアピンは 7つ



今二人が走っている
七曲がりは 名前とは裏腹に

12 のヘアピンがある






しかも、登りから
二人はスタート

下りなら まだしも 首都高仕様の
カタナでは場が悪い




服部は楽しそうに
七曲がりのヘアピンで
派手に尻を落とし ステップを擦り
ケニーローパーツのように

駆け上がる


豚美が ヘアピンを曲がると

ギリギリ

Kawasaki 定番
ZⅡテールの LED が
残像のように消えていく





「こんな時の為に、こっちは色々変えてんだよ〜」


豚美は膝をすり

ステアリング ヘッドを押さえつけ
構わわずアクセルを開ける



なんとか見失わないように

江戸時代から
創業している茶屋がある
地点まで登りきり

芦ノ湖まで下ると

箱根峠を登り



服部は一気に

芦ノ湖スカイライン

125cc 以下は通行禁止

全長 9キロほどだが

晴れていれば
富士山も見え

見下ろせば、芦ノ湖


絶景が続き
路面も綺麗で
人気のツーリングロード





バイクだと ヘルメットを被るから
視界が狭くなり

一般のライダーは

夜は 危険なので
走りたがらない




服部は 昼間と同じ速度域で
芦ノ湖スカイラインの
高速コーナーを走り抜けて行く





「マジかよ」


豚美がインカムで呟くと



「最近のライトは 明るくて いいな〜」笑


更に加速する Z 900 RS





「ヒィー」

豚美は叫びながらも

離れずに

刀 1135 のアクセルを捻る



それも走り抜き
ノンストップで

箱根スカイラインへ


「休憩したくなったら、ギブアップしろよ」



服部が笑いながら
インカムで叫ぶと




「うるせー」


豚美が怒鳴り返す


箱根スカイラインを走りきると
トイレがあるので
止まると思ったが


服部はノンストップで

近道の酷道へ行かず

廃墟となってる
富士見茶屋の脇を抜けようとすると




左手の酷道から
赤い FD7 が登ってきた




「ん?誰だよ」


あからさまに
パッシングビームを食らった

裕也は呟くと

その直後に
箱根の山を切り裂く

集合管の音と
TMR の空気を吸い込む
キャブの爆音が

走りさる




「マジかっ!」


裕也は、走り去る
1135 の刀を見て叫び

箱スカの入り口に
FD7 を停めた



「豚美さんの 前は 誰だよ? まさか、あの人?」





Z 900 RS は
パッシングだけして


猛スピードで
そのまま、乙女峠方面へ

酷道より 道は綺麗で
コーナーもキツくなく
眺めもイイね


穴場的なルートで
昼間なら、断然お勧めだか

ただ、道幅は狭いので

夜になると ガラリと変わる




「マジかよ」

下るとイン側は崖壁で

真っ暗な壁が
常に口を開け 待っていて


間違って
センターライン跨ぐと
谷底行き




ブレーキングがモノをいう



深夜の峠を 走るのは
10年ぶりぐらい


もう、既に服部のラインを
なぞるのが精一杯の 豚美




服部は 七曲がりの時とは うって変わり

ニーグリップで

スキーのモーグル選手のように
綺麗に膝を揃え下っていく




後ろから服部を観察する

完全に ニーグリップだが
爪先は 外を向いている
くるぶしで、抑えている




「そうか、上下だよ、思いだせ、私」



豚美は 自分に言い聞かせる






バイクだと
どうしても荷重移動を
ライダー自ら行うので

右左のイメージだが



実は、ブレーキングによる
フロントフォークの浮き沈み

エンブレによる減速
スイングアームが伸び縮みする

上下を意識すると
ヒラヒラと リズム良く走れる




「スイングアームだ、イメージしろ!」






後輪を支えている
スイングアームは

斜めに垂れ角が
ついているので

アクセルを捻ると
上に持ち上がろうとするが

それを上から抑えるのが
ダンパーユニットの役目で

それで 後輪のエネルギーが
前に進む力に変わる






このスイングアーム
ウイリーなどで
逆の動きを錯覚するが



実は 急激な力で 
上に伸び上がろとする
スイングアームを
必死でダンパーが
押さえつけてるから、

重量的に軽い
フロントが持ち上がり
ウイリーになる




エンブレによる減速は

その反対

スイングアームと後輪は

後ろに引っ張られる







これが、ヤビツで
服部が カネゴンに
問題を出した答えで


スイングアームが
後方に伸びるって事だ



要は、エンブレとリアブレーキ
しか 使わない人ってのは


後輪のグリップしか
使っていない











「それじゃ、駄目だ」


リアを先に沈めたら
同じようにフロント
も沈めてやる


前後2本
きっちり 路面に押し付ける







服部のペースでズレた

お尻の穴を
上下軸に合わせて




「あんっ」



インカムでワザと
エロな声を出し

ブレーキレバーにかけた
右手の二本の指を研ぎ澄ます








この上下のイメージは

バイク経験のない
車の走り屋や

平坦なサーキットばかり
走ってるいる人には
中々、イメージ出来ず


むしろ車だと
ブレーキングによる
前後のピッチングばかり
気にする人が多い






「バイクで速い奴は、車も走らすと速い」





という、いわれは

目線の他に

自然と 車体における
上下のイメージが
出来ているからだ




そして、この上下の軸にも



以前、豊子が
豚子と豚音に説明した

ヨーイングが
車にもバイクにも
発生している










豚美は 服部のニーグリップで下る
背中を見て思い出した



上半身の力を抜き

しっかりと

下半身でホールド

ヘソを後ろに下げ
上下軸に、お尻の穴を合わせる


上下を意識して
リアを引きずり気味に
フロントを使う






知り尽くしてる
峠ならいいが


ツーリング先の
下りってのは


リアやエンブレ

(後輪だけのグリップ)

に頼ると

路面状況の変化や
予想外にキツイコーナー
が出てくると



重力が加速して
直ぐにアウトに膨らむ


峠の下りが
苦手の人ってのは

この、(重力による加速) 

全く、イメージ出来てない






峠の下り

どんなバイクでも
エンブレだけに頼っては
むしろ危険である

なんの為に
ABS が義務付けされたのか


パワーバンド 
一歩 手前が 宜しいかと





フロントブレーキ

スイングアームと
ダンパーによる上下軸

重力による加速


前後のタイヤを
押し付けて
走れるようになれば




バイクでの峠の下りは
スキーの様に
楽しくなるし


スイングアームと
ダンパーユニットのイメージは

法廷速度でも
充分に練習できる










ここは 膨らんだら
谷底に真っ逆さま








二台は一度」も
センターラインを踏まずに、

スキーヤーの様に
リズミカルに
二ーグリップで下りきり




トンネル前のヘアピンで

今度は 別人の様に

Z 900 RS のステップから

派手に火花が散り




豚美も負けじと
膝を出し フルバンクさせる





「くっそ、車屋になっても 化け物じゃねえか!」





豚美は心中で呟く

トンネルを抜けても

御殿場から下りると

酷道の別れ道まで
峠道になっている


あと、一山

豚美は 呟き


アクセルを捻り
上下運動を意識しながら
ブレーキングに全集中して
1135で必死に付いていく




服部はガンガン走り

御殿場のインターでも止まらず

そのまま東名に乗り
フルスロットル



高速は 自分のステージなのに
追い越す気力も体力もなく




このまま、用賀も突き抜け
渋谷を抜け
六本木まで行き


首都高かも?


豚美の脳裏に
あり得ない
服部の行動が予想された



ブォーブォー!



海老名SAの看板が出てきて
左車線が一本増えたのに
右車線で加速するを止めない

Z 900 RS

刀のメーターが
180を超えた時






「ギブ、海老名で止まって」

( ̄◇ ̄;)






遂に、豚美はインカムで

ギブアップ 宣言





「妹と違って、姉は素直だなー」





服部は笑いながら

減速し ウインカーを出し

海老名SAに入る

長い長い 左車線に

Z 900 RSを移動させた















続きま~す








Posted at 2024/09/21 14:57:04 | コメント(1) | トラックバック(0) | Reservoir Cats | 日記
2024年09月19日 イイね!

Reservoir Cats 56 俺達の勲章 3

Reservoir Cats 56 俺達の勲章 3





















乾杯して
しばらく経つと


23時になり


店内の客は
川猫軍団と
オッサンの二人組になった



もうじき
父親の中島が
迎えにくるので



豚音は 帰った客の
後片付けをしていると




ブォン!ブォン!





明らかに
直キャブの 闇を切り裂く
大型バイクの 排気音と


その後ろにもう一台の


Kawasaki の
新車が停められた


皆んな、直キャブの
集合マフラーの排気音に気付き


ガラス窓から見る


「誰だ?」

「カタナ?」

「ゼット?」



「ママとパパだ」

豚音が言うと



涼子が 立ち上がり
ダッシュで外に出る



「マジかよ」



刀の ヘルメットから
出てる長い髪を
確認して デブ巨摩が呟く




「最近、豚美さん、あっち乗ってんの?」


豊子が 豚音に聞く



「うん、あっちばかっり、なんか色々、パパと変えてる」




「やっぱり、姉貴もタチ悪りーな」


笑いながら
服部が立ち上がると




「あのZ、服部さんが買ったんですか?」


豊子も質問しながら
一緒に外に出た






「今来た、カタナの人が、伝説のレディースの 女の人ですか?」




ニッカポッカの 一人が
ラッシャーにたずねた





「レディースじゃない、俺の一つ上の 浜川の支部長だ」


















(; ̄O ̄)(; ̄O ̄)



「マジっすか!」





「服部さんと一緒に出て行った、焼肉屋のオバちゃんが 風神だ」






「じぇじぇじぇ!」













「川猫の 風神雷神って 女だったんですか?」




さっきから
驚いてばかりの
猫水の若い三人衆




「雷神はもっと、こえーぞ」

赤毛が 笑いながらいうと





「そういえば、豚子ちゃんは?」



豚音が アンソンのグラスに
ビールを注ぎながら、きいた




「昼間に 起きて来た時は、チラッとみたんだけどな〜」


「LINEは既読になったよ」


カネゴンも答える



「既読で返事がないなら、パチ屋だろ」


ゼットンが言うと















皆んな、納得





「豚子より、あっちに 挨拶に行かねーと、お前らブッとばされんぞ」





赤毛が 外を指して
アンソン達にいうと







「じぇじぇじぇ〜」

全員がビビリだし


「そうだった!」

「ですよねー」



「服部さんより、俺は怖いんすけど」


ラッシャーが
デブ巨摩と赤毛に言うと





「違う意味でな~」


デブ巨摩が笑いながら
答えた





口々にボヤキながら

ラッシャーと
四人は渋々立ち上がった







豚美が乗ってきたのは
1135 にチューンした

GSX1100S 
















一方、
中島が乗って来たのは

2017 年の 発売以来
常に販売台数、一位の

最新の Z900 RS だった
















「新車ではないんですね」




豊子が Zのメーターを
見て服部に聞いた





「売れてるだけ、中古も多くてな、タマが でるの探してたんだよ」



「極上だよ、慣らしも完璧にしてある」



中島が 服部に言う



「やっぱりこの色か」


ZⅡと同じ
オレンジのタンクを
触って服部がいう





「このアニバーサリーは、もうプレミア付いてるよ」



中島は答えながら
服部にインカムを渡す





「でっ、何で オマエも来たんだ、しかもカタナで」



服部が豚美に質問





「どうせ、真っ直ぐ 帰らないくせに」


豚美が 不貞腐れて 答える





「箱根だけど 付き合うか?」



「上等で〜す」


豚美は 笑いながら答える





「これ、インチ変えた?」


涼子が 目ざとく
豚美に質問




「バレた?」



「なんか、豚美さん、怖いなー」


涼子が 笑うと




「今晩は〜!」


ラッシャーとアンソン達

厨房にいた、 

キムコも 外に出てきて

豚美と中島に挨拶





「おう、全員集合かっ」


「ういっす!」



豚美への
挨拶が終わると

ラッシャー、カネゴン、キムコ

の三人は

直ぐに Z900 RS に














「どうだ?」


服部が 三人に聞く


「これ、服部さんが 乗るんですか?」


ラッシャーが質問


「他に誰が、乗んだよ」


「マジっすか?」


「直に見ると、水冷でも 格好イイすね!」

キムコが言う



「まっ、乗ってみてだな」


「イイな〜」


豊子は 舐めるように見る



「ブレーキは ラジアル なんですねー」


キャリバーを触りながら
服部に言うと




「またがっていいぞ」


「いや、いや〜」


豊子は 大袈裟に
手を振り遠慮すると




服部が、キーを回し
エンジンをかけた



ズブォーン ♪




ノーマルのマフラーだが
Kawasaki の排気音


乗って来た、キャラバンから
涼子がグローブとメット
服部に渡すと



デブ巨摩と 赤毛も

外に出てきた






「何、豚美ちゃん、こっち乗ってんの?」



デブ巨摩が
豚美の側により
声をかけると




「まあね」


豚美は ヘルメットを被りだした




ブォン!ブォン!


服部が吹かして

インカムで



「近所迷惑だから 出ろよ」




豚美に命令すると



「オッケー」


豚美は
インカムに向かって
返事をすると



デブ巨摩を見て






「乗り遅れんなよっ!」





豚美はヘルメット越しに

デブ巨摩に叫び

セルを回す




キュルッ ♪ 

ブブブォーン!


チューンド 刀 が

商店街を 切り裂いた




「凄え〜」

「やっぱりイイ音すんな」


全員が、豚美のカタナに
見惚れてると




「あと、ヨロシクなっ!」


服部が メット越しに
デブ巨摩に叫ぶ




「うっす、お疲れ様でした!」


デブ巨摩が
お辞儀して答えると



「お疲れした〜」


全員が挨拶




二台は、排気音の 残響だけ残し
あっと 言う間に
走り去っていってしまった


  

「俺も 買おうかな」


ラッシャーが
豊子を見ていう



「絶対、次の 排ガス規制までに 買っといた方がいいって!」




二台のテールランプを
見送りながら

豊子が興奮して言うと







「確かに」

「欲しくなってきたな」













キムコとカネゴンが頷く




「三台、予約入れとく?」笑


中島が 笑いながら
ラッシャーに提案





豚美が止まってた
前方では

豚音と涼子が



「涼子さんも、昔、お爺ちゃんの カタナに負けたの?」




豚音が質問する



「たった一晩で、み〜んな、あの刀にブチ抜かれたのよ」



「そうそう、鉄仮面もね」


デブ巨摩が 答え




「二人は、私が送ってあげるから」


涼子が 中島にいい




「さあ、今日はお開きにしましょ〜」


豊子が 皆んなを
店内に戻したが









デブ巨摩だけ 一人

店内に入らず

タバコを咥えだした





「黄昏ちゃって、どーしたんですか?」




豊子が デブ巨摩に 声をかけた





「豚美ちゃんに、煽れたよ」


デブ巨摩は、呟いた




「聴こえてましたよ〜」


豊子が側に寄って、答える




「豊子ちゃんは、どおーすんの?」



「私は、あの人達と違って、焼肉屋の主婦なんですけどー」


笑いながら 豊子がいうと




「そうだよな」


デブ巨摩が呟く



「ほら、入りましょ」



豊子が デブ巨摩の
大きな背中に
手を当てて押すと 








「なさっけないのー」





聴き覚えのある
関西弁が 暗闇から

聞こえてきた




えっ(; ̄O ̄)



二人が振り向くと

豚子が S2000 の鍵を
指で回しながら 歩いてきた




「なにっ、アンタいたの?」


豊子が 驚いて 言い返す





「パーキングに入れたら、オネエと 中島が 単車できよったから、隠れてたんや」






キョトン として
突っ立ってる デブ巨摩









「飛ばない豚は、ただのデブって意味やろー」





豚子が

デブ巨摩に言いながら

お腹の肉を摘むと




「痛っ!」




豊子と豚子も
店内に入ったのに



何故か デブ巨摩は
店内に 戻る気になれず






夜空を 見上げると

まん丸の月が

あの日の 夜のように

街を 照らしていた










続きまーす




























Posted at 2024/09/19 19:59:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | Reservoir Cats | 日記
2024年09月18日 イイね!

Reservoir Cats 55 俺たちの勲章 2

Reservoir Cats 55 俺たちの勲章 2























服部が 予約席に座ると




「いらっしゃいませ〜注文は?」


豚音が 山猫自動車の
4人に注文をきいた





「生3つと、炭酸水」

「俺はノンアルで」



アンソンが豚音に
注文すると 服部が訂正した




「服部さん、飲まないんですか?」



デブ巨摩が質問




「帰りに、一台、乗って帰んだよ」



「そうなんですか?」


アンソンが 聞き返す




「ちょっとな」


「了解です」



アンソンが 答えると
豚音は急いでカウンターに






「おい、オマエら席、交換しろ」


赤毛が アンソンと
カネゴンに言うと




「あっ、すいません」




二人は 立ち上がり
デブ巨摩と赤毛と交換して

ゼットンとナムルのテーブルは

昔のように

黒猫メンバーに





豚音は 注文を
豊子に 伝えながら

冷蔵庫から

炭酸水と
ノンアルを取り出しながら





「あの人が、山猫自動車の社長さんと、アセコラの涼子 911?」



「そうよ、一緒に運んであげるから、自己紹介して」



「うん」

豚音が頷くと

豊子は 素早く用意して
生二つを手にした



「今晩は〜」



豊子が 服部に挨拶して
生ビールを
アンソンとカネゴン
の前に置くと




「初めてまして、蓬莱豚音です」



豚音は、服部と涼子の前に
炭酸水とノンアルを置いた




「やっぱり〜!」


涼子が 服部のグラスに
ノンアルを注ぎながら驚く



「この子が、豚美さんの 長女の 豚音ちゃんです」



豊子が 服部に紹介すると




「月曜から、よろしくお願いします」


豚音は チョコンと頭を下げた




「おう、ヨロシクな」


服部は、ニッコリ笑ったあと



「親父さんというか、豚子 似だよな」


「ですよね!」


ラッシャーが
服部に同意すると




「女の子姉妹が、女の子姉妹産むと、どっちかが、お母さんじゃない方に似るのよ」


涼子が 興奮して喋りだした




「そうそう!前から思ってたけど、昔の豚子ちゃんにソックリなんですよ」



デブ巨摩が 発言すると



「確かに」


黒猫軍団は
激しく同意する





「小学生の頃は、よく親子に間違えられました」


豚音が答える


「妹の好豚ちゃんは、豚美さん似なんですよ」


豊子がいうと




「そうなんだー」

涼子が納得




「性格は妹の方が、ママと豚子ちゃん ですけど」



「なるほど〜」


アンソンが
分かった様に納得する



「豚美より、妹の豚子の方が タチ悪りよーな」


服部が、黒猫軍団に言うと



ゼットン
アンソン
カネゴン
ナムル

の四人は













「そっちでは、豚子ちゃん、どうなの?」



ゼットンが
アンソンに聞いた




「仕事中に 安全靴で 蹴られまくられた」


アンソン



「俺は手首折れそうになったし、つぶ貝みると、ジンマシンが出るように」



「豚子ちゃんと、回転寿司行ったんだ!」



豚音が 笑いながら
カネゴンにいった



「最悪だったよー」

━(;´༎ຶД༎ຶ`)━(;´༎ຶД༎ຶ`)━




「ところで、今日は 山猫自動車の 納涼なんですか?」



赤毛が服部に答える




「ちょっとな、ハコスカは調子いいか?」


「やっぱり、猛暑なんで セッティング 変えないと駄目です」



「足は?」


「服部さんが決めてから、全く変えてません、15のロンシャンです」


「だよなー」


デブ巨摩が焼いた 肉を
口に放りこんで

服部が頷く





「あのー涼子さんに質問が」


豚音が 恐る恐る 発言した




「何?なんでも聞いて」


「涼子さんと 服部社長の関係って?」






ブッホー!

















皆んな一斉に逆噴射!







「あははは、そっち?」



涼子が 笑いながら
豚音に言う





「はい、差し支えなければ、来週からの 為に 教えてもらえると」



「今時だなー」

服部が 笑う



「夫婦よ、奥さん」


涼子は 左手の薬指を
豚音に見せる




「そうなんですか!」














豚音は 驚いた後
デブ巨摩を見ると







「何で俺を見る!」











デブ巨摩が 豚音に叫ぶ





「いや、以前、デブ巨摩さんは、涼子さんを好きだったて、皆、騒いでたから」




豚音が答えると
皆が、一斉に笑い転げた







「それはね、所長が 待ち切れなくて、事務のブス女と 先に結婚しちゃったんだよ〜」





赤毛が 笑いながらいうと


同じリース屋の
ゼットンとナムルが
必死で笑いこらえ泣いている





「子供の前で、その話すんなって言ったろ!」


デブ巨摩が 赤毛に怒鳴る




「あら、先にデブ巨摩さんが、女つくって結婚したんじゃない」



涼子も、笑いながら答える





「俺が、余りもんだよ」


服部が言うと




「なーんだ、私、ゲスな妄想しちゃった」


豚音が納得






「ガビーン」


━(;´༎ຶД༎ຶ`)━(;´༎ຶД༎ຶ`)━


デブ巨摩が、項垂れる





「どうして、デブ巨摩さんはちゃんと、涼子さんに告白しなかったの?」













更に、豚音が問い詰める





「そうよ、私、待ってたのに!」



「そうだったの!」


「マジっすか!」


「じぇじぇじぇ!」


皆んながデブ巨摩をみる






「そ、それは、いつ頃?」



「大黒で、ポルシェの男、一撃でブッ飛ばした時」


「あーあん時か」

服部が 頷くと






「だって、服部さんは?」


デブ巨摩が 核心に触れた



「全然よ、無口で怖かったし、デブ巨摩さんは お店にも良く来てくれたし、赤い CB の方が 親近感ありだった」




















「いつも、豚美じゃなく、涼子ちゃん 指名してたよな」



赤毛が 笑いながら
皆んなにバラすと




「VF だったら、豚美より 速かったんじゃねーか?」


服部が言った




「ママより、速いかもなんてて、デブ巨摩さん、凄いじゃない!」


豚音が驚く




「そうよ、太ってるけど、ヒラヒラと 猛スピードで、首都高走り抜けてたんだから」




「アンソンとナムル 助けに行った時だって、直ぐに全支部集めたんだよ」



豊子が補足すると




「来てくれなかったら、俺とナムルは、ぜって~死んでましたよ」






アンソンも補足して

三人が

当時を振り返り
褒めちぎると





「デブ巨摩所長、凄いじゃない!」





項垂れてる
デブ巨摩の肩を
スリスリしながら
豚音が慰める





「涼子ちゃんは、服部さんじゃなく、俺だったのか〜」




デブ巨摩は
テーブルに伏せ泣きだした

























「告らなかった、豚は ただのデブだ」



服部がいうと

皆、大爆笑して























「豚音ちゃんのおかげで、やっと、長年のミステリーが解けたよ」


赤毛がいうと



「じゃあ、乾杯しましょ!」


涼子の合図で


「かんぱ〜い!」

「チィ〜ス!」

「お疲れ様〜」





デブ巨摩を除く
全員が、笑い乾杯した



























続きま~す







Posted at 2024/09/18 20:28:28 | コメント(1) | トラックバック(0) | Reservoir Cats | 日記
2024年09月16日 イイね!

Reservoir Cats 54 俺たちの勲章

Reservoir Cats 54 俺たちの勲章


































合気道は水曜日

金土日は焼肉屋の

バイトで23時まで


一学期最後の金曜日

すっかり
夏の景色に変わり

豚音は
電チャリを焼肉屋につけて

ヤワラと交換して
夕飯タイムに備えていると



早めの夕飯を 食べに来た
オッサン 二人が入ってきた




「いらっしゃいませー!」



「おっ、豚音ちゃん、久しぶりだねー!」



「毎週〜来ないと駄目ですよん」



言いながら
オッサン二人に
おしぼりを渡すと



「とりあえず、生二つね」


「りょっ!」


豚音がカウンターに戻ると


豊子がサーバーで
ビールを入れながら




「豚音ちゃん、ついでに角のテーブルに、この札置いといて」




豊子が予約席と書かれた
三角立方の札を置いた



豊子が角といった席は
母親やデブ巨摩所長が
座る席だったので





「ママと所長どっちが来るの?」




「所長も来るけど、リース屋軍団は向かい」



豊子が、向かいを
顎で指さしながら

生二つを出したので
一緒に運び





「はい、生二つ〜」


オッサンのテーブルに置き
予約の三角立方を
角のテーブルに置くと





「ういーす!」


ゼットン ナムル

赤毛 デブ巨摩所長の

リース屋がゾロゾロ入って来た




「おっ、マスコットガール、いたいた!」



いつものように
赤毛が褒めちぎる




「やっぱり、豊子よりイイよな」



ナムルが小声で
ゼットンに言いながら
席に座ると





バッコーン!

「痛っ!」


豊子がアルミのお盆で
後ろから、ブル中野ように
ナムル脳天をブッ叩き



ナムルが頭を抑えながら
フリ向くと




「オマエ、喧嘩しに来たのか?」










豊子が、再びお盆を振り上げた




















そんな金曜の夜は

風俗の客より
工員のオッサンが多く

土曜の夜は
職人と堀之内に入浴しに行く客が多い





今夜は13日の金曜日





ガラガラ〜チン♪

ガラス扉が空き
呼び鈴の後に


ニッカポッカの集団が入ってきた



「いらっしゃいませ〜」




豊子と豚音が挨拶



ニッカポッカの集団の一人が
奥にいる、リース屋軍団を見つけると


ポケットに手を入れて
ズンズン向かってきた




「誰?」



リース屋軍団は
気付いてないので


豚音が小声で豊子に囁く




「今晩は〜」



ニッカポッカの
一目で元ヤンと分かる男に
豊子が挨拶すると




リース屋軍団が気付いた





「どうも、久しぶりっす」



ニッカポッカの親方が
デブ巨摩と赤毛に頭を下げた


「ん?」

「おっ!ラッシャーか」


「うっす」


デブ巨摩と赤毛が言うと



ゼットンとナムルは
立ち上がり



「久しぶりっす」



直立して挨拶


「元気そうじゃん」


赤毛がラッシャーに言うと




ブォーン
ブォーン


扇風機付きの
ベストのスイッチを入れ


「猛暑で死にそうっす」


ラッシャーは笑って答えた






「こっちで イイですか?」






豊子がリース屋の
後ろのテーブル席を指すと



「いいよ、おいこっちだ!」



店内をキョロ見してる
ニッカポッカの三人の
若い衆をラッシャーが呼んだ


見た目は
30代半ばの三人衆だが




この店の常連のオッサンや
リースや軍団から見ると
まだまだ、子供の部類



ラッシャーに呼ばれた
三人の若い衆は恐る恐る
やってきて




「こここ今晩は」

震えながら
リース屋軍団に挨拶


「おっ、猫水の若い衆か?」


デブ巨摩が
優しく返してあげた




「はははい」



「コイツら、どうしても、この店に来たいってんで」


ラッシャーが渋々
デブ巨摩に説明しだす



「伝説の店っす!」


ニッカポッカの
一人が答えた





「何言ってんだ、アイツら」


「恐怖の館だよな」



ゼットンとナムルが
小声でぼやく





「旧車會なんだ?」



ゼットンとナムルは
シカト気味に睨んでるが

赤毛もデブ巨摩と
同じように
優しく三人に話しかける






「ははい!」


「何処?」


横浜の鶴見です



「なんだよ、松方のとこか」


「世代が違うから、知らねーだろ」


デブ巨摩が赤毛に言う




「すすすいません」

三人衆が頭を下げると




「この二人が、デブ巨摩さんと赤毛さんだ」



ラッシャーが紹介すると



若い衆は、また頭を下げた





「俺の代の総長と本部長だ」






(; ̄O ̄)(; ̄O ̄)




「あの、剣走潰したっていう」


「横浜デスロードの」


「違うよ、港北の工業団地だよ」




ニッカポッカの三人が
漫画の感想みたいに
言いあってると




「両方、同じ日だよ」


デブ巨摩が
笑いながら教える






「凄ぇー」

「マジっすか!」


ニッカポッカの
若い衆は尊敬の眼差し


















「何が伝説の店だよ、俺ら、あの時、ラッシャー君に、ここでボコられたんだぜ」




「バカ、俺なんかアンソンと一緒に拉致られて、指三本折られて、木刀で滅多打ちにされたんだぞ!」





またも、小声で
二人がヒソヒソ話してると




ラッシャーが
奥の二人を覗きこんで





「あの時の、張本人の馬鹿はコイツらだ」



ラッシャーが
ゼットンとナムルを指差す





「へっ?俺?」「ガビーン」


二人は顔を見合わし
ゼットンは否定して




「コイツは剣走だったな」


デブ巨摩が
ナムルを箸で指すと



皆んなが笑うが


猫水工業の若い三人の顔は
みるみる青褪めてきた




「ほら、座れよ」


ラッシャーが言うと
やっと、三人衆は
リース屋の裏のテーブルに
ヘナヘナしながら座った






「ご注文は?」

豊子が聞く


「まだ、来てないの?」

ラッシャーが言うと

豊子が人差し指を
口にあてて、ウインク




「生4つと、あと適当で」


ラッシャーが
笑いながら答える




「かしこまりました〜」




そんなこんなで





店内は半分は埋まり

注文も一段落したので


豚音が
リース屋軍団の
向かいの予約席に行き

コップや箸を並べてると




「豚子ちゃんがいなくなって、ドリ練も減ったんじゃない?」



デブ巨摩が
ビール飲みながら
豚音にきいた





「そうなんだけどね〜」



豚音はニコニコ
しながら笑い返す




「なに、そのキュートな笑顔は?」


赤毛が質問すると




「もしかして、この子って?」



ラッシャーが
テーブル席から
身を乗り出して聞いてきた




「そう、豚美の長女」

デブ巨摩が紹介した



「マジっすか!」



「蓬莱豚音です」


豚音はチョコンと
頭を下げた



「あっ、どうも」


ラッシャーも頭下げると





「分かった、明日から夏休みでしょ!」


娘がいる
ナムルが立ち上がり
豚音に叫んだ



「ピン!ポ〜ン」


「いいなぁー」


ガラの悪い大人達が
声をそろえて羨ましがる




「毎日ここでバイト?」


赤毛が質問




「それがねーここは明日まで!」



(; ̄O ̄)(; ̄O ̄)






「豊子ちゃん!どーなってんだよ」



豚音の声が大きかったので
豊子が運んでた
テーブルのオッサンも話に入る




「夏休みは、職業体験しに行くのよ」



豊子がオッサンに言うと

リース屋軍団も振り向き



「職業体験って、高校行かねーのかっ!」


デブ巨摩が叫ぶ



「高校は、行くって!」


豚音が慌てて
手を振りながら全否定




「じゃあ、なんで?」



「将来、成りたいものが見つかったの」



「なに?」


「内緒!」


「教えてよ」


「上カルビ追加?」


「いいよ、だから教えて」


「4人前よっ」

豊子が横から入ってきた



「じぇじぇじぇ!」



「はい!上カルビ、8人前〜」



「こっちもかよ」

ラッシャーが答える


叫びながら
豊子は厨房にもどると




「頼んだから、ちゃんと、教えて」


余った玉葱を網に乗せ
赤毛が質問する




「私ね、自動車の整備士になりたいの」



「おぉぉ〜」「格好イイぢゃん」


赤毛とデブ巨摩が言うと



「それで、自動車屋の職業体験?」


ナムルがいう


「そうそう」


「なるほどねー」

三人が納得すると




「何処の自動車屋?」



ゼットンが、不安そうに質問すると


三人が顔を見合わせた






「。。。。。」



「まさかな」


「嫌な予感しますね」

ナムルが言うと



「嫌な予感しかしねーな」


デブ巨摩が相槌





ガラガラ〜チン ♪


ガラス戸が空いて
呼び鈴が鳴り



「ういーす!」

アンソンとカネゴンが
ドタバタと、入って来た





「今晩は〜」「お疲れっす」


カネゴンとアンソンが
デブ巨摩と赤毛に二人に挨拶したが



「あっ!」

ラッシャーを見て驚く


「よう、元気か」


「はい!久しぶりす」


「先輩、会いたかったすよぉー」

━(;´༎ຶД༎ຶ`)━(;´༎ຶД༎ຶ`)━


アンソンはラッシャーに
大袈裟に近寄る




カネゴンが予約席に座ると





「マジか、オマエら」


赤毛がいう



「ん?どうかしました?」


「凄ぇー悪寒がしてきた」




デブ巨摩と赤毛の
生ジャッキーを持つ手が
カタカタと震えだす







「今晩は〜」



可愛い声がして
店内の客が
一斉に振り向いた




「席とってあるから、座って座って」



豊子が真っ先に
案内しようとすると




「こっちですよー」



カネゴンが
叫びながら手を振る




「だから、オマエが来たのか?」



赤毛が小声で
ラッシャーに呟く



「はい、昼間に連絡きて、黙ってて、すいません」



ラッシャーも小声で謝る




ラッシャーの
働いている猫水工業は

服部が15の時
施設から出る時の
保証人になってくれた
土建屋で



服部が族時代に
ずっとお世話になり

ラッシャーも
朝高校時代の
夏休みや冬休みには
バイトしていた会社であった






「あら、デブ巨摩さん達も、今晩は〜」




「涼子ちゃんも、げげ元気そうで」



デブ巨摩の唇が
プルプル震えながら答えると



「決定だな」


「確か、今日って13日の金曜日だったな」



「すっげぇー緊張してきました」


最後にナムルが言うと







ガラガラ〜チン♪



「。。。。」






「ウイッス!」

「お疲れっす」

「うっす!」

「お疲れ様っす!」




服部が入ってくると

ニッカポッカの若い衆も含めて
全員が立ち上がり


大きな声で挨拶した


他の客も何事かと
思い唖然と見ている





「なんだ、ラッシャーだけじゃねーのか」


服部が、皆んなを見て
デブ巨摩にいうと




「うっす、待ってました」


「こっちです」


デブ巨摩と赤毛が
直立で挨拶したので、


涼子以外、


カネゴンとアンソンも
先輩の三人と同じように
皆んな直立のまま























「ヤクザの事務所かよっ!」



カウンターに
頬杖しながら

豊子が笑いながら

皆んなに、聞こえるように


ぼやいた















続きま~す





































Posted at 2024/09/16 19:08:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | Reservoir Cats | 日記

プロフィール

「@馬肥 さん、汚れた英雄は、遊びで書いた感、大藪春彦氏の真骨頂は「蘇る金狼」シリーズかなと

あの映画、平さんだけでなく、ケニーとマモラに気付かないようじゃ、みんカラのおじさん達も○○○〜笑

また炎上や〜😭」
何シテル?   01/24 22:48
フォローはご自由に Welcomeです フォローバック希望は メッセージしてね
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/1 >>

   1 234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 

愛車一覧

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation