こいつがけっこう速いクルマだと気づいたのはしばらくたってからだった。
昔のスカイラインたちみたいな暴力的な加速感はないけど、
モーターのおかげなのだろう、踏んだらすぐにスルスルっとスピードが上がっていく。
純ICE車のコンマ何呼吸かおいて反応する感じとは異質の加速感だ。
これは気持ちがいい。さすがハイブリッド!
。。と思ったけど、ハイブリッド車の売りそこだっけ?
燃費は二の次。モーターもつけちゃいました!みたいな「ワイルドハイブリッド」だ。
2014年のリリース当時としては、けっこう尖ったクルマだっただろう。
この割り切りには好感をもった。
DASという独自のステアリング機構も、世間で評判が悪いようなので、どんなもんかと
思っていた。ところが実際に乗ってみると、切った手応えがないなどという批判はまっ
たくの見当はずれで、運転に必要なインフォメーションはちゃんと返してくることが
わかった。ステアリング反力から不要なノイズだけがカットされているといった印象だ。
微舵域の遅れが少なく、リニアにピッとヨーが立つところなんかはよくできてるなあ、
と思う。ギヤ比もクイックだし、はまる人にははまるだろう。
ただおれはそういう乗り方はしない。
ハンドルはできるだけじわっとゆっくり切れ!荷重移動を使って最小限の舵角で曲がれ!
などと言われながら運転を覚えた世代だ。
むしろ、切り込んだステアリングを戻す側で、リアが出てきそうなのを感じて素早く
戻そうとすると、急に操舵力が重たくなるところに違和感を感じた。
が、それも発生条件が限られているし、あらかじめわかっていればなんとでもなる話だ。
なんと言ったって世界初なんだし、いきなり100点満点のものなんか作れるはずがない。
むしろよくここまでまとめたなあ、といたく感動した。
内装の質感も(新車価格相応に)高くなっている。
しかもそれでいてスカイラインらしいオーラがある。
オールドファンにとってのスカイラインらしさは、ある種の不良っぽさだと思っている。
V35も36もけっして優等生ではなかったけれど、勉強や部活でがんばってる、真面目な
生徒になっちゃった感じはやっぱり拭えなかった。
V37は見た目にも、昔悪かったやつが、今は大人になってまっとうに暮らしてはいるけど
チョイ悪なとこもちゃんと内に秘めてるような毒がある。
のちに400Rを出してくれたことからもわかるように、日産がスカイラインを作ろうとして
こいつを作った証左だろう。
結論として、こいつはいたく気に入った!
大切に長く乗りたいと思う。
(実際乗るのはうちの嫁なんだけれど。)
Posted at 2023/05/02 23:18:20 | |
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