
デパートやショッピングモールで,客足が遠のいてくると,必ず催されるのが「北海道物産展」。
食材の宝庫,北海道ならではの魅力に誘われ,多くの人々が訪れるからだ。
ところで,私が国内主要空港にあるレストラン街で一番のお気に入りは,新千歳空港3階のグルメワールドだ。
当たり前だが,そこでは毎日「北海道物産展」が開催されている。
だから,搭乗前には必ずそこで食事をしてくる。
空港へは余裕を持って行くので,時間調整の意味もあるが,本音は満腹で北海道を飛び立ちたいのだ。
ところが先日は,持病の頸椎による手や腕の痛みやしびれがひどくて食欲もなく,何も食べてこなかった。
帰宅後,一晩寝たら薬が効いたのか?翌日には痛みも取れて食欲も戻った。
ただ腕は治ったが,心は癒えなかった。
北海道の味で,お腹をいっぱいにしてこなかったからだ。
そこで,ランチはオフィスの近所で,北海道味噌ラーメンを探し廻り,長い列に並んだ。
ウニいくら丼でなく,ジンギスカンでもなく,ラーメンに反応するのは私の食性ゆえか(汗)
結局,街のラーメン屋も,私にとっては「北海道物産展」へとワープできる小さな扉なのだ…

お馴染みの「カップヌードル カレー味」は,1973年の発売以来,半世紀以上の歴史を誇る不動の定番商品である。
日本人なら,インド人もびっくりなその味を,知らない人はいないだろう。
私などは毎朝,日清食品創業者夫妻を描いた朝ドラ『まんぷく』を観ながら食べていた!(少し盛り過ぎかw)
ところがラーメン屋では,何故かそんな国民食カレーラーメンにお目に掛かったことがない。
しかし,先日ついにその歴史に終止符を打つ日がやってきたのである。
ラーメン王国北海道では札幌の味噌,旭川の醤油,函館の塩がつとに有名だが,室蘭ではカレーを提供するお店がたくさんあるのだ。
そこで私は室蘭の友人に案内してもらうことにした。
そのお店は,何の変哲もない古風なラーメン屋だったが,壁のメニューには「カレーラーメン」がしっかり貼ってある。
初志貫徹!私は迷わずそれ+ビールを注文。
やがて運ばれてきたカレーラーメンは,黄金色のスープに太めの麺がよく絡んでいて,夢に見たとおりだった。
どんぶりに顔を近づけただけで,スパイシーなカレーとラーメンの醤油出汁が絶妙に調和しているのが伺える。
よくよく考えてみれば,蕎麦屋のカレー南蛮が美味しいのだからマズいわけがない。
口の中いっぱいに広がる味は,これぞ日本の魂。懐かしのソウルフード。もはや和食と言っても過言じゃない。
中国人の知人がラーメンは日本のほうが美味しいと漏らしていたが,今度室蘭に来るときはインド人の知人を連れてこようw
談笑しながら食べていると,急に友人は白飯を注文し,残ったスープにぶち込んだ。
え?鍋のシメの雑炊みたいなものかな?
友人いわく,スープを吸ったご飯は最高とのことで,満足そうに平らげていた。
そんなことなら私がスープを飲み干す前に言って欲しかった。
この次は,ぜひ私もそれに挑戦してみよう。

新千歳空港に降り立ち,JRに乗換えるべく駅へ向かうと,この看板が目に飛び込んでくる。
北海道が広いことは誰でも知っているが,こんなにもでっかいとは思っていないだろう。
地図は本州を隠し切らないように少し上に寄っているが,ちょっと下にずらしてみると…
東は犬吠埼(千葉県)から西は大阪港(大阪府),北は能登半島(石川県)から南は伊豆半島や駿河湾(静岡県)までを覆いつくす。
その行く先々では北海道特産の豊潤な食材の数々が,私を出迎えてくれる。
新鮮な魚介類を選ぶか?広い大地や牧場で育まれた野菜や肉・乳製品を堪能するか?
この豊かな大地ならではの味覚が,今宵の食卓を彩ってくれることだろう。
嗚呼…北海道の地図を見ているだけで,腹が減ってくる(汗)

この真紅のマシンを,リア側からだけで識別できる人は,紛れもなくティフォシだ。
実は,今から20年ほど前…
イタリアの空港で腹が減り「Coffee Bar」の看板を見つけて一目散に向かっていた。
ところが,その途中のショップをショートカットしようと突っ切ったところ,レーシングカーが立ちはだかる。
脇をカニ走りで擦り抜けようとしたら…
なんと!それはフェラーリのF1マシンだったのだ!
立て掛けてあったプレートには「F310」の文字。
それは,ミハエル・シューマッハがベネトンからフェラーリに移籍し,最初にシートを得たマシンだった。
シューマッハは長年にわたりフェラーリで勝利を重ね,後に「赤い皇帝」の異名を取る。
その栄光に彩られた歴史的な第一歩を,このマシンで歩み出したのだ。
開発費は,およそ1000万ドルを投入したと言われている。
現在の為替で約15億円。
退役したマシンとはいえ,こんなお宝が無造作に置いてあるなんて日本では有り得ない。
しかし「そんなことぐらいで騒ぐなよー」と言わんばかりのラテンの国の1コマだった。
古いデジカメにあった1枚の写真。
もちろん正面からのカーナンバー1も撮影しているので,出てきたら再度アップしておこう。

韓国へ発つひと月前から,焼肉を断(た)っていた。
焼肉大国・韓国での滞在中,喰って喰って喰いまくり,何があっても酒池肉林,焼肉三昧と心に決めていたからだ。
渡航前は,焼肉屋の匂いに翻弄されながらも,精進料理しか口にしない修行僧のごとく振舞った。
やっと機は熟し,解き放たれた私は,いざ焼肉天国の聖地へ!
期待に胸を膨らませ,焼肉三昧!のはずが…
連続3食目には敗れたフードファイターのように挫折を味わうことに。
肉の波に呑まれ,これ以上はもう無理だ,と箸を置いたあの瞬間。
あのガッツリとした肉を前に,こんなにも早く白旗を上げるとは。
イスラム教徒でもないのに,1ヶ月間も禁欲生活を送って断食したのに,信仰を持たぬ民の心は,斯(か)くも脆いものなのか…
ご多分に漏れず,帰国直後は肉を見るのさえ嫌になった。
あんなに入りたかった焼肉屋の匂いを嗅いだだけで,胃酸が警戒信号を発してくる。
そんなある日,秋の風に吹かれていると,脳裏の奥から別の香りが漂ってきた。
「松茸が食べたい!」
澄んだ月を見上げ,思いにふける。
この香り高い一杯のために,ひと月どころか1年も待ち焦がれていたのだ。
焼肉は,これを堪能するための前菜にすぎなかったのだ。と…
まるで満月を模したかのような漆椀を手に取り,松茸に心を奪われた夜だった。
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