
日本人を見たことのない所に2回行った事があります。
一回目は今では誰でも行くことができる成都や昆明です。旅行業者がパンダ公園のある成都に日本人が行けるようになりそうだと伝えてきたので、早速友人を集めて日本人が戦後始めて訪れた成都でした。パンダの親が7~8頭、赤ちゃんが10頭位、孫悟空のモデルと言われるキンシコウを見たり、中国・ベトナム戦争時で前線の昆明では小銃を肩に掛けた軍人も多くいました。足になったのは「ハイエース」の新車でした。
2度目はソ連がロシアに変わった直後のカリーニングラード州です。飛行場に迎えに来たのがやはり「ハイエース」の新車でした。この地はポーランドとバルト三国の間にある「飛び地」で、バルチック艦隊の基地なので、大戦後の初めての日本人でした。中国といい、ロシアといい始めて訪れた地の乗り物が揃って「ハイエース」の新車が迎えに来ることにトヨタの製品や販売力に驚かされました。初めての日本人ですから配慮もしたのでしょう。
このカリーニングラードに家族で行くのは大変でした。ロンドンからコペンハーゲンで飛行機待ちをし、旧インツーリストに依頼しているだけで、地図もなくホテルの名前も知らされない不安の旅でした。飛行機はセスナを大きくしたもので、森の中の1本の滑走路を降りると両側にミグ戦闘機がズラーと並び、イミグレーションは背中にある大きな鏡の前に立たされ、尋問をされるような雰囲気でした。市内のバスはボデーに錆の穴が開き、乗客の足が見え、排気ガスは青白く、一酸化炭素の頭が痛くなりそうな臭いです。
近年、中国やロシアの交通事情を見るにつけ、中国の人民服と自転車、ロシアのぬかるみのでこぼこ道と穴の空いたバスを思い出すと隔世の感があります。
Posted at 2011/10/09 09:50:58 | |
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