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2024年06月04日

変わりゆく風景と交通インフラの現状

変わりゆく風景と交通インフラの現状

ベトナムの自動車事情は,街を覆い尽した小型バイクを抜きに語ることはできない。
その背景にあるのは,所得より先に住宅事情である。
都市部では,マンションなどの集合住宅が増えているとは言え,まだまだ一戸建てが主流だ。
一戸建てとは言っても,間口4メートル足らずの3,4階建てのチューブハウスと呼ばれるウナギの寝床が軒を連ねている。
これは間口に対して課せられる税金を安く抑えるためだ。
そこに親子三代にわたる数世帯10~20人が暮らしている。
当然クルマの駐車場など確保できるわけがない。
ましてや南国で,雨季はあるものの,バイクの方が気持ちいいに決まっているw

ところが,経済成長の著しいベトナムでは,国民に意識の変化が見られるようになった。
日本のいざなぎ景気時代の「三種の神器」同様,自動車が豊かさや憧れの象徴になったのだ。
街を歩いても,共産党による一党独裁社会主義の影は見られない。
れっきとした資本主義世界である。
だから,この先,まだまだ自動車は増え続けるであろう。

ベトナム政府は,ASEAN諸国同様に自動車産業の発展に意欲的だ。
関税優遇措置や地方自治の投資支援,環境に配慮した車両規制など様々な政策を打ち出している。


IMG_6175.jpg


政府の後押しもあり,自動車産業は堅実に成長しており,国内生産も増加の一途だ。
国内需要に応えるために日本車以外の自動車メーカーも進出し,競争が活発化している。
感覚的には日本車ばかりだが,それ以外ではフォードをよく見掛けた。
ベンツやBMW,ミニもないわけではない。
もちろんディーラーもあった。
郊外では広大な建設予定地に,逸早く大きな「VOLVO」の看板もそびえていた。
諸般を受けて,ベトナムの自動車保有率の増加速度は,中国を抜いて世界一に踊り出ている。


IMG_6223.jpg


この一方で車両増加に伴い,特に市街地では交通渋滞が深刻化しているようだ。
想定外の状況にこの国の交通局は追いついておらず,まったく機能していない。
フランスによる統治が約100年続いたため,信号のないラウンドアバウト(環状交差点)が,街のあちこちに設けられている。
しかしラウンドアバウトは渋滞すると逆効果で,反って負の遺産に思えた。
また,ホーチミンには工事中の地下鉄はあるものの,通勤通学の足となるような鉄道はまだない。
このため公共交通機関の整備や交通インフラの改善がまだまだ求められる。

ベトナムの自動車市場は今後も成長が期待されており,環境への配慮や交通インフラの整備など,さまざまな課題に対処しながら,更なる進化を遂げていくだろう。
F1ベトナムGPが開催され,渋滞もなくなり,旧車となったロータスが走っているような…
そんな日の来ることを願って,私はこの地への再訪を誓った。


IMG_6087.jpg

ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2024/07/12 09:55:34

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この記事へのコメント

2024年6月4日 15:03
GRASSHOPPERさん、こんにちは。

交通インフラが整っていないのは痛いですね。
成長・発展に追いつかないのでしょうけども。
憧れの自動車を持っても大渋滞し、横からバイクにビュンビュン抜かれる様はなんとも..。
コメントへの返答
2024年6月4日 18:13
こんばんは。
交通局は世界中の現状を鑑み,もっと勉強すべきでしょうね。
でも,それ以上に国もメーカーも,増やせ増やせが優先なのでしょう。
売れよ増やせよの一点張りで,昨日の国内自動車メーカーのように,不正に繋がらねばよいのですが。
2024年6月4日 16:59
GRASSHOPPERさん
私も先月ベトナム(ハノイ)へ行ってきましてが、おっしゃる通り交通のインフラを整えるのが課題と感じましたが、果たしてどうするのか??あのバイクと車の台数と走り方を見ると解決策がないようにも感じます。
やっと鉄道も短い区間で運行していますが渋滞緩和には程遠いですね!

EV車両については財力のあるVinグループが充電のインフラを整えているので、VinFastのスタイリッシュなタクシーや自家用車が急に増えた感じがしました。
仕事で年2回行ってるので毎回元気をもらってます。

ホーチミンは行ったことがないのでプライベートで行ってみたいです。
コメントへの返答
2024年6月4日 18:15
現状を見ると,どこから手を付けてよいのやら?と手の打ちようがないようにも感じますが…
逆転の発想ならば,どこから手を付けてもよいとも言えますね☺

ホーチミンでもビンファストのSUVは,けっこう見掛けました。
タクシーには数多く採用されているようですね。
日本同様,EVは増えているようですし,そうなると中国製の勢いは増しますヨきっと。

私はハノイへ行っていませんので,今度はハノイも訪れてみたいです。
2024年6月4日 18:49
ホーチミンもEVは増えてるんですね!

好きなベトナムの記事でしたので、ついつい長文のコメントスミマセンでした😞

プライベートはホーチミンの方が楽しいとベトナムの方が言ってました👍
有難うございました😆
コメントへの返答
2024年6月5日 8:55
車好きの私でも見たこともないエンブレムを見ると,中国製のEV車のようでした。
レシプロエンジンと比べて,EV車は簡単に作れてしまいますからねw

ホーチミンのほうが娯楽施設が多いかどうかは,ハノイを見たことがないので分かりません。
しかし南北に細長いベトナム。
四季のあるハノイに対して,常夏のホーチミンのほうが暮らしやすくて,国民にも人気があるとは現地でも言っていました。

コメントは,一言でも長文でも嬉しいです。
本文が短いブロガーは,長文のコメントに対し返信しない人も見受けます。
しかし,私はイイね!稼ぎをしているのではなく,読者の心に一石を投じられればと考え,投稿しておりますので…
コメントが何よりの好物ですw
今後もお立ち寄りの上,時間が許されるときはコメントをお願い致します。
2024年7月12日 10:20
おはようございます
鉛筆のような住宅間口で税金がかかるというのは昔の京都みたい
インフラが整っていないというのは 生活するのにちょっと痛いですね
しかしこれからどんどん 発展していくんでしょうね
昔の日本 もそうだったように

この後も宜しくお願い致します
コメントへの返答
2024年7月13日 11:27
おはようございます。

そうです!そうです!
間口が狭いのは,まったく京都と一緒なのです。
日本の昔を覚えている私などは,その後の発展を知っているので…
目の前のベトナムと,未来のベトナムが目に浮かびます。
そのときに日本車が走っているかどうかは定かではありませんが…
2024年7月12日 10:57
@GRASSHOPPERさん
ベトナムの社会構造って、国交状況見てると、良く分からないところがあって、インド的な国益重視の全方位外交なのかなって気もしますが、自動車が普及したり資本主義的な面が大きいのですかね?行ってみないと分からないもんでしょうけどね(⌒-⌒; )
コメントへの返答
2024年7月13日 11:35
おはようございます。

クルマの交通量やインフラを直接見ると,その国の社会状況を垣間見ることができます。
ただ,トラバンドしか走っていなかった東ドイツやソ連の共産圏と今の中国やベトナムの共産圏では,だいぶ様変わりしていますが…
別な機会に,この辺りのことについても書いてみたいと思います。

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